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更科修一郎の「批評なんてやめときな?」【9】

AKB48、μ's、狂った時代のアイドルたち…幽霊、紅白歌合戦を観て書く新年。

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――ゼロ年代とジェノサイズの後に残ったのは、不愉快な荒野だった?生きながら葬られた〈元〉批評家が、墓の下から現代文化と批評界隈を覗き込む〈時代観察記〉

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この本は美談だと思うが、実際には沈没船から逃げた連中のほうが成功している。哀しい現実。

 生家が「あの人は今」な歌手のタニマチをやっていたので、不幸なことに芸能界の虚実ないまぜな体質は子どもの頃から知っている。醒めているから、本誌の芸能ゴシップ記事も話半分に面白がっているが、世間を眺めると、本気で怒っている真面目なアイドルファンが多いことに驚く。

 それでも、90年代の沖縄アクターズスクール系から初期ハロプロの頃はCDをよく買っていた。SPEEDとか太陽とシスコムーンとか。洋楽的な技術の高さで『ドカベン』の明訓高校のようにそびえ立っていた沖縄アクターズスクールを、つんく♂の知恵と泥臭い努力と根性で乗り越えていく初期ハロプロは『アパッチ野球軍』だった。後藤真希が網走スイスイで、保田圭は材木ゴシゴシ。みんな集まれ集まらねえとハッパかけるぞ!(中澤裕子が)

 80年代のキラキラなアイドルブームが終わって「冬の時代」と言われていたが、洋楽を強く意識していた90年代のアイドルはそれなりに好きだった。前述の体質を知っているからアイドルへの幻想が欠落していて、ライブで観ることに興味はなかったけど。なので、おニャン子クラブに努力と根性を加えたAKB48が「会いに行けるアイドル」というコンセプトで台頭してきたと思ったら、界隈全体が一気にキラキラの時代へ回帰したのには驚いたし、アイドルアニメをそのまま三次元化した声優グループまで紅白歌合戦に出てくるとは。クレイジー'10s……狂った時代が彼女たちを生んだ!

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