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読むだけでジャニオタになれる傑作【1】

公認本からBL系同人誌まで素晴らしき"ジャニマンガ"の世界

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──大手出版社から発行されている、ジャニーズ事務所のお墨付きがあるものから、ホモネタ・エロネタなんでもありの同人誌まで、ジャニタレさんたちは、マンガの世界でもやはり大人気だった!!

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「ジャニーズマンガの完成形」とも噂され
る『ほんまに関ジャニ∞!!』のモデルである、
関ジャニ∞。関西出身のあけすけなノリが
ときに反感を買うが、ファンにはそういう部
分も含めて愛おしいらしい。

 まず、ジャニーズマンガは大別して2種類に分けられる。「事務所公認」か「非公認」かである。

 大手出版社のマンガ誌や学童誌に連載されていたものや、アイドル誌の別冊付録などとして付いてくるようなものは公認マンガで、カバーやマンガの中でジャニーズタレントの写真が使われていることが多々ある。だが、事務所協力のもとに制作されているからといって、それが直接マンガとしてのおもしろさにつながるかといえば、決してそうとばかりは限らない。

「『Myojo』の付録などで、『○○の結成秘話』なんてマンガが付いてくることがあるんですが、絵は似てないし、いかにも作られたような感動物語はおもしろくないですね。たいてい、誰かがケガして、メンバーでフォローして、みんなの結束が固まる......といった話。ファンなら、ウソだとすぐにわかります」(ジャニーズファン)

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ヤンサンの魅力は......忘年会にグラドルが来ることかな(笑)

『青春くん』のとがしやすたか、「ヤングサンデー」と編集者問題を語る

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 7月に休刊した「週刊ヤングサンデー」の中でも、異彩を放っていた連載『青春くん』。下品な妄想や下ネタのオンパレードだったこの4コママンガの作者・とがしやすたか氏に、雑誌の休刊や版元である小学館の編集者について話を聞いた。

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とがしやすたか氏(撮影/佃 大平)

 今年7月31日に、21年間の歴史を閉じた「週刊ヤングサンデー」(小学館以下、「ヤンサン」)で、19年にわたる最長連載が『青春くん』だった。だが、ほとんどの作品が他誌へ移籍する中、ヤンサン休刊とともに連載は終了。そんな同作の作者・とがしやすたか氏は雑誌の終了、はては何かと話題となった小学館のマンガ編集者を、どのように見ているのだろうか──?

──今回はいろいろお伺いしたいことがありますが、まずは『青春くん』がスタートするまでの経緯を教えていただけますか?

とがしやすたか(以下、とがし) 「劇画悦楽号」(サン出版/休刊)とかのエロ雑誌に『タダマンくん』『コウビくん』とか、しょ~もない4コママンガを描いていたのを、「ヤンサン」の編集者が見て、声をかけてくれたんですよ。僕ってマンガ家にしては珍しく、持ち込みしたことなくて、営業ゼロ。『青春くん』の連載が終わったときは「初営業かな」と思ったけど(笑)。

──『青春くん』では、下品な妄想に耽ったり、オナニーばかりするキャラクターが登場しますが、(筆者みたいに)「これは俺だ!」と感情移入する読者も多いようです。

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いびつなマンガ界の構造変化は冨樫義博がもたらした?

原稿紛失、遅刻常習の編集者たち......『金色のガッシュ!!』 雷句誠氏と消えたマンガ家

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(絵/師岡とおる)

ヒット作を生み出したにもかかわらず、人知れず表舞台から消え去ったマンガ家が、かつて大勢いた。その背景には、「専属契約制」などマンガ業界の歪んだ構造が隠されていたが、その実態はいま──。ベストセラー『消えたマンガ家』の著者が、ゼロ年代のマンガ界に斬り込む!

