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法社会学者・河合幹雄の法痴国家ニッポン【45】

世界的麻薬ビジネスに潜む“共産化阻止”というアメリカの野望

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法と犯罪と司法から、我が国のウラ側が見えてくる!! 治安悪化の嘘を喝破する希代の法社会学者が語る、警察・検察行政のウラにひそむ真の"意図"──。

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“脱獄麻薬王”再び逮捕
メキシコ最大の麻薬密売組織シナロア・カルテルの首領で、2015年7月に建設費約6億円の隠しトンネルで2度目の脱獄に成功した“麻薬王”ホアキン・グスマンが、16年1月に再び逮捕された。同カルテルを含むメキシコの密売組織の対米麻薬密輸の利益は年間2兆円、世界の麻薬市場の規模は数十兆円ともいわれ、世界各地で組織間抗争や乱用者増加が深刻化している。


 前回、薬物規制における法的な“善悪”の判断は、各時代・各国家の文化的・社会的素地を背景にしてなされており、その意味において、殺人等の“絶対的な悪”と比べれば、極めて高い恣意性を持っている、ということについて解説しました。そこで今回は、ともかくもそのようにして“悪”とされている薬物をめぐり、国内外で展開されているビジネスの実態について考えてみたいと思います。

 一般に麻薬ビジネスというと、戦争や内紛によって荒廃した国家、ないし政府による統治の行き届いていない国家において強大化したシンジケートが、資金調達や世界進出といった欲望の赴くままに、それぞれ独自の行動原理と方法をもって行っているイメージがあります。しかし、第二次世界大戦後の世界各地における巨大麻薬ビジネスの栄枯盛衰を眺めてみると、おのおのが好き勝手に行われてきたように見えて、その実、しばしば指摘されることですが、ひとつの“共通の構造”を持って展開されてきたことに気づく。すなわちそれは、アメリカがその地域の“共産化”を阻止し、“民主主義”を拡大しようとする中、その支援先が半ば必然的に麻薬ビジネスの深みにはまっていく、という構造です。いったいどういうことか。歴史をひもとき、各地のシンジケートの事例に触れつつ解説しましょう。

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