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丸屋九兵衛の音楽時事備忘録「ファンキー・ホモ・サピエンス」【16】

【プリンス】黒いアメリカが最も愛す男?「俺たちの殿下」を考える

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人類のナゾは音楽で見えてくる! ブラックミュージック専門サイト「bmr」編集長・丸屋九兵衛が"地・血・痴"でこの世を解きほぐす。

『Art Offical Age』

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Prince(発売元:ワーナーミュージック)
本文中にある通り、バンド作品も同日発売した殿下。その「プリンス&サードアイガール」名義作がロック寄りなのに対し、この個人名義アルバムのほうは「ファンクを強化した80年代プリンス路線」という印象で、個人的に大好物。でも、そんな同作の白眉は、やはり裏声が映えるバラード「Breakdown」かなあ。

 ジェイミー・フォックスといえば、みなさんにとっては俳優、なのだろうか。ワシにとっての彼は、あくまでもコメディアンなのだが。

 とはいえ、スタンダップ・コメディアンとしてのジェイミーは、メチャメチャ面白い、というわけではない。それでも彼が、ワシにとって大好きな芸人のひとりであり続けるのは、芸からにおい立つプリンスへの敬愛ゆえだ。

 彼の漫談ライブを収めたDVD『アイ・マイト・ニード・セキュリティ』を見てみよう。「俳優としてハリウッドに出入りすると、大好きなスターに会えるようになる。俺の場合、それはプリンスだった」という前置きで始まる生プリンス体験談は、殿下の「子鹿のような可愛さ」に魅入られたジェイミーが「2秒間だけ、ゲイになった」という告白に行き着く。この発言、同性愛嫌悪が根強い米黒人社会では、異例中の異例だ。そして、続くのは「この会場にいるほかの男たちだって、彼と会ったら特別な感情を 抱かずにはいられない」という断言。

 これはもはや、スタンダップ・コメディではない。プリンスが、いかにブラック・アメリカに愛されてきたかの証左である。

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