 サイゾー編集部からの依頼は「ゼロ年代の『消えたマンガ家』を書いてくれ」というものだった。僕が94年から97年にかけて取材を集中的に行い、『消えたマンガ家』(太田出版)という本を3巻まとめたことを受けてのものである。

 僕と担当編集者がまずやったのは、「ゼロ年代の消えたマンガ家」を確定する作業である。僕が取材をしていたころとは違って、ネット上に同趣旨のサイトがいくつもできるなど、情報源は豊富だった。

 ところが、この作業をしていた我々は意外なことに気がついた。つまり、僕が想定するような軌跡を描いて消えてしまったマンガ家がいないのである。極端な言い方をすれば、マンガ家が消えなくなっているのである。

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作り手による"ヒット作分析"座談会【2】

集英社? 小学館? マンガ編集者が語る「あの編集部で働きたい!!」

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 左上から時計回りに、講談社、集英社、小学館、
角川書店の社屋。角川以外の大手三社は、30代
で年収が1000万円を超えるといい、中堅以下の
出版社編集者からは「どんな部署でもいいから勤
務したい」との声も上がった。

今回の取材で話を聞いた業界関係者に、マンガ雑誌を出している各出版社に対するイメージや、どのマンガ編集部で働きたいかなどを尋ねてみた。就職・転職の際の参考に。ただし、概してマンガ編集者は、活字系雑誌に比べて出版業界の中での横のつながりが弱く、情報交換もあまり盛んでないため、各人の想像に頼っている部分がある点を了解いただきたい。

 まず、大手三社のイメージについては、「集英社は体育会系のイメージがある」「原稿料は集英社がいちばん高く、講談社はマンガ家に対しての制度が手厚い」「小学館には育ちが良く温和な人、講談社には弁の立つ器の大きな人が多い気がする」など。その他の意見も総合すると、「集英社=現実的、小学館=知性的、講談社=人間的」というイメージがあるようだ。
 
 次に、各社の待遇面に関して。中小出版社の編集者たちから、「ウチの給料は割といいほうだが、それでも大手三社の約半分」「大手誌は編集部の人数も多いから、何もしなくても給料をもらえそう」など大手を羨む声が上がる一方で、当の大手誌編集者たちからは、「マンガ編集部はどこも多忙だが、ウチ(週刊誌)は忙しすぎる。どこでもいいから月刊誌に移りたい」「大手は経費使い放題、などと思われがちだが、決してそんなことはない」との声も聞かれた。

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作り手による"ヒット作分析"座談会【1】

マンガ編集者が大胆暴露! 「『聖☆おにいさん』って面白いか?」「『NANA』は引き延ばしすぎじゃない?」

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──マンガ家、そしてマンガそのものについて誰よりも詳しい現役マンガ編集者による、ぶっちゃけ座談会を開催!! そこから見えてくる、マンガ業界の"裏側"と今後とは?

[座談会出席者]

A...大手週刊マンガ誌編集者(編集歴9年)
B...中堅週刊マンガ誌編集者(編集歴3年)
C...中堅月刊マンガ誌編集者(編集歴5年)

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本職だけあって、編集者たちはみな、メジ
ャー誌からマイナー誌まで、多くの漫画
雑誌を読み込んでいた。

A Cさんが少し遅れるそうだから、先に2人で始めようか。Bさんは、今売れている作品の中でどれがいちばん気になる?

B 最近メディアで盛んに取り上げられていて、しかもよく売れている『聖☆おにいさん』(中村光/講談社)ですね。正直な話、そこまで面白いかな、と......

A 実は、僕もそれを挙げようと思ってた(笑)。マンガ表現として飛び抜けて新しいわけでもないのに、すごく注目を浴びている。つまらないとまでは言わないけど。

B おそらくあの手の作品には、「ちょっと先を行くマンガだから、押さえておくとカッコいい」というイメージがあるんでしょう。

A そうかもね。作品として単純に比べれば、『俺はまだ本気出してないだけ』(青野春秋/小学館)や、『僕の小規模な生活』(福満しげゆき/講談社)のほうがずっと面白いと思う。

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混迷のマンガ界に"ドン"が喝!

