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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第114回

『ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密』――創業者はヒーローか? “マクドナルド的”がアメリカを支配する

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『ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密』

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アメリカ中西部で、シェイクミキサーのセールスマンとして働くレイ・クロックのもとに、徹底的な合理化を図るドライブインレストラン「マクドナルド」から、8台もの注文が入った。彼らのビジネスに興味を持ったクロックは、フランチャイズ契約を結び、瞬く間に店舗数を増やしていくが……。

監督:ジョン・リー・ハンコック、出演:マイケル・キートンほか/7月29日劇場公開予定。


『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』は、マクドナルドのファウンダー(創業者)、レイ・クロックを描く実録映画である。

 え? マクドナルドの創業者はマクドナルド氏じゃないの?

 それこそまさにこの映画のポイントだ。

 1954年、レイ・クロック(マイケル・キートン)は、ミルクセーキを一度に5杯シェイクできる機械をセールスしていた。そこに、ロサンゼルス郊外の住宅地サン・バーナディーノから8台も注文があった。一度にこんなにたくさんものミルクセーキを作るのか? どれだけ繁盛してるんだ?

 その店こそがマクドナルド兄弟のハンバーガー店だった。

 兄弟は最初、バーベキュー屋を経営していたが、ふと気づいた。注文の8割はハンバーガーとフライドポテトだった。だったら、それ以外の商品をメニューから外そう。ここから徹底した無駄の排除が始まった。

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