サイゾーpremium  > 特集  > 赤田祐一×仲俣暁生──ITの起源はヒッピ...

──60年代にアメリカ西海岸で創刊された「ホール・アース・カタログ」。裏表紙の言葉"ハングリーであれ、バカであれ"をスティーブ・ジョブズが近年講演で引用したが、コミューン生活をするヒッピーを対象としたそのカタログと、現在のITの関係をひも解いていきたい。

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1968年に出版された「ホール・アース・カタログ」第1号。創刊したスチュアート・ブランドは、小説家ケン・キージーらによるアシッド・テスト(LSDを配って回る全米ツアー)に参加していた。

 2000年代を通して日常に溶け込んだインターネットだが、ここ数年、ある言説が注目を集めている。それは、インターネットとその背景にあるコンピュータ・カルチャーが、60~70年代初頭のアメリカ西海岸から始まったというものだ。具体的には05年にニューヨーク・タイムズの記者ジョン・マルコフが『パソコン創世「第3の神話」』(NTT出版)を著し、個人が日常的に使用できるコンピュータ、つまりパソコンの発展とヒッピーたちのカウンター・カルチャー【註1】の関連性を描き、アメリカで評判になった。また、同年にはスティーブ・ジョブズ【註2】が、ヒッピー~ニューエイジ思想【註3】において重要とされる「ホール・アース・カタログ」(以下、WEC)について講演で熱く語った。そんなWECとその背景にあるカウンター・カルチャーとは、なんだったのか? WECに詳しい編集者の赤田祐一氏と評論家の仲俣暁生氏に話を訊いた。


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