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更科修一郎の「批評なんてやめときな?」【6】

幽霊、野球への偏愛は呪詛の如く。

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――ゼロ年代とジェノサイズの後に残ったのは、不愉快な荒野だった?生きながら葬られた〈元〉批評家が、墓の下から現代文化と批評界隈を覗き込む〈時代観察記〉

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今となってはポストモダンな連中が、プロ野球の前近代性を茶化しただけの本。時代の徒花。

  この号の本誌特集テーマは「ヤクザ」と聞いたが、編集部からのメールは「今回のテーマ、プロ野球でどうでしょうか?」だった。よりにもよって筆者も担当編集も横浜DeNAベイスターズのファンなので「なるほど、8月号の特集で『ミナトのせがれ』を紹介していたしな」と納得したが、野球に限らず、プロスポーツは地方経済と深く結びついている。

 ところが、船の汽笛が聞こえるオサレシティは、裏を返すと港以外にろくな産業がないので、港を仕切っている筋者が「地元財界」と言い換えられている。非合法にしてしまうと地域経済が成立しないからだ。前述の『ミナトのせがれ』も神奈川新聞に連載されていたが、日本経済新聞が山口組の司忍組長に「私の履歴書」を依頼するようなもので、近代化されつつあるスポーツ興行の中でもベイとプロレス(山一證券出身の成金も中身は大差ない)には前近代性が濃厚に漂っている。

 なので、たまたま日本一になっても地元財界と選手の癒着による内紛であっという間に凋落し、「人間の性、悪なり」という認識が刻み込まれたネガティブでひねくれたファンではあるが、荒川強啓の横で卑屈な笑いを取っているベイ芸人たちには殺意を覚えつつ、今日もニコ動で消化試合を観ている。親会社がDeNAになり、地元財界の介入に対抗可能な巨人OBを雇って、TBS時代よりはマシになったけど、そう簡単に体質は変わるまい。

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