サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > マイク1本で社会をぶった斬る【1】/【スタンダップコメディ】作品のトリセツ

――Netflixのレコメンドで、スタンダップコメディ作品が流れてきた経験はないだろうか? アメリカやイギリスでは特にエンタメ界の最重要ポストに置かれ、グラミー賞などのアワードの司会を務めることもあるという。人種差別やジェンダー、政治思想信条などありとあらゆる社会問題を風刺するスタンダップコメディ作品の楽しみ方を聞いた。

1911_P080-083_main_320.jpg
日本人には馴染みの薄いスタンダップコメディだが、ブラックミュージックとの共通点が多いことを改めて知った夜。

 日本人にはややピンとこないところもあるが、ドラマや映画に混じってやたらとNetflixのレコメンドに流れてくるのが、海外のスタンダップコメディ作品。コメディアンが政治、人種差別、ジェンダーなど、社会問題を笑いに変え、アメリカでは広く人気があるジャンルとなっている。そこでここでは、ブラックミュージックを中心とした音楽ライターの渡辺志保さんと共に、シカゴを拠点に活動する日本人スタンダップコメディアンSaku Yanagawaさんに、Netflixで観られるスタンダップコメディをオススメしてもらおう。

――まず、スタンダップコメディとはいかなるものか、を解説してもらいましょう。渡辺さんが一番最初にスタンダップコメディという芸能を認識されたのはいつ頃で、誰だったのでしょうか?

渡辺 私はクリス・ロックがきっかけなんですよ。その時のことはメチャメチャ強烈に覚えていて、99年のMTVのVMA(ビデオ・ミュージック・アワード)だったんです。そこで司会者だった彼が冒頭の10分間モノローグをやったんですけど、ブリトニー・スピアーズとかをメタメタにこき下ろすんですよね。当時中学生だった私は「ブリトニーにこんなこと言うなんて酷い!」と思ったんだけど、お客さんはドッカンドッカン笑っている……。その後もヒップホップのネタを挟んだりしながら、アワードの進行をスマートに進めていって。「この人は誰なんだろう、俳優さんなのかな?」と思って調べたら、コメディアンでした。その年はグラミー賞の司会も女性コメディアンのロージー・オドネルだったんです。「アメリカのコメディアンはこんな仕事もするんだ、こういう職業があるんだ」って気づかされたのが、その年でした。クリス・ロックはいつか生で観てみたいですね。

Saku クリス・ロックは今も精力的に活動していて、Netflixでも作品が観られます。スタンダップコメディは基本的に「脚本・演出・演技・プロデュース」の4つをひとりで兼ねます。だからダンサーや役者やミュージシャン、さまざまな職業を“束ねる”役割を、オスカーとかグラミーとかのアワードでも任されているんですね。アメリカのエンタメ界では非常に尊敬される職業となっています。

――スタンダップコメディは、日本人にとって馴染みが薄いですが、Sakuさんはどのように定義されていますか?

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2021年5月号

新タブー大全'21

新タブー大全'21
    • 【森発言は女性差別?】高齢者座談会
    • 広がる【陰謀論とGAFA】の対応
    • 【Qアノン】の主張
    • ビジネス的な【福音派】の布教
    • 【ザ・ボーイズ】が描く福音派
    • 【反ワクチン運動】の潮流
    • 取り沙汰されてきた【ワクチン4種】
    • 【メガIT企業】が触れたタブー
    • 【民間PCR検査】の歪な構造
    • 【NHK】に問われる真価
    • 【テレ東】が身中に抱えた爆弾
    • 【キム・カーダシアン】の(危)人生
    • 【仰天修羅場】傑作5選
    • 月収12万でアイドルが【パパ活】
    • 【パパ活】の背景にある雇用問題
    • 金融の民主化【ロビンフッド】の闇

「小川淳也」政治とコロナと与野党を語る

「小川淳也」政治とコロナと与野党を語る
    • 【小川淳也】政治とコロナと与野党を語る

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【朝日ななみ】新人役者は“嫌われるほど悪い役”を目指す!
    • 【はるかりまあこ】新風を巻き起こす三人官女のサウンド
    • 【SILENT KILLA JOINT & dhrma】気鋭ラッパーとビート職人
    • 【松居大悟】自身の舞台劇をどのように映画化したのか?
    • 【BOCCHI。】“おひとりさま。”にやさしい新人7人組

連載

    • 【都丸紗也華】ボブ、マジ楽なんです。
    • 【アレンジレシピ】の世界
    • 【愛】という名のもとに
    • なぜ【AI×倫理】が必要なのか
    • 【萱野稔人】人間の知性と言葉の関係
    • 【スポンサー】ありきの密な祭り
    • 【地球に優しい】企業が誕生
    • 【丸屋九兵衛】メーガン妃を語る
    • 【町山智浩】「ノマドランド」ノマドの希望と絶望
    • 【総務省スキャンダル】と政府の放送免許付与
    • 【般若】が語った適当論
    • 【小原真史】の「写真時評」
    • 【田澤健一郎】“かなわぬ恋”に泣いた【ゲイのスプリンター】
    • 【笹 公人】「念力事報」呪われたオリンピック
    • 【澤田晃宏】鳥栖のベトナム人とネパール人
    • 【AmamiyaMaako】イメージは細かく具体的に!
    • 【稲田豊史】「大奥」SF大河が示した現実
    • 【辛酸なめ子】の「佳子様偏愛採取録」
    • 伝説のワイナリーの名を冠す【新文化発信地】
    • 【更科修一郎】幽霊、ラジオスターとイキリオタク。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』