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大石始のマツリ・フューチャリズム【30】

この乱痴気騒ぎに歯止めは利くのか――祭事的・渋谷ハロウィン分析

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――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

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10月31日のハロウィン当日、渋谷は駅前から普通には歩けないほどの人々が集った。痴漢やケンカ、淫行、果てには幾人もの逮捕者と、昨年以上の乱痴気騒ぎとなった。

 各メディアで報道されたように、10月末、東京・渋谷はハロウィンのために集まった人々によって一種の騒乱状態となった。28日は、複数の人間が停車していた軽トラックを横転させ、渋谷署が器物損壊容疑で捜査を行ったほか、痴漢や盗撮などの疑いで5人を逮捕。31日のハロウィン当日にも機動隊員への公務執行妨害の疑いで40代の男らが逮捕されるなど、多数の逮捕者を出す事態となった。

 数百人規模の機動隊が配置される中、凄まじい人の波が渋谷の中心部であるセンター街へと押し寄せる光景は、まるで反政府デモを彷彿させたほどだったが、渋谷に集まった人々は共通の政治信念を持つわけでもなければ、本来のハロウィンが持つ宗教的な繋がりがあるわけでもない。それぞれの楽しみのために多種多様な人々が集結している分、集団としてのまとまりはなく、ひとたび暴走しだすと歯止めの利かない恐ろしさがあるともいえる。

 また、日本におけるハロウィンというイベントは、一人ひとりの匿名性が高く、その輪の中にいれば会社や学校、地元の繋がりからも自由でいられることができるうえに、普段の自分とは違う“何か”になることもできる(誰もが日常で抱える抑圧から解き放たれていることもあり、暴徒化しやすい側面があるのかもしれない)。そのメカニズムは、ある意味でSNSの世界と一緒。今年のハロウィンは、ある種の炎上でもあったのかもしれない。

 なお、今年の渋谷ではドン・キホーテで買った安価な仮装グッズで揃えた集団が例年以上に目立ったが、もはや仮装は二次的な目的になりつつある。仮装のクオリティよりも、「仲間たちと同じ衣装で揃え、みんなで渋谷を目指す」という一連の行動そのものが目的となっているのだ。そして、そこには渋谷を地元とする人々はほぼ存在せず、電車を乗り継いで渋谷にやってくる若者たちがほとんどだといっていい。

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