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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第11回

「全体意志」か「一般意志」か……道徳主義者が政治に向かないワケ

―― 私たちの多くは民主主義こそ望ましい政治のあり方だと考えています。民主主義とは、人民の意志にもとづいて統治がおこなわれる政治のあり方のことですよね。では、人民の意志はどのように抽出されるべきでしょうか。...

「全体意志」か「一般意志」か……道徳主義者が政治に向かないワケ
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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第10回

リベラリズムの原理の可能性よりも、その限界について

―― 自由、とは私たちの社会におけるもっとも基本的な原理の一つです。「リベラリズム」(自由主義、自由の原理)という言葉をあえてつかうことはないかもしれませんが、たとえば東京一極集中を避けるために東京での居住...

リベラリズムの原理の可能性よりも、その限界について
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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第9回

ユダヤ人政治哲学者が見たナチス・ドイツの巨悪の正体

――  ハンナ・アーレントはドイツで生まれたユダヤ人の政治哲学者です。はじめハイデッガーのもとで哲学を学び、その後、ナチスの迫害から逃れてアメリカに亡命しました。昨年、彼女を題材にした映画が日本でも公開され...

ユダヤ人政治哲学者が見たナチス・ドイツの巨悪の正体
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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第8回

法と権利は国家がうまれると同時に発生するものである

――  前々回、前回と、これまで2回にわたって所有権はどのように成立するのかという問題を考えてきました。ホッブズとロックはともに、国家はどのようになりたつのかを社会契約論で説明しながらも、所有権の成立につい...

法と権利は国家がうまれると同時に発生するものである
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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第7回

人々は国家が成立する以前から所有権を固有なものとしてもっている

――  ジョン・ロックは17世紀イギリスの哲学者で、彼の政治思想はアメリカ独立宣言にも大きな影響を与えたことで知られています。  前回紹介したホッブズと同じように、ロックも国家のなりたちを社会契約の概念に...

人々は国家が成立する以前から所有権を固有なものとしてもっている
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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第6回

世界は「強者が無理やり支配関係を打ち立てる」という支配関係で成り立っている

――  ホッブズは近代的な社会契約論の父といわれています。近代国家のなりたちを「社会契約」という概念をつかって初めて体系的・理論的に説明したのがホッブズだということですね。高校の教科書などでも社会契約論は説...

世界は「強者が無理やり支配関係を打ち立てる」という支配関係で成り立っている
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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第5回

政治というものは"友"と"敵"という区別のうえになりたっている

――  カール・シュミットは20世紀初頭から後半まで活躍し、多くの業績を残したドイツの法哲学者です。第二次世界大戦ではナチズムに協力したために日本ではとても評判が悪いのですが、法や政治の基礎について本質的か...

政治というものは
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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第4回

ナショナリズムを正しく理解しないリベラルが足をすくわれ続ける理由

――  近年、日本ではナショナリズムが高揚しているといわれています。事実、在日外国人を非難する排外主義的なデモも日常的におこなわれるようになりました。今回はそんなナショナリズムの高揚をまえに、そもそもナショ...

ナショナリズムを正しく理解しないリベラルが足をすくわれ続ける理由
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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第3回

『方法序説』「われ思うゆえにわれあり」よりも重要なデカルトの哲学

――  デカルトの名前をみなさんご存知ですよね。そう、「われ思うゆえにわれあり」という有名な言葉を残した哲学者です。 この言葉は彼の『方法序説』という本のなかで述べられました。哲学史では、そのデカルトの『方...

『方法序説』「われ思うゆえにわれあり」よりも重要なデカルトの哲学
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哲学者・萱野稔人の"超"哲学入門 第2回

『国家論』人間は必然的に諸感情に従属する。

――  スピノザは『国家論』のなかで、国家は必然的に生まれてしまうものだと述べています。「およそ人間というものは、野蛮人たると文明人たるとを問わず、いたるところで相互に結合し、何らかの国家状態を形成する」

『国家論』人間は必然的に諸感情に従属する。
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萱野稔人の"超"現代哲学講座 第40回

覇権国アメリカの低迷と新秩序誕生

――  アメリカの地位低下がここにきて加速化しているのではないか。そんなことを思わせるできごとが相次いでいます。アメリカは戦後の世界における覇権国です。強大な軍事力と経済力によって世界経済の「総元締め」とな...

覇権国アメリカの低迷と新秩序誕生
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萱野稔人の"超"現代哲学講座 第39回

竹島が持つ領土問題以上の意味

――  日本は島国だといわれますが、それでも周辺諸国との国境はいまだに画定されていません。領土問題は日本にとって古くて新しい問題です。「古い」というのは、北方領土や竹島の領有権をめぐる問題は戦後ずっと続いて...

竹島が持つ領土問題以上の意味
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萱野稔人の"超"現代哲学講座 第38回

連鎖する食糧危機への展望と盲信

――  虫を食べる、というと、多くの日本人は気持ち悪がるかもしれません。ところがいま世界では「昆虫食」がきわめて将来性のあるものとして注目されています。 今年5月、国連の食糧農業機関(FAO)は「食べられる...

連鎖する食糧危機への展望と盲信
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萱野稔人の"超"現代哲学講座 第37回

監視社会とプライバシーの再定義

――  人から監視されるというのは誰だっていやなものですね。私的な生活や通信まで覗きみられればプライバシーの問題にもかかわります。そのプライバシーの問題を深く考えさせる出来事が少しまえにありました。アメリカ...

監視社会とプライバシーの再定義
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萱野稔人の"超"現代哲学講座 第36回

橋下市長慰安婦発言の普遍的正義

――  旧日本軍の従軍「慰安婦」制度をめぐる橋下徹大阪市長の発言は国内外で大きな波紋を呼びました。じつはその橋下市長の一連の発言は、正義というものを考えるうえで大きな示唆をあたえてくれています。日本外交の今...

橋下市長慰安婦発言の普遍的正義
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