サイゾーpremium  > 連載  > 西国分寺哀の「大丈夫?マイ・フレンド」  > 『西国分寺哀の「大丈夫?マイ・フレンド」』【51】/なんとなく、【クリステル】
連載
『西国分寺哀の「大丈夫?マイ・フレンド」』【51】

本当にちゃんともてなせるのか?――なんとなく、『クリステル』

+お気に入りに追加

『滝川クリステル』

1910_takigawa_200.jpg
『きものSalon2018春夏号 (家庭画報特選)』(世界文化社)

8月7日、フリーアナウンサーの滝川クリステルが、自民党の小泉進次郎衆議院議員との結婚を発表。現在妊娠中で、年明けには出産する予定。さすがにこのタイミングで「“滝クリ”って、響きがなんかエロいよね」などと言いだす奴はいなかった。

 先日、家の近所を散歩中、とある飲み屋の看板が目に入った。

「熟女BAR~O・MO・TE・NA・SHI~」

 飲み屋であり、熟女ともなれば、いちいち宣言しなくても「もてなしてほしい」と思うが、それ以上に東京オリンピック招致を決めた滝川クリステルの「お・も・て・な・し」という歴史的なフレーズをこんな場末の飲み屋が軽々しく使っていいのか? という思いが湧いた。そろそろ商標登録とかすべきではないだろうか。余談だが、ウチの近所には「ヨルナンデス!」「スッキリ!!」といったキャバクラやスナックもあり、“街自体が日テレ系”みたいなことになっている。

 そんなことはともかく、この「お・も・て・な・し」というフレーズ、一時期は滝クリから離れ一発ギャグみたいな扱いで独り歩きしていたところがあった。だが、いよいよ東京オリンピック開催が来年に迫り、また滝クリと自民党・小泉進次郎議員との結婚&妊娠発表が「おもてなし婚」と命名されたこともあって、再びセットで受け取られるようになってきた。

 そこで問題なのは「本当にちゃんともてなせるのか?」ということである。東京開催が決定したのが2013年。7年もあればなんとかなると、誰もが思っていただろう。だが、6年たった今でも有効的な暑さ対策は見いだせておらず、先日などは、お台場海浜公園の水が汚すぎるという理由でトライアスロン国際大会の水泳が中止になるという体たらく。「何やってんだ!」と言うのは簡単だが、かくいう私も東京での開催が決定した時には、「さすがに自分もその頃には結婚しているだろう」とタカを括っていたクチだ。だが、現状では結婚の予定はおろか彼女もおらず、なんなら友人とも疎遠になりつつあり、より孤独感が増している始末。所詮、人が立てる計画なんてのは、そんなものである。

 もちろん、おもてなしの準備ができていないのも、私が独り身なのも滝クリの責任ではない。ただ、私の問題はともかく、オリンピック観戦で来る外国人観光客のなかには「滝クリに騙された!」と思う人も出てくるだろう。そうなったらもう、彼女には開会式で「ドッキリ!」と書かれたプラカードを手に入場してもらい「大・成・功」とごまかしてもらうしかない。選手村に忍び込み「寝起きドッキリ」を仕掛けてもらってもいい。「おはようございます」と斜め45度でカメラにインしてくる滝クリ。とはいえ、子どもを産んだばかりの彼女にそこまで負担をかけるのもどうか。

 結局は政府に頑張ってもらうしかないのだが、「お国のため」とか「安倍首相、小池都知事のため」というよりも「滝クリのため」と言われたほうが、現場のおっさんの士気も上がるだろう。個人的にも協力のしがいがあるというもの。あの妖怪・雨降り小僧みたいな「かぶる日傘」も率先して使おうではないか。

 何せ、これからの自民党を背負って立つ議員の妻なのである。政府としても「恥をかかせるわけにはいかない」と躍起になるだろう。もはや今回のオリンピックは、「滝クリの顔を立てるため」と言っても過言ではない。そういう意味で、この結婚は後に「東京オリンピックを是が非でも成功させる原動力となった」と語り継がれることになるだろう。

 お相手の進次郎議員に関してだが、「政策的な実績はまだゼロに等しい」と評され、これからを期待されている人物だ。だが、私からしてみれば、滝クリと結婚した時点で偉業であり、もはや“上がり”である。執筆時には入閣すらしていない彼だが、もし飲み屋で会ったならば「よっ! 大統領」と首相すら飛び越えた賛辞を送る所存だ。