巨匠・小池一夫がついに吠えた──「俺がマンガ界の総理になる!」

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 相次ぐ休刊、作家と編集者の軋轢、書店の衰退......はたして"マンガ"はどこへいくのか?  原作者として『子連れ狼』『クライング フリーマン』などのヒット作を生みだした稀代のヒットメーカーにして、無数のクリエイターを育ててきた"マンガ界の父"でもある小池一夫が、混迷する現在のマンガ界に喝を入れる! 心して聞くべし!

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(写真/江森康之)

──ここ数年、有名マンガ雑誌の休刊が相次いでいますが、この状況をどう感じていますか?
  
小池一夫(以下、小池) とにかく、日本のマンガ界に危機的な状況が迫っていますよ。雑誌の休刊もそのひとつです。大手マンガ誌は15万から20万部は売れないと制作費のモトが取れないんですが、それが厳しくなっている。原稿料が高いなど、雑誌ビジネス不調の原因は多々あるけど、キャラクターのライツマネジメントがちゃんと展開されていないのが大きい。日本のマンガ界......。"マンガ村"がそういうことを考えてこなかったからね。

──小池先生は30年以上も前から「劇画村塾」(77年に開講した、マンガ家やマンガ原作者の養成塾)といった独自の場を設けて、キャラクター論などいろいろと教えてこられていますよね。

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ずさんだったサンライズとの契約とは?

「コミックボンボン」編集長×『プラモ狂四郎』作者が語るガンプラとキャラビズ

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 2007年末、休刊を発表した「コミックボンボン」。30代の男性であれば、かつて「コロコロコミック」(小学館)と双璧を成した月刊少年マンガ誌として記憶に残っている人も多いだろう。そんな同誌の人気を牽引していたのが『プラモ狂四郎』である。ここでは、同誌元編集長・池田新八郎氏と同作・著者のやまと虹一氏が再会。「ボンボン」休刊から児童マンガ誌の行方まで、不振の続く業界についてを語り合った。

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左・やまと虹一氏/右・池田新八郎氏(写真/江森康之)

──創刊は81年秋。当時は90万部を売り上げていた「コロコロ」が月刊少年マンガ誌では独り勝ちの状態でしたが、「ボンボン」では3号目から『プラモ狂四郎』がスタートし、同誌の快進撃が始まります。

池田新八郎(以下、池田) 創刊当初はあくまでマンガが中心で、アニメ化される予定だったジョージ秋山さんの『スパットマンX』を柱に考えていたんです。ガンプラは当時から人気があったので、創刊号の巻頭で特集を組んでみたら、そのページがアンケートでトップにきたんですよ。ただ、アニメ『機動戦士ガンダム』のストーリーを基にマンガを作っても、小学生にはまだ難しいだろうと思って、「カンプラを軸にしたマンガはできないか?」と、特集を担当したフリー編集者の安井(尚志/『プラモ狂四郎』の原作者)さんに相談したのが始まりです。

──作画にやまと虹一さんが選ばれた理由はなぜでしょうか?

池田 何人か候補はいたけど、ガンダムは"メカ"なので、どうしても力夕い感じがしてしまう。だから、劇画タッチよりもやまとさんのような柔らかいタッチがいいだろう、と判断し、お願いしたんです。

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不況出版社の"救世主"が早くもピンチ?

急成長ケータイコミックへの表現規制がマンガの市場を殺す!?

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 紙のコミック市場は、坂道を転げ落ちるかのように、年々販売高を減らしている。1995年のピーク時に達成した5865億円が、07年には4699億円になってしまった(出版科学研究所調べ)。毎年ほぼ100億円ずつマンガ市場が消えている計算だ。

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『ワンピース』といったヒット作のほか、BL
やTLなどちょっとエッチな作品がケータイ
コミックでは人気が高いようだ。しかし、最
近は市場が需要過多で、作品が品薄との
意見もある。(写真はイメージ)

 だが、"救世主"が現れた。03年秋、auのパケット定額制の導入により、ケータイコミック市場が実質的に立ち上がったからだ。その後、ケータイコミックは倍々ゲームを続けて売り上げを伸ばし、07年度には、販売高229億円にも達した(インプレス調べ)。紙の落ち込みを補う巨大市場が出現した格好だ。
 
