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更科修一郎の「批評なんてやめときな?」【67】

伊集院光、呉座勇一を見て考える――幽霊、ラジオスターとイキリオタク。

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――ゼロ年代とジェノサイズの後に残ったのは、不愉快な荒野だった?生きながら葬られた〈元〉批評家が、墓の下から現代文化と批評界隈を覗き込む〈時代観察記〉

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これは筆者が企画編集した最初のバージョン。良くも悪くも褒められすぎて道を誤った感はあるのだけど、まあ、良いマンガです。

『とくダネ!』『グッとラック!』が終了し、『スッキリ』の加藤浩次は吉本興業からエージェント契約を解除され、この春のテレビ番組改編は珍しく朝のワイドショー枠が注目されている。テレビやラジオの低予算化と大手芸能事務所の地殻変動で世代交代の流れが生じているのだが、「仕方なく」なので、終わった番組に代わる展望はなく、終わらない番組の歪みも目立つ。

 例えば、「日刊SPA!」に載った「ラジオの(裸の)王様」伊集院光批判の記事がそうだ。TBSラジオの『深夜の馬鹿力』で、朝ワイドの『伊集院光とらじおと』のスタッフがLINEで陰口を言っていたことを晒し上げ、キングギドラばりに公開処刑した伊集院を「仕事仲間の無礼を、公共の電波を私物化し、実名を名指しで告発したのだ。自分のパワハラぶりを、世間に公開しているだけだ」と批判していたのだが、記事の署名に驚いた。放送作家の椎名基樹だったからだ。確かに放送作家の立場からしてみればたまったものではないだろうが、90年代からの深夜ラジオリスナーにはなかなか衝撃であった。初期の伊集院はニッポン放送がホームグラウンドで、椎名が参加していた『電気グルーヴのオールナイトニッポン』と盟友関係だったからだ。加えて、記事公開のタイミングも『ちびまる子ちゃん』一時間スペシャル『ちびまるラジオにちよう七福神』のゲスト声優に伊集院が招かれた直後だった。フジ系の『ちびまる子ちゃん』に「ラジオの王様」として認められたということは、いまだ遺恨のあるニッポン放送へのこれ以上ない意趣返しだったはずだ。一方の椎名は、放送作家のレギュラー仕事だった『しょんないTV』(静岡朝日テレビ)をピエール瀧の逮捕で打ち切られたが、他の記事はすべて普通のゆる目な芸能ウォッチだ。「一将功成りて万骨枯る」で成り上がったラジオスターの高慢が、よっぽど腹に据えかねたのだろう。実際、TBSで「王様」になれば、死ぬまで食いっぱぐれないのは、最近もBSでの放送継続が決まった『噂の東京マガジン』の森本毅郎が証明している。

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