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宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第25回

「橋下徹現象について考える」

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──既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら!ジェノサイズの後にひらける、新世界がここにある!

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『マンガでわかる大阪都構想と橋下維新』

 大阪の橋下徹市長と彼の率いる政治団体「大阪維新の会」について、意見を求められることが最近とても増えた。市民運動団体の機関紙から大新聞まで、バラエティは様々だけれども、質問内容はいつも一緒だ。彼らは氏の政策には実のところあまり興味がないのだと思う。だから僕のような政治の素人に意見を求めているのだ。彼らが一様に質問するのは、第一に「橋下現象のメカニズムをどう捉えているか」であり、第二に「この現象がどこまで続くか」だ。こうした質問の前提には、橋下市長はいわゆる「ポピュリスト」であり、その人気を支えているのはメディア上のパフォーマンスである、ゆえにその思想ではなく手法にこそ本質があるのではないか、という直感のようなものが働いているのだと思う。もちろん、僕も橋下現象にこうした側面があることを否定しない。しかしそれは同時に橋下現象の矮小化であるようにも思える。

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