サイゾーpremium  > 連載  > 更科修一郎の「批評なんてやめときな?」  > 更科修一郎の「批評なんてやめときな?」
連載
更科修一郎の「批評なんてやめときな?」【18】

ハマの番長引退試合に想いをはせて……幽霊、野球もマンガも引き際は難しい。

+お気に入りに追加

――ゼロ年代とジェノサイズの後に残ったのは、不愉快な荒野だった?生きながら葬られた〈元〉批評家が、墓の下から現代文化と批評界隈を覗き込む〈時代観察記〉

1611_sarashina.jpg
作者のアシスタント時代の自伝マンガで、手描き作画の細部まで活写する異様な面白さ。今回の騒動で影響が出なければ良いが。

 ハマの番長・三浦大輔の引退試合を観ていた。シーズン最多が12勝の典型的な弱小球団のエースだったが、00年代以降では工藤、山本昌、黒田に次ぐ通算3000イニング以上を投げ続けた大投手の最終登板は、メッタ打ちの見事な大敗であった。しかし、あれほど見事な引退セレモニーもなかった。なぜか『熱笑!!花沢高校』最終回の「お…男の……花道やっ」が脳裏に浮かんだのだが、番長の場合は努力と人徳とタイミングがたまたま合致したからよかった。というか、もしも今年もダントツの最下位だったら、もしも親会社がTBSのままだったら、もしもタイガースへFA移籍していたら……こんな幸福な引退にはならなかったろう。

 まったく、男の引き際は難しいが、梶谷隆幸も愛読している「マガジンSPECIAL」の人気連載『Dreams』の引き際は大惨事になっていた。掲載誌休刊に伴う打ち切りで、20年かけて積み重ねてきた物語が一気に崩壊する超展開だったのだが、長期連載の扱いが雑なのは講談社の伝統だ。『ああっ女神さまっ』や『無限の住人』のようにカウントダウンでの完結はまれで、月マガの大看板『なんと孫六』ですら微妙な結末だった。もっとも、講談社に限らず、人事異動のついでに打ち切られるのは日常茶飯事で、逆に『ゴルゴ13』『浮浪雲』『風の大地』のように申し送りで死ぬまで続くであろう小学館ビッグコミック系の長期連載もある。むしろ『こち亀』のような大団円で終われるほうが珍しい。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年6月号

令和時代の(新)タブー

令和時代の(新)タブー
    • 新紙幣【渋沢栄一】の功罪
    • 【薬物裁判】の戦い方
    • 駆け込み【薬物解毒病院】の実態
    • 【働き方改革】芸能事務所の本音
    • 【奈月セナ】タブーすぎるGカップ
    • 【名探偵コナン】のタブーとは?
    • 【平成とコナン】日本の写し鏡
    • ディズニーと【ダッフィー】の謎
    • 令和の【日本語ラップ】を考える
    • 【ブートクチュール】の最尖端
    • インスタグラム【パクリ暴露】アカ
    • 【女性皇族】結婚相手に求められる品格
    • 【愛子天皇陛下】実現の可能性は?
    • 格差を生む!?IOT時代の【電力問題】
    • 【エネルギー問題】を解決する施策
    • 【顔認証】で監視国家へ進む日本
    • 【スコアリング社会】のディストピア
    • なぜ【ショタコン女性】が増えているのか
    • 【ショタコンマンガ】傑作3選

「サイゾー」表紙の20年史

「サイゾー」表紙の20年史
    • 【祝20周年】橋本マナミも都丸紗也華も登場!

NEWS SOURCE

    • 【錦戸亮】退所?揺れるジャニーズ
    • 安倍政権の謀略戦で【立憲】窮地に!
    • エイベの恥さらし【AAA】暴行事件の遠因

インタビュー

    • 【山田佳奈実】ダンス極めし女優の野心
    • 【DJ松永】ラジオに救われた人気DJが自虐封印
    • 【ミヤギフトシ】気鋭美術作家の青春小説

連載

    • カバーガール/小倉優香
    • 【大間乃トーコ】Hカップの夢は保健の先生
    • 三代編集長で振り返る【サイゾー】の20年
    • 【ラウンドガール】圧巻の11人グラビア
    • 【珠緒】は冷たい芝生の上に
    • 【次のIT】とどう付き合うのか?
    • 【更科功】化石人類から見える人間の根源(前)
    • 高須基仁/【国への思いに右も左もない!
    • 【生殖器崇拝】と一般認識の深き溝
    • 中国イーコマース企業が作った【完全無人倉庫】
    • 【ニプシー・ハッスル】R&Bは絶滅へ向かう
    • 町山智浩/【アス】特権と罪悪感の恐怖を描くホラー
    • 日本経済【平成の失敗】と令和時代への教訓
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/サイゾーの成人式
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/『82年生まれ、キム・ジヨン』日韓のフェミニズムの今
    • 【全身ラバー】女と出会いたい
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 【大江戸ビール祭りの仕掛人】醸造に乗り出す!
    • 伊藤文學/【薔薇族】の女性読者たち
    • 幽霊、獣に成り果てたフレンズたち。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』