「新潮45」休刊の裏にある、個人的憎悪の欠如――幽霊、雑誌の去勢と俗物主義の衰退。
―― 「新潮45」が休刊した。ヘイト系記事で一発休刊の先行事例だった文藝春秋の「マルコポーロ」は、世界有数の圧力団体である「ナチ・ハンター」サイモン・ウィーゼンタール・センターに見つかって雪隠詰めだったが、...
―― 「新潮45」が休刊した。ヘイト系記事で一発休刊の先行事例だった文藝春秋の「マルコポーロ」は、世界有数の圧力団体である「ナチ・ハンター」サイモン・ウィーゼンタール・センターに見つかって雪隠詰めだったが、...
―― 今回の特集は「グラビア」とのことだが、最近のB級グラドルは、AbemaTVやCSのホビー専門チャンネルへの出演をきっかけにパチンコ雑誌のライターや麻雀プロへ転身するケースが多い、という話を聞いた。パチ...
―― 今回の特集テーマは「タブー」ということで、担当氏から「(前回の続きで)バーチャルYouTuberかオウム真理教の2択でどうでしょう」と提案されたが、両者はコインの裏表のように思える。VTuberがサリ...
―― 先々月の本稿で♯metooの話をしたが、日本では早稲田大学で渡部直己のセクハラ事件が暴露された。しかし、弟子の市川真人による文壇内根回しが功を奏したのか、荒木経惟の件より早く鎮火しつつある。結果として...
―― 器用なタレントに小説を書かせ、院外団な書店員と賢しらな編集者や書評家が一見、民主的な文学賞で下駄を履かせる一般文芸の手口も見抜かれたのか、とんと話題にならなくなった。結局は、青島幸男が直木賞を取った8...
―― ハリウッドで性的被害を告発する「#MeToo」が始まった時の感想は、ケネス・アンガーの『ハリウッド・バビロン』が出版され、すぐに発売中止となった半世紀前には「卑俗な醜聞」と切り捨てられていた事柄が切り...
―― テレビ情報誌の皮を被ったサブカルコラム雑誌「テレビブロス」(東京ニュース通信社)の全面リニューアルが報じられた。執筆陣の大半を入れ替えるあたり、「シティロード」や「プレイガイドジャーナル」の末期に近い...
―― 今月の特集は定番の「裏」だが、マンガ編集者だった筆者にとって最近の「裏」といえば、市販のマンガ単行本を無料でバラ撒く違法ダウンロード海賊版サイトの「漫画村」だ。毎月10億以上もアクセス数を稼ぎ、出版社...
―― 雑誌特集なら不景気話が定番だろうと思ったら「前回もやったのでもういいです」と言われたので、今回は景気のいい文春砲の話である。とはいえ、小室哲哉を引退へ追い込んだことで一気に潮目が変わったのだが、その原...
―― 前回もマンガの話をしたような気がするが、今回はマンガ特集だった。そして、現場の人間と話すたびに苦笑いしているのは、景気回復の恩恵が出版業界の地盤沈下に追いついていないからだが、利益率の高さで屋台骨を支...
―― 出版界のヒットメーカーが編集を手がけ、瞬く間に100万部を突破した『漫画 君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)。糸井重里ら著名人も称賛のコメントを寄せ、メディアにも絶賛の記事が並んでいる。本稿では...
―― 戦前に書かれた原作は連帯と自己犠牲を美徳と謳う、絵に描いた餅のような理想主義の正論だが、子どもの頃はそれなりに感銘も受けたから、否定はしない。理想と現実の断層を知らなければ、状況と相対し、戦うこともで...
―― 日馬富士の暴行問題は結局、引責引退となったが、相撲も政治も若い改革派と呼ばれるのは排外主義者ばかりで、ああ、この国もそういう時代に入っているのだな、と感慨深いものがある。良くも悪くも。
―― 今回の本誌特集は映画だが、気がつけば大型シネコンも飽和状態で、4DXやらIMAXやら、新しい視覚効果技術を競っている。もっとも、技術の進歩も考えもので、専用の高価な映写システムを導入しなくてはならない...
