サイゾーpremium  > 連載  > 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」  > 町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第113回/『ヒドゥン・フィギュアス』
連載
町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第113回

『ヒドゥン・フィギュアス』――アメリカ科学史に残る宇宙飛行と人種差別の物語

+お気に入りに追加

『ヒドゥン・フィギュアス』

1705_machiyama_200.jpg

冷戦下、ソ連の人工衛星打ち上げにプレッシャーを感じるアメリカは、人種性別を問わず、優秀な計算係を雇っていた。そこでは数々の差別が日常化しているのだが……。

監督:セルドア・メルフィ/出演:タラジ・P・ヘンソン、ジャネール・モネイほか/日本公開未定。


 電子式のコンピュータが開発される前からコンピュータはあった。コンピュータとは「計算する人」、つまり、最初は人間だった。

 1957年、ソ連は人類初の人工衛星スプートニクに地球を周回させた。NASAはソ連に追いつくため、有人ロケットを宇宙に打ち出す「マーキュリー計画」をスタートする。そのために選ばれた7人の宇宙飛行士の物語は『ライト・スタッフ』(83年)という映画にもなったが、そのロケットの軌道計算をしたコンピュータは、実は人間で、しかも女性で黒人だった。それを描く映画が『ヒドゥン・フィギュアス(隠された人々)』(原題)だ。

『ヒドゥン・フィギュアス』は黒人女性が主役で、大スターも出ていないため、邦題も日本公開もまだ決まっていないが、米国内では大ヒットし、『ラ・ラ・ランド』を超える1億6800万ドルの興行収入を稼ぎ出した。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年7月号

ヤバい本150冊

ヤバい本150冊
    • どうなる【出版業界】の諸問題
    • 【クラウドファンディング】ヤバい本
    • 【ネットの自由】を啓発する思想本
    • 【A-THUG×BES】の獄中読書
    • 識者が推す【ラップ】現代史選書
    • 【橘ケンチ×手塚マキ】読書の愉楽
    • 【椿原愛】Fカップ読書グラビア
    • ベストセラーを生む【書籍広告】
    • 【アジア移民文学】に見る差別の現実
    • 【世界の移民】たちが叫ぶ幸福論
    • 増加する【脱北者】文学
    • 【朝の読書】のイビツな思惑
    • ポリコレNGな【童話】の世界
    • 米国で【禁書】扱いされる童話
    • 【人間革命】本としての評価

乃木坂46・斉藤優里「7秒のしあわせ」

乃木坂46・斉藤優里「7秒のしあわせ」
    • 【斉藤優里】卒業記念写真集

NEWS SOURCE

    • 【ピエール瀧】に非情な処分を下したソニー
    • 増税前に選挙を!【安倍政権】の思惑
    • 映画【新聞記者】が与えた永田町への衝撃

インタビュー

    • 【芽島みずき】ポカリガールは14歳の美少女
    • 【日比遊一】樹木希林も認めた映画監督の実力
    • 【ROLAND】「俺か、俺以外か。」名言ホストの野望

連載

    • カバーガール/平嶋夏海
    • 【高崎かなみ】期待の新人モデル水着撮
    • 【川栄】ベイビー
    • 【Wi-Fi】の電波が人を安心させるサービスに
    • 【更科功】化石人類から見える人間の根源(後)
    • 高須基仁/後藤新平と大谷翔平の2大「平」が時代を切り開く
    • 罵声飛び交う【三社祭】の醍醐味
    • 過酷な中国受験戦争【教育アプリ】の進化
    • 【ゲーム・オブ・スローンズ】とヒップホップ党
    • 町山智浩/【ロング・ショット】ロマコメの最新系主人公
    • 【官邸】への権限集中が招く弊害と行く末
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/トランプと接待バカ一代
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/『家族はつらいよ』後期高齢者向けポルノの戯論
    • 【処方薬でキマる】アメリカ薬物事情
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 伊藤文學/三島由紀夫に美輪明宏、薔薇族を彩った著名人
    • 幽霊、卑しき自己啓発本サロン商売。
    • 花くまゆうさくの「カストリ漫報」