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NewsPicks後藤直義の「未来経済グリーン」【1】

良心で、地球は救えない。100兆円企業をつくることで、地球を救うカリスマ投資家

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ある科学者は言う「気候危機に根拠はない」と。 ある投資家は言う「SDGsに逆張りしたほうが儲かる」と。彼らがいかに否定しようとも “グリーン経済”は大きく動き始めている。 世界で今、起こっているこのムーブメントの最前線をリポートする――。

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ローワーカーボン・キャピタル(Lowercarbon Capital)公式HPより。

地球を守ることは、マジな金儲けさ。良心や罪悪感で、地球は救えねえ――。

まるでロックバンドの歌のようなメッセージを掲げて、世界中の気候変動のスタートアップたちを、魅了してやまない投資家(ベンチャーキャピタル)がいる。それがローワーカーボン・キャピタル(Lowercarbon Capital)だ。

創業者は、クリス・サッカ。シリコンバレーで1兆円企業を探し当てては、巨万の富を築いてきた有名投資家であり、2018年にグリーン分野に特化した、このローワーカーボン・キャピタルを立ち上げた。

すでに1000億円以上のメインファンドに加えて、炭素を空気から吸い取ってしまう「炭素回収」であったり、究極のクリーンエネルギーといわれる「核融合」に特化したファンドも立ち上げており、すでに70社以上のスタートアップに、資金を突っ込んでいる。

私は知人の紹介で、このファンドのパートナーであるシュオ・ヤンと仲良くなった。とにかくおもしろいのは、彼らが「地球を守ることは、儲かるビジネスだ」というメッセージを、徹底して送り続けていることだ。
「オーマイゴッド! ローワーカーボンのヤツらが、巨大なリターンをたたき出したぞ! 地球を大切に思ってるかなんて、二の次の話だぜ! ちょっと冷淡に見えるかもしれませんが、私たちが目指すのは、そういう地球の守り方です」(シュオ)

シニカルだと思われようが、まずは徹底して金儲けを証明するところから始めよう。それがシリコンバレーをはじめとする、ベンチャーキャピタルの戦い方だからだ。

ローワーカーボンのウェブサイトを訪問すれば、その企業名はまるで100ドル札のようなフォントであしらわれている。その下には、彼らがいつか1兆円、10兆円という企業になるかもしれないと見込んだ、グリーンスタートアップたちのキャッチコピーが並んでいる。

私はこのローワーカーボン・キャピタルの投資先を今、ひとつずつアメリカ全土で取材して回っているので、いくつかおもしろい会社を紹介したいと思う。

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