―― 筆者は〈元〉批評家だが、専門分野が軽佻浮薄なサブカルチャーなので、政治を語ることはできるだけ避けてきた。半可通が語ったところで床屋政談にしかならないからだが、最近の抜き打ち解散から衆院選、ついでに政界...
―― 動画投稿メディアとしてのニコニコ動画が凋落し、動画配信サービスもNetflixなどの黒船が襲来してHuluも凋落し、国内の動画メディアの多くは苦しくなっているが、周辺の有象無象はまだまだ元気だ。
―― ジャイアンツの山口俊が暴行事件を起こしたのだが、球団も事態を把握できていないようで、本稿を書いている時点では、警察の取り調べが固まらないと処分も決まらないという珍事態になっている。巨人のことだから揉み...
―― 都議選の結果に呆れつつも、今回の特集は「日本のエロ」なのだが、筆者がエロ本の編集者だった20年前から考えると、ずいぶんとポルノグラフィも変わったな、と思う。その時代にかかわっていたマニアックでフェティ...
―― 今回は特集記事も書いたので、ひたすらテレビのミステリドラマを観ていたのだが、『貴族探偵』はさておき、観月ありさ主演の『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』が安易なアイドルコスプレドラマの典型で頭を抱...
―― フジテレビ肝煎りの月9ドラマ『貴族探偵』が不調で、社長の更迭や月9枠廃止まで取り沙汰されているが、その失敗の要因はもう少し冷静に分析する必要がある。そもそも原作に据えた「ジャンル小説」が実写化に不向き...
―― 浅田真央の引退でテレビのニュースもワイドショーも埋め尽くされ、記者会見がNHKと民放各局で生中継で『徹子の部屋』も飛んだから『やすらぎの郷』まで飛ぶんじゃないかとヒヤヒヤしていた(もっとも、テレビ東京...
―― 今月の本誌の特集も含めて、「最近、アイドルや俳優の引退が多い」という話題はあちこちでよく聞くが、その現象自体は、芸人まで含めてタレントの過剰供給状態で、報じるメディアも拡大した結果、契約終了まで話題と...
―― 龍の歯医者がエル・カンターレ(CV:子安武人)の歯医者になってしまったのによく放送できたなNHK……と思う今日この頃だが、〈元〉批評家の筆者も新宗教ウォッチャーとしてはバリバリ君、もといバリバリの現役...
―― 深夜ラジオを本格的に聴き始めたのは高校時代だ。六畳に生徒会長の先輩と2人の座敷牢……もとい、寮生活はテレビ所有禁止だったので、勉強のふりをしつつヘッドホンでラジオを聴くしかなかった。当時、熱心に聴いて...
―― マンガの国の住人なので、呼吸するようにマンガを読んできたが、近年は電子書籍ばかり買っている。本棚のキャパシティが限界なので実に便利だが、気がついたら2000冊を超えていた。もっとも、半分以上が積ん読状...
―― 本誌の特集は、Hi-STANDARDの新譜がチャート1位の件でパンクのおっさん化/若者のパンク離れ、とのことだが、筆者もムーンライダーズの「活動休止の休止」ライブに8000円払ったばかりなので、他人の...
―― ベイスターズのクライマックスシリーズ出場は嬉しかったが、やっぱり日本シリーズとは違うというか、テレビ中継には困ったものだった。巨人対DeNAの1stステージ第1戦は、BSと地上波のリレー中継とはいえ、...
―― ハマの番長・三浦大輔の引退試合を観ていた。シーズン最多が12勝の典型的な弱小球団のエースだったが、00年代以降では工藤、山本昌、黒田に次ぐ通算3000イニング以上を投げ続けた大投手の最終登板は、メッタ...
―― テレビと芸能界の縮図としての『24時間テレビ』は実に素晴らしい番組で、2008年、天狗になっていたエド・はるみが欽ちゃんに(Zeebra的な意味で)公開処刑され、それから坂道を転げ落ちるように売れなく...
―― 前回、「ついに消えゆく」と書いたが、永六輔と大橋巨泉が立て続けに亡くなった。永六輔は70年代以降、ほとんどラジオの住人で、テレビ草創期の功労者と言われても若い世代が知らないのは当然だが、晩年までテレビ...
