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女児向けマンガと侮るなかれー!

エロマンガなの? 少女マンガ『しゅごキャラ!』人気を支えるオトコたち

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「...え? 何!? ちょっと......」

「......試してみるか?」

「へ?」

「ずいぶん狭そうだ......入るか?」

「な、なに?......ダメ! こわい!」

「ダメだ、小さすぎて入らねぇ」

 ......な、なんのエロ小説の引用!? とのツッコミが入りそうだが、実はこれ、テレビ東京で毎週土曜日の朝枠に放送中の女児向けアニメ『しゅごキャラ!』(10月より『しゅごキャラ!!どきっ』)の1シーンだ。同作はもともと、小中学生向けの少女マンガ誌「なかよし」(講談社)でPEACH-PITが連載中の看板作品。ツンデレなヒロイン・日奈森あむ(小5)が、"しゅごキャラ"の力を借りて悪と戦う変身少女モノで、既刊7巻までの累計発行部数が約200万部というヒット作だ。

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著作権法の観点からは、問題ナシ!?

ミステリ作家が斬る人気マンガ『イキガミ』盗作騒動の罪

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──映画は絶好調!の『イキガミ』をめぐる盗作騒動、少女向けなのに思わず赤面してしまう描写が満載な『しゅごキャラ!』のエロ度、さらには、業界最大の事件とされる『雷句騒動』で深手を負った小学館の憂鬱など、人気マンガの事件を徹底追跡!

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05年より「週刊ヤングサンデー」で不定期
連載され、同誌休刊に伴い「ビッグコミック
スピリッツ」へ移籍した『イキガミ』と、盗作
が騒がれた『生活維持省』が収録されてい
る『ボッコちゃん』。

 現在までに刊行されたコミックス計5巻が累計発行部数200万部を超え、松田翔太主演の映画版も好評公開中の『イキガミ』(小学館)。ただ一方で、本作が、作家・星新一のショートショート『生活維持省』(『ボッコちゃん』新潮文庫)の剽窃に当たるのではないかという疑惑が生じ、ネットなどで「パクリか否か」という騒動を巻き起こしたのも記憶に新しい。主に問題となっているのは、両作に共通している"国家による無作為に選ばれた国民の殺害"という設定。『生活維持省』がこれをオチで明かしているのに対し、『イキガミ』では死亡を予告された人間のドラマに焦点を当てているという違いはあるのだが、確かに物語の根幹となっている設定が酷似していることは間違いない。この問題について、自身のHPでも詳細な検証を行っているミステリ作家の藤岡真氏は次のように語る。

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異能の面々が、超有名作を一刀両断!!【5】

現実の国際社会でも人は数十万で殺される──佐藤優が読む『ゴルゴ13』

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(写真/江森康之)

『ゴルゴ13』が扱うテーマというのは、国際情勢の中で実際に起こった事件をモデルにしたものが多い。デューク東郷は確かに超人的なスナイパーですが、このマンガの中で起こっていることは、現実世界でも十分にあり得る話です。例えばチェチェンでは、独立派の大統領が過去に3人も暗殺されている。僕も昔、ある国の高官に「消したいヤツがいたら、殺し屋を紹介してやる」と言われたことがあります。ブダペストに本拠地を置く暗殺請負会社があるらしいんですよ。標的によって値段は違いますが、高くて3000万円、安い人だと30万円で殺せちゃうというんですね。でも、これには裏のメッセージがあって、要するに「佐藤さん、派手に動き回ると殺されるぞ」ということなんですよ。人の命はそんなに高いもんじゃないんだぞと、脅しているわけですね。

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異能の面々が、超有名作を一刀両断!!【4】

これを読んで芸能界を目指すのは間違いだ!──野田義治が読む『きらりんレボリューション』

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(写真/田中まこと)

 しかしさ、この『きらりんレボリューション』を、よく俺に読ませようと思ったよね。俺と少女マンガの組み合わせだなんて、すごいギャップだろ。事務所でこのマンガを読んでたら、ウチのタレントたちにビックリされたよ(笑)。
 
