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「ファンキー・ホモ・サピエンス」【55】

【エクスケイプ】帰ってきたカミナッチャ、90年代魂を伝える女たち

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『Here For It』

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エクスケイプ(販売元:RedZone Entertainment)

今年リリースされる予定のEP『Here For It』は――00年代半ばの単曲「What’s Up」を除けば――エクスケイプにとって20年ぶりの新作。去る12月1日には、「Dream Killa」と「Wifed Up」という2曲が先行リリースされた。特に前者は、苦い関係と破れた夢を見つめ直す恨み節がドリーミーなトラックに乗る、彼女たちらしい佳曲。


 最近の私がシェイクスピアに凝っているのは、もちろん、2パックのせいである。昨年12月に発売された我が著書『丸屋九兵衛が選ぶ、2パックの決めゼリフ』(スペースシャワーネットワーク)で、シェイクスピア演劇少年だった彼について、ねちっこく書いたのが主な原因だ。

 1月末には「文系青年としての2パックを語ろう」というトークも敢行。その宣伝に反応した中に、気になるツイートがあった。奇特な御仁が、シェイクスピアはシェイクスピアでも、〈She'kspere〉に言及していたのだ。それは、2000年前後にTLCやデスティニーズ・チャイルドに大ヒット曲を提供したR&Bプロデューサー、ケヴィン“シェイクスピア”ブリッグスのことである。

 18年、あの頃から20年ほどが過ぎようしている今、90年代R&Bを背負って立ったグループが再始動し、静かな旋風を巻き起こしているのだ。

 その名はXscape(エクスケイプ)。先のシェイクスピアのソングライティング・パートナーだったキャンディ・ブラスが在籍していた女性シンガー4人グループである。

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