社会

狙うは自民党利権崩壊と"新たな利権"

九州電力を叩きまくる枝野経産相の「東電解体」の野望

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『東電解体』(東洋経済新報社)。

「いったい何を考えているのか、理解不能だよ、あの会社は」

 10月14日、温家宝首相との会談のため中国を訪問中だった枝野幸男・経済産業大臣は、にこやかな表情を一変させると、一気に怒りを爆発させた。

 ほかでもない。原発やらせメール問題を起こした九州電力が、真部利応社長続投のまま同問題の幕引きを図ろうとしていることを報道陣に質問され、我を忘れたかのように怒りだしたのだ。さらに、九電が経産省に提出した、やらせ問題をめぐる最終報告書の内容についても枝野大臣は、「原子力政策への国民的批判がある中で、こんなことをしているのは理解不能だ」と強い不快感を表した。九電は、問題の検証と再発防止のために第三者委員会を設置したが、同委員会が認定した、やらせの発端は佐賀県の古川康知事にあるという内容を報告書に盛り込まなかったからだ。それでも、九電は一向に引くそぶりを見せることなく、報告書提出後、真部社長の続投を正式に発表した【やらせメール問題については、ボックス欄参照】。

 なぜ、同社はそこまで真部社長のクビを差し出すことを避けるのか。そこには、ある「お家事情がある」と九電関係者は打ち明ける。

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ソフトバンクの無策とauの利点

直前までau参戦を知らず!? 孫社長のiPhone戦争勇み足

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『iPhoneバカ』(アスコム)。

 経営危機の噂が出ては消えるソフトバンクだが、再び黄色信号がともっている。

「全ての人に分かれ道はやって来る。問題は、そこで正道を選ぶか邪道を選ぶかだ」

 ソフトバンク社長、孫正義氏が9月22日にツイッターで放った意味深なつぶやきは、多くの人に「あること」を確信させた。そのつぶやきの前日、日経ビジネスのウェブサイトに掲載された『KDDI、「iPhone 5」参入の衝撃』という記事が間違いないことを、だ。ふたを開けてみれば、アップルから発表されたのはiPhone 5ではなく、iPhone 4Sという既存モデルのリニューアルバージョンであったが、ソフトバンクとKDDIへの2社供給は、やはり事実であった。

 だが、このタイミングでのKDDIへのiPhone供給は、ソフトバンクにとって寝耳に水だったようだ。孫社長は常日頃、スティーブ・ジョブズとの親密なパイプをアピールしており、それによってiPhoneの独占供給を勝ち取ったという自負がある。したがってiPhoneの独占供給が崩れることになっても、少なくとも事前にアップルから通知が行われるだろうとの思い込みがあったのだ。しかし、あるソフトバンク関係者は「iPhone 4Sの発表までアップルからは、KDDIへの供給についてなんの通告もなかったようです。だから、実際に発表された時は、多くの社員がまさかと思った」と打ち明ける。

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元大阪地検特捜部主任の出廷情報

揺らぎ始めた 小沢一郎裁判サプライズ証人登場で暗雲!?

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『小沢一郎 完全無罪』(講談社)。

「全面無罪」を主張している小沢一郎・民主党元代表の、いわゆる「陸山会」裁判の雲行きが何やら怪しくなっている。

 10月6日に始まった小沢氏の裁判で問われているのは、資金管理団体「陸山会」による土地購入代金約4億円の原資を隠すために秘書と共謀し、資金の出入りの時期をずらして記載した政治資金規正法違反罪(虚偽記載)。最初の法廷で小沢氏は 「検察の違法な捜査による調書に基づき、検察審査会が誤った判断で強制起訴した。裁判を打ち切るべきだ」と食ってかかり、"完全無罪"を印象付けたが、その後、元秘書の石川知裕衆院議員による証人尋問で想定外な展開が起こったのだ。11月1日の法廷で、石川氏はあらためて小沢氏の関与を否定。2004年分の収支報告書にウソの記載をしたことを小沢氏に「報告し、了承を得た」と認めた供述調書についても「調書は検事の作文」と繰り返し訴えた。

