サイゾーpremium  > 特集  > IT  > 動画は週刊誌を救えるか?【1】/【このハゲー】動画のお値段

 新聞社に続いて、週刊誌がオリジナル動画を作成、配信し始めた。「週刊文春」に至っては、スクープの裏話を記者が生トークする「ニコニコ生放送」(前半無料、後半有料)まで配信するなど、その展開が話題を呼んでいる。ここでは、そんな週刊誌動画をめぐる記者たちの本音に迫る。

雑誌の誌面と連動する形で配信された、錦織圭の恋人、観月あこの動画。結婚について言及するなど撮れ高は高かったものの、デメリットのほうが大きかった様子。(動画/「デイリー新潮」公式YouTubeチャンネルより)

「このハゲー!」

 近年聞いた言葉のなかで、これ以上の破壊力を持つ侮蔑語を知らない。インパクト的には、流行語大賞のノミネート級だったことは間違いないだろう。

 そして、このひと言で一気に全国区の知名度を得たのが、豊田真由子参議院議員(当時は自民党)だ。今年6月、テレビのワイドショーや報道番組などで連日報じられた彼女の罵声とミュージカル調の暴言を収めた音声動画を見聞きした人は、少なくないだろう。

「そもそも一連の騒動を報じたのは『週刊新潮』(新潮社)でした。同誌は、取材で入手した音声を動画にしてニュースサイト『デイリー新潮』などで流し、それをテレビ局に提供したことで、二次使用料として、1500万円もの収入を得たとも言われています」(某週刊誌編集者)

 日本雑誌協会によれば、現在「週刊新潮」の印刷部数は約43万部。号によってはその売り上げも大きくバラつく上に、制作費がかさむ週刊誌にとって、「このハゲー!」動画が稼ぎ出した1500万円という額が決して少なくない収入であったことは、想像に難くない。

「昨年、『新潮』はスクープを連発していた『週刊文春』(文藝春秋)だけでなく、『週刊現代』(講談社)にまで売り上げを抜かれたとの報道もありました。その打開策のひとつとして、雑誌の売り上げとは別の収入源を見つけることが課題となっていたことは確かでしょう。

 もともと、報道番組やワイドショーなどで週刊誌の記事を流用する場合、テレビ局から版元に対して、事前に使用許可を求める申請をすることがルール付けられていました。その際に、『取材音源はないか?』『インタビュー中の動画はないのか?』といった問い合わせが多数ある。そこで、『新潮』の上層部がテレビ局の関係者らにリサーチを重ね、どんな素材にニーズがあるのか聞き取りを行っていたみたいなんです。それが功を奏し、豊田議員の音声を動画として公開するに至った。結果、『新潮』は大きな話題と収入を得られたということだと思いますよ」(民放キー局情報番組制作関係者)

 そんななか、もう一方の雄である「週刊文春」もまた、「収益源をデジタルに求めて大きく舵を切り始めたようだ」(同)という。

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