――不公正や抑圧に立ち向かう女性を描くのみならず、男性性の再考を迫る映画やドラマもある。
【5】勝ち続ける女性の苦しみ
『クイーンズ・ギャンビット』
ドラマ/20年
1950年代、児童養護施設で人並外れたチェスの才能を開花させた少女ベス。やがて男性棋士たちを次々となぎ倒しながら華やかなスターへの道を突き進むが、精神安定剤やアルコールの依存症に苛まれる場面も。
【6】不死身の男たちを統率する女性
『オールド・ガード』
映画/20年
シャーリーズ・セロン演じるアンディをはじめ、不死身の庸兵4人で構成される特殊部隊「オールド・ガード」。誰にも知られずに人類を守り続けてきたが、謎の組織がある陰謀のためにその特殊能力の複製を企む。
【7】自力で富豪になった黒人女性
『セルフメイドウーマン~マダム・C.J.ウォーカーの場合~』
ドラマ/20年
貧しい洗濯婦サラは、奴隷制廃止後の人種/性差別などを乗り越え、黒人向けヘアケア業界に革命を起こすブランドを設立。かくして、黒人女性としては初めて自力で大富豪となった。
【8】女性活動家の写真と証言
『フェミニストからのメッセージ』
ドキュメンタリー/18年
第2波フェミニズム(ウーマン・リブ)と呼ばれる運動が巻き起こった70年代。写真家シンシア・マカダムスによって撮影された女性活動家たちの写真や、当人たちの証言を通じて、あのムーブメントを振り返る。
【9】富を持つ現職議員と戦う
『レボリューション――米国議会に挑んだ女性たち――』
ドキュメンタリー/19年
富を持つ現職議員に対抗し、2018年下院議員選で戦った労働者階級の女性新人候補者4人。特に史上最年少女性下院議員となったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスはスターに。
【10】女性優位の世界に戸惑う男
『軽い男じゃないのよ』
映画/18年
女性を見下してきた独身男ダミアンは、街中で頭を打って気を失う。意識が戻ると、女がすべてを牛耳る世界になっていた。戸惑いながらも傲慢な女流作家の助手として働き始め……というフレンチ・コメディ。
【11】男性性に苦しみ童貞高校生
『セックス・エデュケーション』
ドラマ/19年~シーズン2
人付き合いが苦手で、セックスの経験がない高校生オーティス。ただ、母親がセックス・セラピストであるため、性的な知識だけは豊富である。そんな彼が同級生に誘われて、秘密のセックス相談クリニックを始める。
【13】高い能力を自分の人生に使う
『梨泰院クラス』
ドラマ/20年
ストーリーは明日公開の記事参照のこと。LGBTQやレイシズムが描かれる場面もあるが、ポストフェミニズムの観点からは共に「デキる」女性であり、主人公パク・セロイを奪い合うイソとスアというキャラに着目すべきだ。