サイゾーpremium  > 連載  > 宇野常寛の批評のブルーオーシャン  > 『リトル・ピープルの時代』
連載
宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第16回

『リトル・ピープルの時代』

+お気に入りに追加

──既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら!ジェノサイズの後にひらける、新世界がここにある!

1108_littlepeopleera.jpg
『リトル・ピープルの時代』

 7月28日に、この1年半ずっと書いてきた本がやっと出る。本連載の近況欄でもたびたび取り上げているのでご存じの方も多いだろうが、タイトルは『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)だ。「リトル・ピープル」というのは村上春樹の『1Q84』に登場する超自然的な存在だ。そしてこの本では春樹がこの「リトル・ピープル」という概念に込めたものを考えるところから出発して、徐々に現代日本のポップカルチャー分析を展開していくというものだ。400字詰め原稿用紙で書き下ろし600枚以上、末尾に「補論」として採録した原稿を入れると800枚以上に及ぶ、やたらと長い本になってしまった。実は執筆依頼を受けたのは前著『ゼロ年代の想像力』がまだ「SFマガジン」に連載中だった2007年の末のことだったので、企画自体はもう4年近く続けてきたことになる。

 こんな膨大な時間と枚数をかけて僕が論じたこと、それは現代日本の物語的想像力が失いつつある「巨大なもの」への想像力を取り戻す手がかりだ。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2026年11月号

ドーパミン時代の沼化するエンタメ業界

ドーパミン時代の沼化するエンタメ業界
    • 「沼化」するエンタメ業界
    • 膨らみ続けるグラビア市場
    • SNSがつくる「あなたの好み」
    • 映画界ハラスメントの実態
    • ゲーム実況者の高齢化問題
    • PS、ディスク販売廃止の衝撃
    • 私たちは「ドパガキ」なのか
    • AI時代の「生歌」の価値
    • 「ニコ生ホラー」とは何だったのか
    • テクノロジーが広げる学びの未来
    • AI時代のサイバー攻撃
    • リングを彩る美女たち
    • 〈Cosplay beauty〉もちむぎ

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 滝藤賢一、名バイプレイヤーの境地
    • 唯一無二の音楽家・水槽
    • 小八重葵美が得たもの

連載

    • [マルサの女]高橋凛
    • 神保哲生×宮台真司の「TALK ON DEMAND」
    • 萱野稔人と巡る「超・人間学」
    • ドクター苫米地に聞け!
    • 井川意高の天上夜想曲
    • 韮原祐介の匠たちの育成哲学
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • GROOVE SEQUENCE
    • 笹 公人×江森康之の「念力事報」
    • 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」
    • 花くまゆうさく『カストリ漫報』
サイゾーパブリシティ