―― ヘアカラー経験ゼロの私に、艶やかな驚きと目の保養を提供し続けてきたのがBIGBANGだ。
―― 最近の私がシェイクスピアに凝っているのは、もちろん、2パックのせいである。昨年12月に発売された我が著書『丸屋九兵衛が選ぶ、2パックの決めゼリフ』(スペースシャワーネットワーク)で、シェイクスピア演劇...
―― 例えば、ディアンジェロ。あるいは、エリック・ベネイ。 音楽性が素晴らしいわりに、人生そのものでつまずくアーティストが多いのが、“ネオ・ソウル”と呼ばれるジャンルの特徴である。マックスウェルも隠遁生活が...
―― 現在公開中の映画『ゲット・アウト』を鑑賞された読者も多いだろう。同作がトレイラーやポスターなどに記された“ホラー映画”だけで済まされないことは、物語の端々から読み取れたはずだ。本稿では『ゲット・アウト...
―― 「映画の中で描かれる有色人種の差別表現は、時代と共に、そこまで重苦しくなく、ファニーになってきている側面があります。特に90年代以降のブラックムービーにおける差別表現は、そもそも黒人コミュニティ内で完...
―― ヒップホップ界には名物社長が多い。日本でも間もなく公開される、2パックの伝記映画『オール・アイズ・オン・ミー』で、またも暴れるシュグ・ナイトも、その宿敵だったパフィことショーン・コムズも。
―― 20年以上前だが、UKレゲエ界にアパッチ・インディアンという人気DJ(ラッパー)がいた。「Make Way For The Indian」という曲には、あの「Fuck Compton」でおなじみのティ...
―― カダフィ。フセイン。ホメイニ。アミン。カストロ。「今は亡き、悪名高き独裁者たち」とくくるのは簡単だが、第二次世界大戦後にアメリカが中心となって定めた「国際秩序」に抗い続けた政治家ばかりともいえる。
―― 鎌形赤血球症を「病気」と呼ぶべきか「状態」と呼ぶべきか悩む。だが、牛乳で腹を壊す「乳糖不耐症」を病気と称するなら、鎌形赤血球症だって病気なのだろう。前者と後者を比較すると、後者のほうがかなり一般的(潜...
―― 最後のアルバム、だという。とはいえ、アーティストのその手の宣言がアテにならないのはヒップホップ/R&B業界の常識。我々が過去にどれだけ「ラストアルバム」「引退」「カミングスーン」に騙されてきたか思い出...
―― 韓国に帰れ!先日、防弾少年団(バン・タン・ソニョンダン、略してBTS)は、米ビルボード・ミュージック・アワードで賞を獲得した初めてのK-POPアクトとなった。そんな彼らに対してインターネット上で寄せら...
―― 死地に赴く若きドワーフのつもりで歌いました。自曲についてそう語った青年は、しかし、ドワーフよりホビットに見える。なんにせよ、小柄な体格といい、やや幅広な顔といい、「中つ国の住人」色が濃厚だ。
―― “ギャップ萌え”という耳慣れない言葉を知ったのは、数年前だったか。当時の私はインターFMで『モンゴリアン・デスロック』という番組をやっていた。同局の「音楽重視姿勢」のまったく逆を行くトーク詰め込みすぎ...
―― デイヴィッド・ボウイ。プリンス。ジョージ・マイケル。偉人たちの追悼コーナーになりつつある最近の本連載。今回も世を去った人たちを悼む内容となってしまった。
―― 昨年を振り返ると、年始から年末までボーイ・ジョージがお悔やみ担当だった気がする。
―― 去る12月上旬。「台南の菩薩」とも呼ばれるラッパー大支(ドゥアギー)が率いる台湾クルー〈人人有功練〉が来日し、東京・渋谷「R Lounge」でフリーコンサートを敢行した。
―― アンドレ・ザ・ジャイアントと名乗るラッパーがいる……と言ったら、昭和プロレス・ファンは驚くだろうか。
―― ジャスティン・リンに会った。
―― ダーウィンの時代から、生物学のセオリーを人間社会のモロモロに当てはめて悦に入る御仁は少なくないが、そうした言説はほとんどの場合、決定的に間違っている。「赤の女王に呪われよ」と毒づきたくなるほどに。例え...
―― バラク・オバマ大統領の任期は最後の数カ月に突入したが、彼がアメリカ社会にもたらした変化は忘れ去られることがないだろう。そのひとつが、LGBTピープルへの配慮だ。オバマがいなければ、ジェイ・Zや50セン...
―― 本誌ライター陣、小林雅明&丸屋九兵衛によるタブーMV傑作選。
―― 音楽は消費されるものではなく、世界を変えるためのもの――。アーティストにとって、こうした信念を表現する手段が、楽曲であり、映像で具現化させたMVの世界。人種差別問題から社会批判、過激な性描写まで。これ...
―― ブラックミュージック・ファンは“カミング・スーン”を信じない。
―― 昨年4月13日(月)13時30分。ワシはタワーレコード渋谷店の1階特設ステージに立っていた。とあるアメリカ人ミュージシャンのトークイベントの相方として。
―― 炎上万歳!(イージー・E&アイス・キューブ)──というのは、我が新著『丸屋九兵衛が選ぶ、ストレイト・アウタ・コンプトンの決めゼリフ』(スペースシャワーネットワーク)のオビに踊る惹句である。
―― アメリカ現地時間・4月21日、朝。プリンス・ロジャーズ・ネルソン57歳の訃報が伝えられて以来、インターネット上ではその衝撃や喪失、悲嘆を訴える声が絶えない。
―― 本誌連載「ファンキー・ホモ・サピエンス」、そしてブラックミュージック情報サイト「bmr」の編集長としてもおなじみの“キモオタ界、最後の希望”こと、丸屋九兵衛氏が不定期で開催しているトークライブ「Q-B...