 ところが、検事役の指定弁護士から「事実と違うなら、調書にサインしなければよかったのでは」と疑問点を指摘されると「判断の甘さがあった」と釈明。検事側から調書の訂正が認められていた事実、あるいは弁護士と連日接見していた点を指摘されると、石川氏は言葉に詰まってしまった。

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濱田正晴(オリンパス裁判原告)×串岡弘昭(トナミ裁判元原告)

オリンパスが犯したもうひとつの罪──不当労働行為の被害者が告発

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──相次ぐ社長交代や不正会計疑惑に揺れるオリンパス。そんな同社がかねてから抱えてきたトラブルのひとつに、内部通報により、不当な配置転換を強要された現役社員の濱田正晴氏が、同社に対し不当労働行為の取り消しと損害賠償を請求した「オリンパス裁判」がある。この裁判では、8月に出された控訴審判決で濱田氏が全面勝訴したが、9月に会社側は最高裁へ上告。その濱田氏が、現在の裁判制度、内部告発者を守るべき公益通報者保護法が孕む危険性について語るべく、その重い口を開いた。

 今回濱田正晴氏が対談相手として選んだのは、オリンパス裁判を通じて濱田氏を実務面、精神面で支援した串岡弘昭氏(後述参照)。

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トナミ裁判元原告で現在は大学や自治体の研修会な
どで講師も務める串岡弘昭氏(写真左)と、オリンパス
裁判控訴審で勝訴した原告・濱田正晴氏(写真右)
(写真/山本宏樹)

 串岡氏が起こした「トナミ裁判」(同)がひとつの契機となって成立したともいわれるのが、不正の内部告発者を保護することを定めた公益通報者保護法(通称:内部告発者保護法)である(同法の詳細は別枠参照)。現実にはその趣旨に反して「内部告発者に甚大な被害を与えかねない法律」と指摘する声も多い。今回は同法と因縁の深い2人に、同法の問題点に加え、ある日突然誰もが直面し得る司法や企業に潜む罠について語ってもらった。

──濱田さんは裁判中の身のため、裁判に支障のない範囲でお話しいただければと思います。

串岡(以下、) 私が代わりに話すから大丈夫(笑)。

──まず、濱田さんの内部通報のあらましについて教えてください。

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問題社員はタコ部屋に送れ!!

ソニーとオリンパスが世界に誇る大胆かつ巧妙な"クビ切り"技術

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「A氏は新しい部署へ出社すると、そこは5~6人ほどがやっと入れるスペースのタコ部屋で、PCもなく、まったく仕事を与えられないまま放置されたといいます」(ソニーOB)

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『リストラなう!』(新潮社)。

 今年8月に原告(現役社員)全面勝訴の控訴審判決が出たオリンパス訴訟(9月に同社は最高裁へ上告)を通じて、同社が気に入らない社員を退職に追いやるために、不当な配置転換や産業医を利用する手口が明るみに出たが、日本を代表する企業・ソニーでも、冒頭のような"イジメ"が行われているという。

「オリンパスのような事例は、日本の会社では広く行われている」(企業のコンプライアンス制度に詳しい経営コンサルタント)という声もあるが、今回、同社とソニーの関係者に取材したところ、その恐ろしい手口の実態が浮かんできた。

 まず、2年連続「働きやすい会社ランキング」で1位に輝く(日本経済新聞9月26日朝刊)ソニーの事例を見てみよう。

 ソニー厚木テクノロジーセンターに勤務していた前出の同社OBは、数年前に、実際に同センター内に設置されたタコ部屋を使ったリストラの被害に遭ったA氏の話を聞いたという。

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投げ売りされる日本代表ユニフォームの裏

ザックジャパン人気に水を差す 独占禁止法に抵触したアディダス商法の"罪と罰"

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 現在、2014年W杯ブラジル大会出場を目指してアジア3次予選を戦う、サッカー日本代表。10年8月末にセリエAで辣腕を振るっていたアルベルト・ザッケローニが監督に就任して以来、13戦無敗(10月1日現在)記録を更新中。ザックジャパンの快進撃に伴い、ここ数年低迷していた観客動員も、回復しつつある。