 内容に関していえば、まずこのマンガが描いているのは「芸能界」じゃないよね。もちろん少女マンガって子どもたちに夢を与えるものだし、ファンタジーとしてはよくできてるよ。確かに主人公のような「一夜明けたらスターに」なんてタレントもいないではないし、ライバルタレントに意地悪をされるってことも、まあよくある話。しかし、本当に突然大スターになっちゃったなんて、広末涼子以来出てないだろうし、ライバルタレントの意地悪だって、「叱ると相手が成長しちゃうから放っておこう」と、したたかに考えたりもするのが芸能界の実態ってもの。現実とのギャップは大きいよ。

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異能の面々が、超有名作を一刀両断!!【3】

描かれるのは「求道者」の姿に若者は注目すべき!! 藤岡弘、が読む『バガボンド』

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(写真/田中まこと)

 初期の頃の武蔵は、「強くなりたい」という一心で闘いを続けている。若い頃というのは、誰しも得体の知れない不安や恐怖を抱えているものなんだ。これに武蔵は屈することもなく、とらわれることもなく、あるがままに、逃げることなく受け入れ乗り越えていく。そこから多くのことを学び、自分を戒め、そして多くの師との出会いの中で悟らされ、「求道者」の道に目覚め始める。

「挫折失敗を恐れず乗り越え突き進む、驕らず、自己を戒め、すべてを糧として、自己を磨き、他のために生きる」。これこそが、日本人が忘れてしまった「サムライ精神」の第一歩なんだ。今の若い人にも、武蔵の生き方を参考にし、人生に一度でいいから命懸けの自己挑戦の旅に出てもらいたいね。

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異能の面々が、超有名作を一刀両断!!【2】

AV女優のセックス観の真髄がここにある!!──峰なゆかが読む『大奥』

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(写真/田中まこと)

 私、高校生の頃にお坊さんと付き合ってたことがあるんですよ。前戯を4時間もするようなヤリ手の坊さんでしたが......それ以来「坊主萌え」に目覚めてしまって。この『大奥』は、そんな視点で読み始めたマンガでした(笑)。

『大奥』は、セックスについて考えさせてくれるマンガなんですよ。よく誤解されるんですが、AV女優って、別に楽しんでセックスしているわけじゃないんですね。仕事とはいえ、会ったばかりの男優さんとセックスするわけですから......楽しく気持ちよくはできないし、「やってられるか!」って気になることも少なくない。じゃあどうやって心の折り合いをつけるのか? それは、「私が男優を抱いているんだ」という自意識を持つことなんですね。

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異能の面々が、超有名作を一刀両断!!【1】

覚醒剤に手を出した俺でも金は借りない──田代まさしが読む『闇金ウシジマくん』

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──誰でも読んだことのある大ヒットマンガを、その作品のテーマに詳しそうなあの人達はどう読む? 名作マンガの真の姿を、この世の中の裏のウラまで知り尽くした異才たちが語り倒す!!

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(写真/田中まこと)

 パチンコ好きの主婦とか、見栄っ張りのOLとか、このマンガって"人が堕ちて行くさま"の描き方が本当に生々しい。俺もまさに同じような体験をしたわけで......他人事だとは思えなかったです。

 俺も当時、仕事や家庭のことで問題が重なり、現実逃避的に覚醒剤に手を出してしまった。あぶって煙を吸引しているときは「まだ大丈夫」って感覚があったけど、注射器を使うようになってからは「さすがにヤバい」と思うようになって......。気がついたら、もう後戻りできなくなってました。この『ウシジマくん』にも、「まだ大丈夫」って思っているうちに引き返せないところまで堕ちてたって人間、たくさん出てきますよね。

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売れるマンガとメディアミックスの功罪【2】

いまはやっているはどんなタイプ? 現代マンガを象徴する4ジャンル

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──いま巷を賑わせている多くのマンガを、独断と偏見で4タイプにカテゴライズ、さらにそれぞれのジャンルの代表作を3作ずつピックアップ!!