―― 昨年8月に全米公開され、音楽伝記映画としては史上最大のヒットとなった『ストレイト・アウタ・コンプトン』が業界に与えたインパクトは大きい。映画界では、当然のごとく便乗作品が登場。まずは、去る4月2日に日...
―― 「もし、南北戦争で南軍が勝っていたら」――そんな世界的歴史を題材にした“歴史改変文学”なるジャンルがある。ここでは本誌連載でおなじみのライター・丸屋九兵衛氏が太鼓判を押す未邦訳作品を解説。さらに3人の...
―― 歳をとらないとしたら、若いことに、なんの意味がある? そんな名文句を「Gold」という曲の中で放った彼は、しかし、なかなか歳をとらないのだ。でも、かつて彼に近しかった人々は、必ずしもそうではなく。
―― あれは97年だったか、99年だったか。とにかく、クリス・ロックが司会を務めた年の『MTV Video Music Awards』での出来事だ。舌鋒鋭い黒人コメディアンのクリスは、バックストリート・ボー...
―― ワシは今でも、時折1995年の事件を思い出す。その事件というのは、米ヒップホップ雑誌「The Source」が主催した「Source Awards」という式典での問題発言だ。
―― 今や、エア・ジョーダン購入者の過半数は、マイケル・ジョーダンという人物を知らないという。同様に、ここ日本ではドクター・ドレーがプロデュースするヘッドフォン「beats by dr. dre」のユーザー...
―― ジェット・リーではない。リー・リンチェイと呼ぶべし! オールドスクールなカンフー・ファンが概してそうであるように、ワシも20年近く、この“ハリウッド仕様”な芸名に違和感を覚えてきた。
―― 互いに関係なさそうな2つの要素の、語られざるつながりを世に知らしめること。それはワシの特技であり、生き甲斐でもある。マーティン・ルーサー・キング牧師と『スター・トレック』、『ワイルド・スピード』とファ...
―― テイラー・スウィフトは、カントリー系歌手としては異常である。つまり、同ジャンルとしては例外的に国外での人気が高いのだ。最新作『1989』に至っては、世界全体のセールスを占める米国セールスは60%弱のみ...
―― ワシが「What if」についてよく考えることが多いのは、SF育ちだからだろうか? というのも、SFには「もし○○が××だったら」という、違う歴史をたどった世界を描く「オルタネイト・ヒストリー」という...
―― クリス・ロックといえば、90年前後のヒップホップ・シーンに最大限の敬意を表しながら、当時の人気ラップ・グループ「NWA」(通称=世界で最も危険なグループ)をパロディ化した93年の映画『CB4』で主演と...
―― アーティストの全盛期は短い。特にレコーディング・アーティストとしての全盛期は。はやり廃りが激しいブラックミュージックの世界ではなおさらのこと。不幸なのは、ブラックミュージックの枠を超えた人気者になって...
―― 過日、ジョージ・クリントン来日中のインストア・イベントにて、当のクリントン師匠とトークする機会があった。その模様は近日中に動画サイトにアップする予定だが……師匠と話すうちにワシの心に去来していたのは、...
―― 今米英のテレビドラマの充実ぶりがすごい。まあ、去年や今年に始まった話ではないのかもしれないが。
―― ショーン・コネリーがプロデュースと主演を兼ねて、意気揚々と03年に映画化したものの、評価的にも興行収入的にもボロボロの結果を招き、失意のサー・コネリーが引退を決意するきっかけとなった映画『リーグ・オブ...
―― 台湾に行くたびに感心するのは、現地における洋楽アーティスト名の漢字表記である。
―― ロックの世界でザ・ビーチ・ボーイズの『Smile』が長らくそうだった(ある意味、今でもそうか)ように、ブラック・ミュージック界にも「世に出ていない傑作」や「伝説のお蔵入りアルバム」がいくつか存在する。
―― 長谷川町蔵氏が教えてくれた映画、03年の『The Hebrew Hammer』。70年代黒人活劇(いわゆるブラックスプロイテーション)にオマージュを捧げながら、主人公を――黒人ではなく――ユダヤ人タフ...
―― アメコミの実写化と、70~90年代ヒット作のリブート/リメイクが目白押しのアメリカ映画界。こないだの『ヘラクレス』も、同じロック様(ドウェイン・ジョンソン)が主演した02年作『スコーピオン・キング』の...
―― ジェイミー・フォックスといえば、みなさんにとっては俳優、なのだろうか。ワシにとっての彼は、あくまでもコメディアンなのだが。
―― 丸屋九兵衛氏が過激な作品として推す海外アニメは『ザ・スリム・シェイディ・ショウ』。ラッパーのエミネムが原案で、彼自身が3役の声優を務めた短編アニメ集だ。
―― ブラウン・ペーパーバッグ・テストというものをご存じだろうか?日本ではすっかりビニール袋に取って代わられた感があるが、かつて買い物の際に商店で供されていた、薄茶色の紙袋。それが「ブラウン・ペーパーバッ...