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第1特集
「A-THUGプロデュースSTICKY追悼Tシャツ」特別インタビュー

「負けず嫌いなあいつはSCARSの功労者」A-THUGが激白する故STICKYとの“ヒップホップ”な絆

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(写真/西村満、以下同)

 2000年代、日本でハスリング(薬物売買を指すスラング)ラップのムーヴメントを牽引した伝説的ヒップホップ・グループのSCARS。近年は再始動し、改めて存在感を見せつけていたが、2021年1月13日、メンバーのひとりであるSTICKYが急逝した。勘ぐり、裏切り、疑心暗鬼といったアンダーグラウンドのネガティヴな人間模様をヒリヒリとしたリリシズムでもってラップするそのスタイルは唯一無二であり、SCARSの重要なファクターを担ってきたラッパーだったことから、死を惜しむ声が多く聞かれた。

 このほど、そんなSTICKYの追悼Tシャツ(写真)を“リーダー・オブ・SCARS”ことA-THUGがプロデュースした(販売終了)。共に川崎サウスサイドで生まれ育った幼なじみでもあるが、2人の本当の関係とは――。A-THUGに地元で語り尽くしてもらった。
(取材・文=中矢俊一郎)

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――A-THUGさんとSTICKYさんは、地元が同じ川崎市川崎区ですよね。

A-THUG(以下、A) オレが伊勢町で、STICKYはもともと川中島だったかな。

――お2人は1980年生まれの同い年ですが、最初に出会ったのは?

A 幼稚園だったね。

――幼い頃なので記憶は曖昧かもしれませんが、当時を覚えていますか?

A なんとなくね。お互い、キノコヘアみたいな髪型の子どもだったと思う。

――小学校になると、どんな関係でした?

A 小学校も同じで、川中島小だった。STICKY、結構活発なヤツで、サッカーとかやってて。サッカーは小学校で一番うまかったんじゃないかな。しかも、みんなをまとめるリーダー的存在だった。

――A-THUGさんも一緒にサッカーをしたんですか?

A オレは小学校の途中まで野球をやってたんだけど、小5の終わりくらいからスケートボードをやりだして、そっちに興味を持って。そこからは野球とかサッカーにまったく興味がなくなった。

――当時は、STICKYさんとはどういう関係だったんですか?

A さっきも言ったように、STICKYは学校でみんなのリーダーというか、ガキ大将的な立ち位置だったんだよね。で、小6の頃、自分はスケートボートをやってたわけだけど、なんかSTICKYを筆頭にみんなからシカトされて……。

――いわゆる集団無視みたいな。

A そうそう。たぶん、STICKYが好きだった女の子がいたんだけど、その子がオレにチョコレートをくれたりしたから嫉妬したんじゃないかな。あと、自分はスケートボードをやってサッカーとか野球とかに目もくれないような感じだったから。学校全体で無視されたね。特に男たち全員に。女の子たちはみんな味方になってくれたけど。まぁ、そんな感じの小学校時代。

――では、STICKYさんとは決して仲が良かったわけではないんですね。

A 自分的には、いきなりそういうことをされたって感じ。そういうことがあったのは現実だし。He is jealous on me.

――ちなみに、A-THUGさんは小5からスケートを始めたとのことですが、ほかにもそういう子は周りにいたんですか?

A うーん、早いほうかな。同級生がもうひとりいたくらいで、近くの大師公園とかで一緒にやってた。2人とも3コ上のお兄ちゃん、お姉ちゃんがいて、ムラサキスポーツが流行ったりしてたから、そういう流れで始めたんじゃないかな。公園に行くと、もっとディープなお兄さんがいて、ビースティ・ボーイズのCDとか向こう(アメリカ)のスケートビデオとかを貸してくれたり。あと、洋服をくれたりね。もう早い段階で、自分はそういうカルチャーに染まっていった。

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――STICKYさんからすれば、A-THUGさんは自分が知らないイケてることをしているマセた同級生のように見えて、嫉妬したところもあったのかもしれませんね。

A いや、自分的には理由はわからないけど……。オレは別にその子のこと好きだったわけじゃないけど、確かに周りの子よりかわいくて、きれいで、大人っぽくて、頭も良くて、学校で一番人気みたいな感じだったから。まぁ、そのくらいしか思い当たらない(笑)。

サッカーの練習帰りにオレが“こっち”の道に引っ張った

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