―― 今回の編集部は京都特集で民族大移動中だが、東京の筆者は都知事選の動向にうんざりしつつ原稿を書いている。もっとも、青島幸男が都知事になった20年前の時点でタレント知事のコンプガチャが延々と繰り返されるの...
―― いまは掲載媒体も紙の雑誌ではなく、ニュースサイトのほうが多いくらいで、ライターが世に出る手段もウェブ経由が多いようだが、筆者はブログどころかテキストサイト出身ですらない。たぶん、エロ本の雑文書きや編集...
―― ラジオは仕事に不可欠だが、ピアノを弾くわけでもないのに完全防音仕様の自室で受信可能なのは、NHKとTBSラジオだけでひどく難儀していた。しかし、IPサイマル放送を使えば、エフエム沖縄の『ゴールデンアワ...
―― 先月号の特集で報じられた通り、業界4位の書店取次だった栗田出版販売に続いて、5位の太洋社も破産した。売掛債権の見込みが甘かったのもあるが、約8億円の負債があった大口取引先の芳林堂書店が先手を打って自己...
―― 年明けから早朝バズーカならぬ、文春バズーカが炸裂しまくっていてワイドショーのネタには事欠かないが、SMAPと違って清原和博の逮捕は鎮火しようがないので延焼し続けている。「群馬のシャブばばあが建てたシャ...
―― 担当さんからのメールに、今回の特集が「前髪重い系バンド(ゲス極、サカナクション、セカオワほか)」と書いてあったので、腹を抱えて笑ってしまった。卵が先か鶏が先か、依頼の大半はオタク方面の話題なので、そう...
―― 生家が「あの人は今」な歌手のタニマチをやっていたので、不幸なことに芸能界の虚実ないまぜな体質は子どもの頃から知っている。醒めているから、本誌の芸能ゴシップ記事も話半分に面白がっているが、世間を眺めると...
―― 小説よりもマンガに近い立場の娯楽小説が「ライトノベル」の名を得て、かれこれ15年くらい経ったろうか。その初期に『ライトノベル完全読本』(日経BP)というシリーズに関わっていたのだが、休刊から10年、ジ...
―― エロマンガなのに泣ける!? ロリ少女がアヘアヘしてるアブないストーリーに涙が止まらない!? ヤバイロリコン男だけが読むものだと思っていたエロマンガ業界が誇る「泣けるエロマンガ」のディープな世界を、...
―― 幽霊の分際で、たまにうっかり世間の中へ紛れ込むと「美少女ゲーム、深夜アニメ、ライトノベルなど、90~00年代のオタク系サブカルチャーを語っていた批評家が、どうして語らなくなったのか?」と聞かれることが...
―― この号の本誌特集テーマは「ヤクザ」と聞いたが、編集部からのメールは「今回のテーマ、プロ野球でどうでしょうか?」だった。よりにもよって筆者も担当編集も横浜DeNAベイスターズのファンなので「なるほど、8...
―― 映画が好きだった。いや、今も好きだが。20年くらい前は名画座に入り浸り、近所にできたばかりのTSUTAYAでVシネを借りまくっていたくらい好きだった。
―― 墓の下にラジオはあってもテレビはないので、テレビバラエティも長いこと観ていなかったが、這い出してからはよく観ている。家族がバラエティばかり観ているからだが、チャンネル争いにならないのはマツコ・デラック...
―― 栗田出版販売(業界第4位の取次)すら民事再生法適用を申請する世知辛い世相と関係があるのかないのか、本誌は毎年恒例の本特集とのことで、担当さんから又吉直樹氏の小説について感想を訊かれた。
―― 雑誌というものは虚実ないまぜであるから「雑」誌であり、本誌に書いてあることも半分は本当で、半分は嘘だ。実際の比率がどうかはさておき、だいたいそういうものだと思って読んでいる。特に本誌は実話誌(?)であ...
―― 墓の下で長いこと寝ていたので、浦島太郎になるかと思ったら、そうでもなかった。墓前のお供え物のおかげかも知れない。
―― (C)2008 二馬力・GNDHDDT [宇野常寛の"ポニョ"評] 7点 『もの...
―― 突然だが、この連載は今回で最終回だ。でも安心してほしい。単に、キーワードを考...
―― バカに見られることを恐れず、思想によって社会を動かすために (写真/田中まこと)...