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日本サッカー協会の公式サイトなどで販売されてい
る「ゴールドナンバー&ネームユニフォーム」。

「今年6月7日に、横浜日産スタジアムで開催されたキリン杯、対チェコ戦の観客数は6万5856人。これは、歴代の日本代表戦、国内観客動員数史上5位となる数字。サッカー日本代表の人気は、02〜06年、中田英寿や中村俊輔、稲本潤一ら、スター選手を擁したジーコジャパン時代をピークに陰りが見え始めていました。岡田武史監督時代の09年には、開催地の安全性を危惧する声が高まったこともあり、W杯南アフリカ大会最終予選では当日券が大量に出回ったほど。日本サッカー協会の犬飼基昭会長もあまりの不人気ぶりに頭を抱え、一時、心労でダウンしたという。今回の人気回復には、犬飼会長をはじめとした協会幹部らも、安堵の表情を見せています」(サッカー専門誌デスク)

 そんな苦い過去を味わいながらも、現在、W杯アジア3次予選も首位を快走中のA代表。右ひざ半月板損傷により絶対的エース・本田圭佑が長期離脱中なのは気になるところだが、"もうひとつ"深刻な問題があるという。それは代表ユニフォーム(レプリカ)の売り上げが激減していることだという。

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裁判所の暴走は、なぜ止められなかったのか?

法廷が取り調べ室にー小沢秘書 仰天有罪 を生んだ裁判長は「遠山の金さん」!?

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 小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体による政治資金虚偽記載事件で、東京地裁は9月26日、小沢氏の元秘書3人全員に有罪判決を言い渡した。「一部無罪」を予測した新聞・テレビの事前報道を覆す結果は、どうして起きたのか。報道に携わった大手紙司法担当デスク(A)、大手紙司法キャップ(B)、民放司法記者(C)が、その内幕を考察する。

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『悪党──小沢一郎に仕えて』(朝日新聞
出版)

A 3人とも有罪とは意外だった。でも、司法担当として、判決の見通しを誤ったのは正直悔しい。

B 言い訳になるけれど、判決内容は、もう想定外尽くし。判決はまず、資金管理団体「陸山会」の土地購入代金4億円を報告書の2004年分に書くべきなのに、05年にずらしたという「形式犯」を認定した。ここまではいい。でも、時期をずらしたのは、水谷建設から受け取った1億円の受領時期と一致するからで、4億円の原資の出所が疑われるのを避けるため、あえてずらしたなんて"推認"したのには、裏付け証拠が乏しいだけに驚いたよ。

C 1億円は、岩手の胆沢ダム工事を受注したい水谷側に大久保隆規元公設第一秘書が要求した見返りのカネであり、大久保被告と元私設秘書の石川知裕衆院議員が5000万円ずつ受け取った──と「裏金受領」まで判決は認めています。そこまで言うなら、汚職事件で逮捕してよ、と言いたくなりました。

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スティーブ・ジョブズは死に際になにを思ったのか?

アップルが推し進める合同会社化のウラに節税と"植民地"強化策アリ!?

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―8月21日に発行された官報に掲載されたある公告が、ネット上に激震をもたらした。アップルジャパン株式会社がApple Japan合同会社と合併し、権利や義務をすべてApple Japan合同会社に引き継いだ後、アップルジャパン株式会社が解散するというのだ。これは一体どういうことなのか?

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『林檎の樹の下で』(オープンブック)

 そもそも「合同会社」とは、2006年から施行された会社法によって新設された新しい会社形態で、株式会社とは異なり、設立に伴う条件や手続きが簡素なのが特徴だ。このため、小規模なベンチャー企業の立ち上げの際、あるいは個人商店などが法人格を取得する際に、現在では新規に設立できなくなった有限会社に代わって合同会社を選択することが多い。当然、銀行からの融資を受けたり他の企業と取引を行ったりする場合、設置に際して法的なハードルが高い株式会社のほうが有利であることが多いので、大企業=株式会社、中小企業=有限会社・合同会社というイメージがある。

 このため、アップルジャパン株式会社の合同会社への移行を、有限会社に移行することと同義と受け止め、日本における事業縮小ととらえた者も多かった。今年8月に一時は時価総額で世界一となったほどの巨大企業が、子会社を合同会社に移行するという事実に対して、アップルが日本市場に対して消極的になっているのではとの推測を呼び、アップルファンを中心にネット上で話題となったのだ。

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"第二の島田紳助"はあの大物だった!?

