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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第146回

『リチャード・ジュエル』イーストウッドが描くテロ事件の冤罪とマスコミ、FBIの欺瞞

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『リチャード・ジュエル』

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1996年、オリンピック開催に湧くアトランタ。警備員のリチャード・ジュエルは会場近くの公園で不審なバッグを発見した。実はその中身は大量の釘が入ったパイプ爆弾だった。リチャードの機転により被害を最小限に抑えられたテロ事件だが、FBIはジュエルを容疑者として捜査していたのだ……。
監督:クリント・イーストウッド、出演:ポール・ウォルター・ハウザー、サム・ロックウェルほか。劇場公開中。

 1996年7月27日、アトランタオリンピックでテロがあった。会場近くの公園でコンサート中にパイプ爆弾が爆発したのだ。仕掛けられた大量の釘が飛び散り、それが頭蓋骨を貫通して、ひとりの女性が即死、111人が負傷した。

 しかし、もっと大きな被害になっていたかもしれない。爆発直前に爆弾が発見されて、すでに避難が始まっていなければ。

 爆弾を発見したのは、リチャード・ジュエルという警備員。メディアは彼を英雄に祭り上げた。

 たった3日間だけ。

 3日後、地元紙アトランタ・ジャーナルの一面を飾ったのは、FBIが爆弾発見者のリチャード・ジュエルを爆弾テロの容疑者とみているという記事だった。

 ジュエルは警察官志望の警備員。大学の警備員だったときは、警察官気取りでふるまって解雇されている。ジュエルは政治的には保守的で愛国者で銃器マニア。それは右翼テロリストの典型だ。

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