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第1特集
HIKAKIN、はじめしゃちょー、グーグル頼み?

HIKAKIN、はじめしゃちょー、そしてグーグル頼み?――YouTuberビズの覇者UUUMの“ホント”の財務

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――YouTuberが所属する企業の中で、ひときわ存在感を放っているのがHIKAKIN、はじめしゃちょーら大物YouTuberが所属するUUUM株式会社だ。2017年8月に東証マザーズへ上場、一時は株価が高騰したが、ここにきて陰りが見えているようで……。

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(絵/河合 寛)

 大手広告代理店の電通が3月に発表した「2019年 日本の広告費」によると、「インターネット広告費」は6年連続2桁成長となり、前年比19・7%増の2兆1048億円。近年、YouTubeなどの大規模プラットフォーマーを中心に売り上げが急拡大している「インターネット広告費」は、初めてテレビメディア広告費(前年比2・7%減の1兆8612億円)を抜き、初の2兆円超えとなった。

 広告ビジネスの市場が大きな転換期を迎える中、「テレビからネットへ」という時流を味方につけ、近年インターネット動画広告の分野において急成長を遂げたベンチャー企業の代表例として挙げられるのが「UUUM」である。同社は、HIKAKINやはじめしゃちょーなど、人気YouTuberのマネジメントを手がけている。

「大学を中退して、光通信で携帯電話の販売をしていた鎌田和樹氏(UUUM株式会社CEO)が2013年に設立しました。創業当初は、ON SALEという会社名でしたが、間もなくしてUUUMに変更しました。新しい会社名を思案しているときに、なかなかいいネーミングが浮かばず、創業メンバーのひとりが『う~む』と声に出したことが社名の由来だそうです(苦笑)。その当時のインターネット広告の市場規模は、現在の半分以下という時代だったのですが、電通の営業マンたちは、『テレビよりも広告費は安いし、しかも閲覧数も一目瞭然です』と、大手のクライアントに対して積極的に営業を仕掛けるなど、インターネットによるタイアップ広告を浸透させようと、試行錯誤している時期だったんですよ。UUUMを立ち上げたばかりの鎌田氏も営業に奔走する中、たまたま電通からオファーがあり、HIKAKINを起用したトヨタやロッテの商品を宣伝するタイアップ動画を配信する仕事が転がり込んできた。いわゆる、今話題の“電通案件”をこなすことで、会社は軌道に乗っていったんです。さらに当時、米グーグルはYouTubeを多くの日本人に広く知ってもらうために、HIKAKINを起用したテレビCMなど、一大キャンペーンを行っていました。つまり、UUUMは、国内初のYouTube専門のタレント事務所として、競合他社がいない中、独り勝ちになったんですよ」(IT業界専門誌記者)

 UUUMは、17年8月には東証マザーズに新規上場。同社のリリースによると19年5月期通期の売上高は前年同期比68%増の197億円、営業利益は同74%増の12億円を計上している。また、株価については昨年2月に6870円にまで高騰し、時価総額は1000億円を超えることもあった。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長を遂げてきた。そんなUUUMの売り上げの約6割を占めるのが、動画再生回数に応じてYouTubeから受け取るグーグルのアドセンス収入である。ここでは同社の財務状況と今後のビジネスモデルについて検証してみたい。

YouTuberは薄氷のビジネスか?

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