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宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第24回

ポスト・前田敦子のAKB48

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──既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら!ジェノサイズの後にひらける、新世界がここにある!

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『マジすか学園2』

 3月25日、さいたまスーパーアリーナで行われた3日連続コンサートの最終日、AKB48の前田敦子が同グループからの「卒業」を宣言した。創設時からAKB48の「不動のセンター」として活躍してきた前田の「卒業」は、一大ニュースとして全国を駆け巡った。

 予感はあった。2011年に放映されたメンバー総出演のドラマ『マジすか学園2』(テレビ東京)の最終回は、カリスマ的存在として学園に君臨する前田敦子が警察に逮捕されてひとり去っていくのをほかのメンバーが見送るというシーンで幕を閉じた。この物語は、20歳を超えた前田たち初期主力メンバーの「卒業」の日が近いことを、ファンたちに否応なく意識させた。また、今年2月に発売された新曲「GIVE ME FIVE!」は「卒業」というテーマが前面に押し出されている。「卒業とは出口じゃなく入り口」という秋元康がこの曲に与えた歌詞は、時期的に考えても前田の「卒業」を意識したものであり、そして同シングル(Aタイプ)のカップリング曲「NEW SHIP」は、新世代にフィーチャーした編成と内容に仕上がっていた。コンサート2日目にはSKE48のエース・松井珠理奈のAKB48・チームKへの期間限定「移籍」が発表された。これも今考えるとこの上なく明確な「伏線」だった。

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