 たとえば、成人向け出版社の松文館は、ケータイコミック市場が立ち上がった直後に参入。数千部にとどまっていたやおい系(BL)コミックスの中には、数十万ダウンロードにもなる作品が現れているという。大手・中小出版社ともども、ライトなエッチ系マンガを牽引役に、「27歳OL」を想定モデルとするユーザーに支えられて、売り上げを伸ばしている最中だ。

 しかし、好事魔多し。NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルなどの携帯キャリアに対して、2007年12月、総務省が青少年向けのフィルタリングの強化を指導したあたりから雲行きが変わってきた。キャリアは公式サイト内の"パトロール"を徹底。ケータイコミックの販売店(電子書店。出版社の直営店もある)が扱う作品の一部に対して「表現が過激だから、訂正しろ」と要求する"事件"も起きた。

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極道を貫いた侠たちは「歴史上の人物」だ!

急変するコンビニコミック"隠れヒット"仁侠マンガの裏

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主人公となった本人の写真を表紙に使っているのは、
竹書房のシリーズのみ。これも人気の秘訣だという。
他社の作品の場合、肖像権の問題なのか、イラスト
化されてしまっている。

 ここ1~2年、コンビニの本棚で、実在のヤクザを主人公にした任侠マンガがやたらと目に入る。『覇道ヤクザ伝 山口組三代目 田岡一雄』『死闘ヤクザ伝 山口組直参柳川組 柳川次郎』などなど......超一流の侠客の生涯を描いたものが多い。

 このジャンルの先駆的なマンガが、竹書房から発行されている「実録ピカレスクシリーズ」。5年前から刊行が始まると、年間24冊ペースで発売。現在、総数は100冊以上にも上る。

 しかし、これらの作品群はコンビニ売りの廉価版のため、いまだに"読み捨て"というイメージが根強く、さらに特殊な内容だけに、いわゆる一般的なマンガ好きからは、注目されることが少ない。したがって、その売り上げや制作事情などの実態がなかなか見えてこないというのが現状だ。そこで、同シリーズを担当している竹書房・制作局取締役局次長の宇佐美和徳氏に話を聞いた(ちなみに宇佐美氏は、能條純一の『哭きの竜』や福本伸行の『アカギ』を手がけた編集者でもある)。

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2008年一番の、マンガ業界の事件をおさらい!

前代未聞ガッシュ!!問題で深手負った小学館の憂鬱とは?

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裁判用に雷句氏が用意したチラシ。若い
マンガ家からは、「よくぞ頑張ってくれた」
と雷句氏を評価する声が大きい。

 名門・小学館が揺れている。「週刊ヤングサンデー」などの休刊と、それに伴う「ビッグコミックスピリッツ」の急激なリニューアルに加え、会社全体でも、講談社を抜いて悲願の売り上げ1位を記録したのもつかの間、売り上げが急落するなど逆風だらけだ。しかし、なんといっても衝撃を与えたのは、看板ともいえる少年マンガ誌「週刊少年サンデー」の人気作だった『金色のガッシュ!!』の作者、雷句誠氏が「原画を紛失された」として編集部を相手取り裁判を起こした"事件"だろう。

 本稿では、2008年のマンガ界を代表する最もホットな話題のひとつということで、その顛末を振り返ってみたい。事の発端は5月に遡る。3月に同作の連載を終えた雷句氏はブログで5月、「週刊少年サンデーで仕事をする事はありません」と事実上の決別を宣言、さらに6月6日、編集部にカラー原稿を紛失されたため、小学館を提訴したことを明かした。驚いたのはその中身で、雷句氏はカラー原稿の紛失を端緒に歴代の担当編集者との軋轢を赤裸々に語り、いかにマンガ家が編集者によって抑圧されているかをアピールしたのだった。

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佐々木俊尚の
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『激変するITビジネスとカルチャーの深層を鋭く抉る!』

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『国家、権力、そして暴力とは何か?知的実践による解説。』

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