サイゾーpremium  > 連載  > 小原真史の「写真時評 ~モンタージュ 過去×現在~」  > 小原真史の「写真時評」/台湾と内地観光団(中)
連載
写真時評~モンタージュ 現在×過去~

台湾と内地観光団(中)

+お気に入りに追加
1907_P122-125_01_2_520.jpg
浜松市全国産業博覧会に出演したアミ族の若者(1931年/著者蔵)

 台湾総督府の植民地官僚たちは、山岳部で抵抗を続ける「生蕃」と呼ばれた原住民を統治するために、彼らを日本本土に呼び寄せて、見学させる内地観光事業を考案した。台湾からの「内地観光団」は、1897年から1941年までの計17回来日し、当初は渡航費も官費で賄われた。ただし「観光」といっても初期のそれは、我々が知るような自発的・能動的なものではなく、観光ルートの選択権のない、他発的・受動的な観光であった。なぜなら、内地の軍事力や工業力、商業力などを見せつけることで「生蕃」たちを感化し、その抵抗意識を削ぐという植民地政策の一環として観光団が組織されたからである。また、文明国としての日本イメージを原住民に植え付けることで、植民地政府に都合のいいような協力者や農民の育成も企図されていた。

 明治・大正期に発行された絵葉書の中に観光団のタイヤル族が旅館で食事している一枚がある。このように比較的穏やかな表情で写っているものもいくらかはあるが、この頃のものには、とても「観光」を楽しんでいるようには見えない硬い表情のものが多い。例えば、一行が見物人に囲まれながら移動や施設見学をしている様子や、警察官に引率されて整列している様子、警官との記念写真など、さまざまなバリエーションがある。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年10月号

欲望のグラビア学

欲望のグラビア学
    • 【都丸紗也華】とタピオカのモード撮
    • 三代目JSB【ELLY】の七変化
    • 【西村歩乃果】TikToKのアイドルが魅せる
    • 【MC・DK】ヒップホップの筋肉美
    • 奇跡の三十路【森ニーナ】がB-GIRLに!
    • 【100センチバスト】がウケる理由
    • 【撮影会】の元祖は海女さんだった!?
    • 【#MeToo時代】の問うグラビアの是非
    • 【心霊写真】のグラビア的価値とは

大和田南那"青の衝撃"

大和田南那
    • 【大和田南那】20歳目前の美ボディ

NEWS SOURCE

    • 【サイゾー×Fresh!】グラドル発掘
    • 【ラウンドガール】圧巻の美脚!

インタビュー

    • 【中村里帆】──変顔が得意なCM美女
    • 【なみちえ】──藝大JDがラップする理由
    • 【DaichiYamamoto】──京都の新世代ラッパー

連載

    • 表紙/【北向珠夕】33歳に見られたんです。
    • なんとなく、【クリステル】
    • 【リクナビ】内定辞退率が法律違反以上にマズイわけ
    • 【萱野稔人】宇宙生物学と脳の機能から見る人間(前)
    • 高須基仁/年末にブレイクするのは【山里良太と稲垣吾郎】
    • 【盆踊り×SNS】の親和性
    • 世界最強の【麻雀AI】を生んだ中国人研究者
    • 【ライオネル・リッチー】の逆襲
    • 町山智浩/【アメリカン・ファクトリー】中国資本の米工場を追う
    • 【ラグビーW杯】醍醐味はブレークダウン
    • 小原真史「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/笑う全裸監督
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/【さよならミニスカート】を読む娘へ
    • アッシュ・ハドソン「アングラ見聞録」
    • 辛酸なめ子「佳子様偏愛採取録」義
    • ビールと人を作る!【ブルワーを育てるブルワー】
    • 更科修一郎/幽霊、箱の中で覗き込むエロと未来。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』