 もちろんこの後、政治家として上り詰めていくのだろうが、知名度で滝クリを越すのは難しいだろう。兄で俳優の小泉孝太郎の存在も話をややこしくさせる。どこまでいっても「進次郎だっけ? 孝太郎だっけ?」となるだろうし、下手をすれば「滝クリと結婚したのが孝太郎だっけ?」と言いだす奴もいかねない。だったらもう「滝クリと結婚したほう」として開き直るべきだ。もし将来首相になったとしても「妻は滝クリ」ではなく、「滝クリの夫が首相」くらいが、世界的にも進んでいる感が出る。ファーストレディというか、そういう意味でレディーファーストというか。安倍首相が唱える「すべての女性が輝く社会づくり」なんてのも、こんなわかりやすい構図だと進みやすいというもの。

 もはやオリンピックどころか、日本の将来すら担うかもしれない滝クリ。義父である小泉純一郎氏に「クリスタルさん」と名前を間違えられても「お義父さんらしい」と余裕で受け流す様はすでに大物の風格だ。だが出産直後に「痛みに耐えて、よく頑張った。感動した!」と言われたら、さすがにイラっとするかもしれない。政治家の妻として、本当の意味で度量が試されるのはその時なのだろう。

西国分寺哀(にしこくぶんじ・あい)
結婚の目標を「2024年のパリまでに」と延長した40代男性。両親からは「滝クリも41歳で結婚したのだから後に続け」と謎のプレッシャーをかけられている。


Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年11月号

Netflix(禁)ガイド

Netflix(禁)ガイド
    • SNS時代の【アメリカ】動画
    • ケガしても【拡散希望】の狂気
    • 海外ポルノ界の【全裸監督】たち
    • 本家【全裸監督】の海外での評判は?
    • 【小林直己】ネトフリで世界進出
    • 世相を反映【ディストピアSF】傑作選
    • 【A-THUG】が推すドラッグ番組
    • 下品なだけじゃない【恋愛リアリティ番組】
    • 【恋愛リアリティ番組】一挙レビュー
    • 【みうらうみ】ネトフリドラマグラビア
    • ネトフリ人気作の【エロ依存度】
    • 【人気作6作】のエロシーン検証
    • 【奈良岡にこ】再生数アップのサムネ術
    • 【スタンダップコメディ】作品のトリセツ
    • 【スタンダップコメディアン】が語るAマッソ問題
    • 【クィア・アイ】と女言葉翻訳の問題
    • 【差別語】翻訳の難しさ
    • 配信で見返す【90年代ドラマ】
    • タブーな【民法ドラマ】6選

収監直前ラッパーD.Oの告白

収監直前ラッパーD.Oの告白
    • 【ラッパーD.O】悪党の美学

NEWS SOURCE

    • 【関電スキャンダル】3つのタブー
    • 【あいちトリエンナーレ】騒動の余波
    • 【浜崎あゆみ】ドラマ化と引退疑惑の真相

インタビュー

    • 【松本妃代】──実は踊れる演技派女優
    • 【FUJI TRILL】──モッシュを起こすヒップホップDJ
    • 【Neon Nonthana & Eco Skinny】──カップルの日常ラップ

連載

    • 表紙/福井セリナ「ポッと入ったんです。」
    • 【石田桃香】紫に包まれる肢体
    • 【真帆】がいるだけで
    • 【日本】で新しいことができないワケ
    • 【萱野稔人】宇宙生物学と脳の機能から見る人間(後)
    • 追悼【高須基仁】という男
    • 不要な【アレンジ】おもてなし魂
    • 【Lizzo】女性MCたちの一斉開花
    • 町山智浩/【ハスラーズ】ストリッパーの逆襲
    • 【アメリカに依存する】日本のサイバー戦争対策
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/TOKIOの晩年
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/【愛がなんだ】がヒットする日本のヤバさ
    • アッシュ・ハドソンの「アングラ見聞録」
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 元エンジニアが作る【古代クジラ】を冠したビール
    • 更科修一郎/幽霊、TVの国でキラキラの延長戦。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』