たけしも"ドン"も餌食に!? 暴力団排除条例の脅威と策略

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 京都で10月1日から施行された暴力団排除条例【以下、暴排条例/下記コラム参照】をめぐり、芸能界が激震に見舞われている。

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かつて右翼からの街宣にあった際、
関連する暴力団組長に頭を下げて収
めてもらったことを告白した、ビー
トたけし。

 警察当局が、暴力団との交際や取引を繰り返す人物や企業を"密接交際者"と認定し、その内容によっては、氏名公表や罰金などのペナルティが科せられるというこの条例。暴力団との関係が表沙汰にされることによって、テレビ局や大企業から"出入り禁止"などの社会的制裁が加わるだろう点も、芸能人や芸能プロからしたら脅威だ。

「誰が"密接交際者"に認定されるのか。身に覚えがある芸能人だけではなく、大手プロも戦々恐々としています」(大手プロ幹部)

 警察も暴排条例の"プロモーション"に躍起だ。島田紳助の暴力団交際歴の情報をリークしたのも当局だともっぱらだし、その後も、週刊誌などに積極的に「芸能界と暴力団」に関する情報を流している。世間の関心度が高い芸能ネタとリンクさせることで、同条例の必要性をアピールしているわけだ。

 例えば、「週刊文春」(9月29日号/文藝春秋)では、ビートたけしが暴力団との関係を告白しているが、その件の情報元も当局で、「暴排条例キャンペーンに利用された」(たけしに近い芸能ライター)との声もある。

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なぜ地元紙は原発再開を報じなかったのか?

泊原発"強引"運転再開で囁かれる知事と北海道新聞への疑念

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 停止中の原発運転再開という実績づくりを急ぐ経産省の努力が実り、8月17日、北海道電力(以下、北電)・泊原発3号機の営業運転再開が決定した。3月11日の福島第一原発事故発生以降、日本のみならず世界でも、運転停止中の原発が再開する初めての例ということで、波紋を呼んでいるのはご存じだろう。

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『原発社会からの離脱』(講談社
現代新書)。

 福島原発事故が発生した3月から8月までの間、札幌市を含めた道内33市町村議会が次々と運転再開反対の意見書を可決し、8月17日には道議会与党 自民党・道民会議と、最大野党民主党・道民連合の両幹事長が共に「遺憾」を示すなど、反対の空気が強まる中、高橋はるみ道知事は容認を表明し、即日営業運転に入った。この強引ともいえる再開劇の裏では、さまざまな疑念が囁かれている。

 まずは、同知事と北電の不適切な関係。「北海道知事と北電『ズブズブの関係』」という見出しで「フライデー」(講談社/9月9日号)も報じたように、同知事就任翌年の2004年以降、北電の会長以下幹部は個人献金というかたちで、毎年同知事の資金管理団体「萌春会」へ献金を行っていることが発覚している。営業運転再開への反対運動を展開する市民団体幹部はこう話す。

「『萌春会』の会長は、前北電会長・南山英雄氏です。毎年ほぼ同時期に行われ、金額も役職ごとに統一されています【編註:特定の政治家に対する企業献金は、政治資金規正法で禁じられている】。また、高橋知事が就任した03年以降、北海道庁から北電への天下りが始まっています。これだけの関係があれば、再開ありきであったと疑われても仕方ありません」

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連載
未来からのシナン-目指せ!
田中圭一の
未来からのシナン
『現代のビジネスマンたちの悩みを解決する、超SFマンガ。』

映画でわかるアメリカがわかる
町山智浩の
映画でわかるアメリカがわかる
『映画を通してズイズイっと見えてくる、超大国の真の姿。』

“超”現代哲学講座
哲学者・萱野稔人の
“超”現代哲学講座
『国家、権力、そして暴力とは何か?知的実践による解説。』


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