サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > イギリスから現れたバンクシーの物語【1】/【バンクシー】の矛先と日本の狂騒

――正体不明のグラフィティ・アーティスト、バンクシー。作品にトンデモない値がつくこの男に今、日本でも注目が集まっている。その作品らしき絵が見つかればニュースとなり、大規模な個展まで予定されている状況だ。では、本国イギリスではいかなる存在なのか? インタビュー経験があるライター・翻訳家の鈴木沓子氏が徹底解説!

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「スタジオ・ボイス」2004年8月号におけるバンクシーのインタビュー記事。右の写真は“イメージ”。自作について「コピーする馬鹿なヤツが多くて困る」などと発言した。

 90年代後半からストリートの壁をキャンバスに、資本主義や消費社会、警察、政府などをポップに風刺したステンシル作品(型紙に切り抜いた絵柄や文字をスプレーで吹き付けたもの)を残してきたイギリスの覆面アーティスト、バンクシー。いつしかその作品は超高額で落札されるまでになった。

 そんなバンクシーをめぐる奇妙な“ブーム”が今、日本で巻き起こっている。2019年1月、東京・日の出の防潮扉に彼が残したと思われるネズミの絵が発見され、東京都が回収。都はバンクシー本人のインスタグラムに真贋を問い合わせたものの返事がなかったようで、都庁で《バンクシー作品らしきネズミの絵》と題して展示した。すると、それを一目見ようと長蛇の列ができたのだ。その後、千葉県印西市の公衆トイレ、九十九里片貝漁港の防波堤でも“バンクシー作品らしき絵”が見つかり、メディアは真贋を騒ぎ立てた。さらに20年の春以降、テレビ局などが主催するバンクシーの大規模な展覧会の開催が2つも予定されている。

 ところで、母国イギリスでバンクシーはどんな存在なのか? そこで、本人にインタビューを行った唯一の日本人で、ライター・翻訳家の鈴木沓子氏に、同国でのこれまでの活動と評価について話を聞いた。そうして見えてきたのは、バンクシーの現在の“矛先”と、日本におけるブームの実態だった――。

アート界が無視できない有名美術館でのゲリラ

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