■「業界&マニア受け」型
 各マンガ賞を受賞したり、マンガ評論・マンガ紹介雑誌等で再三取り上げられたりするなど、業界やマニアの間での評価は高いが、単行本の売り上げはそれほどでもない作品群。『俺はまだ本気出してないだけ』(青野春秋、小学館)といった比較的若い作家の作品や、『フラワー・オブ・ライフ』(よしながふみ、新書館「Wings」で03年_007年に連載)のような、少部数誌で連載され比較的短期間で完結した作品に多い。また、マンガ家の日常を描いた『おのぼり物語』(カラスヤサトシ、竹書房「まんがくらぶ」で06年~08年に連載)のように、業界・マニア受けしやすい題材で、コアな人気を博す作品もある。

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『鈴木先生』
武富健治/双葉社「漫画アクション」05年6月~

さまざまな問題に直面する中学校教師の苦悩を描いた作品。07年、08年の『このマンガがすごい! オトコ編』(宝島社、以降『すごい!』)で2年連続トップ10入りし、『このマンガを読め!2007』(フリースタイル、以降『読め!』)でも第6位にランクイン、第11回(07年)文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞するなど、業界内評価は高いが、第3巻時点(既刊5巻)での単行本発行部数は約10万部とおとなしめ。


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売れるマンガとメディアミックスの功罪【1】

いまウケるのはこんなマンガだ! マンガ業界の動向をリサーチ!!

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──出版不況の中で売上辞退は縮小傾向にあるとはいえ、マンガが相変わらず出版業界を支える屋台骨であることに変わりはない。では、最近のマンガ業界の動き、そして日々生み出され続けている膨大なマンガ作品には、どのような傾向があるのだろうか?

(本記事は2008年11月号掲載のものを再構成したものです。)

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(写真/江森康之)

 出口の見えない出版不況は、日本の誇る文化「マンガ」にも等しく影を落としている。出版科学研究所の調査によれば、マンガ雑誌の販売額は、1995年(3357億円)を頂点に減少の一途をたどっており、昨年は2204億円と、ついにピーク時の3分の2を割り込んだ【図表1参照】。大手出版社でさえ、単体で黒字を出しているマンガ雑誌は数誌とされ、07年以降確認できただけでも、「月刊少年ジャンプ」(集英社)や「週刊ヤングサンデー」(小学館)などの大手誌を含む40誌以上が休廃刊に追い込まれている【図表2参照】。また、「ジャンプスクエア」(集英社、「月刊少年ジャンプ」の後継誌)の創刊や、「週刊ヤングサンデー」連載作品の「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)等への大量移籍、50年来のライバル誌「週刊少年サンデー」(同)と「週刊少年マガジン」(講談社)による共同雑誌発行など、苦しい現状を打破するための再編や試行錯誤が続けられている【図表3参照】。

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おネエタレント大氾濫のヒミツ【6】

美輪サンもIKKOも、マツコも血と汗を流した!? ゲイタレントたちの愛と苦悩と戦いの軌跡!

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1957年 当時22歳だった美少年、丸山明宏(現在の美輪明宏)の歌う「メケ・メケ」が大ヒット。三島由紀夫をもメロメロにした美貌で、レースやサテンの大胆なコスチュームを着こなす様から「シスターボーイ」と呼ばれた。当時ユニセックス・ファッションは国賊もので、街でビール瓶の蓋を投げ付けられたこともあったという。


63年 東京のクラブ「ゴールデン赤坂」で、パリのショークラブ「カルーゼル」の女装ダンサーたちが上演。「ブルーボーイ」と呼ばれて話題になる。翌年、カルーセル麻紀が「和製ブルーボーイ」として日劇ミュージックホールでデビュー。

71年 東郷健が自らを同性愛者だと公表した上で、参議院選挙に初立候補。落選。

 7月、日本初のゲイ雑誌「薔薇族」(第二書房/現在は廃刊)が創刊。編集長・伊藤文学の自宅に美輪明宏がロールスロイスで乗り付けて、創刊号を買いに来たのは有名な話。

72年 丸山明宏が、現在の「美輪明宏」に改名。きっかけは「仏壇を拝んでいたら、目の前に"美輪"という字がはっきり見えたから」(「週刊平凡」72年5月11日発売号)。

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 10月、カルーセル麻紀がモロッコで性転換手術を受ける。当時としては巨額の150万円を投じての大手術であり、手術前夜は同じ目的で入院中だった男たちとオチンチンを握り合って「男性サヨナラパーティー」を開いたそう。


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連載
映画でわかるアメリカがわかる
町山智浩の
映画でわかるアメリカがわかる
『映画を通してズイズイっと見えてくる、超大国の真の姿。』

“超”現代哲学講座
哲学者・萱野稔人の
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『国家、権力、そして暴力とは何か?知的実践による解説。』

宇野常寛の批評
宇野常寛の
批評のブルーオーシャン
『さらば、既得権益はびこるレッドオーシャン化した批評界!』


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