サイゾーpremium  > 連載  > 宇野常寛の批評のブルーオーシャン  > 堀江貴文実刑確定に抗議する
連載
宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第15回

堀江貴文実刑確定に抗議する

+お気に入りに追加

既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら! ジェノサイズのあとにひらける、新世界がここにある!

horie_1107.jpg
『収監 僕が変えたかった近未来』

 去る4月26日、ホリエモンこと堀江貴文氏の実刑が確定した。

 すでに多くの指摘がある通り、堀江氏の逮捕自体、国策捜査としての側面が強い。例えばライブドア(当時)とほぼ同内容の「粉飾」と解釈し得る会計を行った大企業は少なくない。日興コーディアル証券や山一證券、そしてカネボウ……だが、これらの企業の経営者が堀江氏と同様の処分を受けたかというと、そんなことはない。その多くが罰金や追徴課税をもってして処分とされているし、責任者が起訴を受けて有罪となっても執行猶予がつけられている。少なくとも僕は、堀江氏のみに実刑を受けるだけの悪質な違法性があったという見解に対しては、疑問を抱いている。はっきり言ってしまえば、アンフェアだ。

 ここに、堀江氏をある種のイデオロギーの代表者と見なし、それを葬り去ろうとした意図があったことは明白だ。堀江貴文は確かに“彼ら”にとって〈敵〉だったかもしれない。その存在が体現したのは、もはや〈戦後〉には戻れないというメッセージだからだ。終身雇用、年功序列、株の持ち合いによる護送船団方式……これらはすべて冷戦下の戦後的政治体制の産物であり、冷戦終結&バブル崩壊後に継続できるものではない。日本的企業社会は、グローバル化の時代に合わせて変化しなければならないのだ。堀江氏は、そのメッセージを実践で示し、そしてアンフェアな手で潰された。死んだ魚のような目をしながら「あの頃はよかった」と、なくしたものの数を数えてばかりの老人たちに、既得権益を侵す者として敵視されたのだ。この国では、「目立つことをやる」「改革者」は社会が足を引っ張って潰そうとする。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2021年10・11月号

伊織いお「パワフル&セクシー」

 伊織いお「パワフル&セクシー」
    • 【伊織いお】ボディメイクで鍛えた体!

(秘)読書案内

(秘)読書案内
    • 【YouTuber本】ヒット戦術
    • 【RYKEY DADDY DIRTY】ムショ読書
    • 【イスラム】を理解するための本
    • 尖端的すぎる【写真集】
    • 【フェティシズム】写真集の華麗なる変遷
    • 【スピリチュアル出版社】イチオシの本
    • 【エロ本】衰退史
    • エロ本業界の【歴史】がわかる参考文献
    • 【現代のエロマンガ家】の4冊
    • 【ヒップホップ文化】を学ぶ本
    • 17歳の【新鋭ラッパー】に聞く
    • 今流行りの【中国ミステリ】の世界
    • 占領下生まれのイビツなニッポン【図書館】

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】高崎かなみ
    • 【高槻実穂】グラビア
    • 【藤木由貴】グラビア
    • 【グレイテストラウンドガール】プールパーティ
    • 【後藤直義】GHOST IN THE TECH
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【稲田豊史】オトメゴコロ乱読修行
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【クロサカタツヤ】ネオ・ビジネス・マイニング
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【小原真史】の「写真時評」
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【田澤健一郎】体育会系LGBTQ
    • 【澤田晃宏】外国人まかせ
    • 【大石始】マツリ・フューチャリズム
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【DJ DARUMA(PKCZ(R))& JOMMY】BLACK PAGE
    • 【友清哲】ビールの怪人
    • 【西国分寺哀】大丈夫?マイ・フレンド
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【更科修一郎】批評なんてやめときな?
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報