サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > ヒップホップ作品が量産される理由【1】/Netflix産【ヒップホップ映像】の社会性

――日本でも話題を呼んだ『ゲットダウン』をはじめ、『ヒップホップ・エボリューション』『ルーク・ケイジ』など、ある分野のドラマが活況を見せている。本稿ではNetflixで配信されている“ヒップホップ・オリジナル作品”に着目し、作品の内容や量産される背景など、配信されている作品を軸に多角的に検証していく。

1812_P076-081_01_350.jpg
ネットフリックス・オリジナル作品のイメージを強く印象づけた『ハウス・オブ・カード 野望の階段』。周知の通り、主演のケヴィン・スペイシーは〈#MeToo〉問題にて主演を降板するハメになったが、それもある種のプロモーション効果を生んだとは、なんとも皮肉である。

 1970年代、ニューヨークのブロンクスにて誕生――。その後、日本を含む世界中の若者を虜にし、単なる音楽のいちジャンルとしてだけではなく、アートやファッションなど、さまざまな分野に影響を与えるほどの存在となった〈ヒップホップ〉というカルチャー。例えば、この日本でもフリースタイルブームに端を発し、ここ数年は日本語ラップ・シーンも大きな注目を集めている。

 一方で、映画など映像の世界においても、世界的にヒップホップをテーマにした作品は急速に広がりを見せている。近年では、ギャングスタ・ラップの元祖ともいわれるグループ〈N.W.A.〉を主人公とした伝記映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』(15年)や、25歳の若さで命を落とした伝説的なラッパー、2パックの生涯を追った『オール・アイズ・オン・ミー』(17年)といった作品は日本でも上映されヒットを記録。そのほかにもナズやア・トライブ・コールド・クエストといった一世を風靡したヒップホップ・アーティストのドキュメンタリー映画がコアなヒップホップ・ファンを中心に話題を呼んだ。

 そんな中、いわゆるSVOD(サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド)と呼ばれる定額制動画配信サービスの世界においても、ヒップホップをテーマにしたコンテンツは熱い注目を浴びている。その最先端を走っているのが、世界一の会員登録数を誇るアメリカ発のNetflix(以下、ネットフリックス)だ。今回、ヒップホップをはじめ、さまざまなカルチャーに通じている文筆家であり、映画への造詣が深い荏開津広と小林雅明の両氏のコメントも交えながら、ネットフリックスでヒップホップ作品が人気となっている背景と、その裏側にある課題や問題点なども探っていきたい。

カルチャー以外も学べる独自の作品

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年9月号

戦争と平和

戦争と平和
    • 平和を願った【ジャニー喜多川】の戦後史
    • 【スピルバーグ映画】が訴える戦争
    • アメリカの【アトミック・カルチャー】
    • 【PTSDになった日本兵】の悲しき境遇
    • 【BTSDアメリカ兵】を描いた傑作映画
    • 米軍では反発も…【LGBT自衛隊員】の憂鬱
    • 戦争を金に!【トランプ】の魂胆
    • ドラッグ、殺人【米ラッパー】の司法戦争
    • アイドルが歌う【反戦歌】と音楽業界
    • 【激戦地区】の異文化と気候の地政学
    • 【映画監督・塚本晋也】ベトナム戦争映画のトラウマの意義
    • 【映画監督・想田和弘】GoProで撮影された映画で観客が失神
    • 【映画監督・宮崎大祐】戦争の記憶を掘り起こす異常な暴力映像
    • 【ラッパー・Kダブシャイン】禁断のアメリカ史を描いたフィルムメーカー
    • 【イスラーム映画祭主宰・藤本高之】中東紛争に肉薄した3作品
    • 卍とハーケンクロイツ【ナチスと仏教】の結びつき
    • 国防としての【サイバーセキュリティ】

竹内渉、究極の"美尻"撮

竹内渉、究極の
    • 【竹内渉】が魅せた色香と素顔

NEWS SOURCE

    • 【関ジャニ錦戸】退所報道の舞台裏
    • 【ソニー】音楽ビジネス大改革の裏側
    • 【秋元司・内閣府副大臣】の疑惑とは

インタビュー

    • 【上原実矩】──"年金"で女優業に目覚める !?
    • 【田川隼嗣】──18歳が月9の現場で武者震い
    • 【釈迦坊主】──元ホストラッパーの光と闇

連載

    • 【RaMu】二郎デビューしたんです。
    • 【川上愛】スパイに間違えられたモデル
    • 【菜々子】が一番大事
    • 【動画メディア】の未来と情報発信のあり方
    • 【萱野稔人】人間は"教育"によって生かされている(後)
    • 高須基仁の/【テレビ】はもう終わった
    • 盆踊りに【使徒】襲来
    • 中国大富豪たちの【ポッドキャスト】
    • 【RIZE】逮捕で考える薬物とロック
    • 町山智浩/【おしえて!ドクター・ルース】90歳のセックス・セラピスト
    • ポピュリズム政策【MMT】は日本経済の救世主か?
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人「念力事報」/帝国の翳り
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ博物館」
    • 稲田豊史/マンガ『1122』ソリューションとしての不倫
    • アッシュ・ハドソンの「アングラ見聞録」
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 伊賀の里でビールを仕込む【忍者ブルワー】見参!
    • 幽霊、新しい大衆はもう猿を見ない。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』