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丸屋九兵衛の音楽時事備忘録「ファンキー・ホモ・サピエンス」【30】

【ドクター・ドレー】ルーズな金銭感覚に始まる富豪「ドクター」30年史 

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『Compton』

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ドクター・ドレー (発売元:ワーナーミュージック)

正確には、延期されていたアルバムは『Detox』。同作を「俺の基準に満たない」との理由でお蔵入りさせたドレーが、例の映画にも刺激されて完成させたのが本作だ。アイス・キューブからBJ・ザ・シカゴ・キッドまで新旧アーティストが入り乱れる構成ながら、ドレーらしいサウンドで統一された“裏サントラ”の趣がある。


 今や、エア・ジョーダン購入者の過半数は、マイケル・ジョーダンという人物を知らないという。同様に、ここ日本ではドクター・ドレーがプロデュースするヘッドフォン「beats by dr. dre」のユーザーの7割が「ドレーって誰?」状態とも聞く。それは、個人のキャラクターに依存して始まったブランドが、もはや一人歩き可能になった証左であり、健全なことではあろう。

 これまでのヒップホップビジネスマンにとって最大の資産は、自身の知名度だった。ショーン“パフィ”コムズやジェイ・Zですらそう。そんな彼らを超え、今やドレーは正統派ビジネスマンの道を歩んでいるようだ。しかし、ドレー自身が認めているように、彼は元来、金勘定が誰よりも苦手だった。N・W・A結成のきっかけすら、そのルーズな金銭感覚にあったりする。それが今や長者番付に君臨してしまうとは……どうしちゃったんだ、ドクター・ドレー! 今回は、そんな彼の歩みをおさらいしたい。

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