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第1特集
社会学的に自殺を考察【2】

女性は家族の奴隷?――デュルケームが触れなかった宿命的自殺

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前記事「男女共同参画で若い女性の自殺率が増加!?――なぜ毎年一定数の人が死ぬのか? 自殺大国・21世紀日本の自殺論」では「自殺の4類型」をもとに、現在の自殺について考えてきたが、登場したのは3つだけ。残された宿命的自殺とは、一体なんなのか?

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エミール・デュルケーム

 デュルケームは『自殺論』の中で、自殺を「自己本位的自殺」、「集団本位的自殺」、「アノミー的自殺」、「宿命的自殺」の4つの類型に分類したというのは本文の通りだが、実は「宿命的自殺」に関しては、アノミー的自殺の注釈でしか触れていない。なぜ、デュルケームは宿命的自殺を説明しなかったのだろうか? 阪本氏はこう語る。

「『自殺論』では、離婚率が高まると男性の自殺率は上がる一方で、女性は離婚しても自殺する人は少ないと示されています。離婚に制約がある国では、女性の自殺は多いですが、離婚しやすい国では女性の自殺は減る。そのため、デュルケームは法律で離婚を禁止すれば、男性の自殺は防げるけど、近代国家である限りそんなことはできないとまで言っているんですね。

 では、なぜ女性は離婚で自殺しないかというと、それには家族という縛りから解放されたという、フェミニスト的な解釈があるからです。女性は家族という組織に隷属した状態であって、それで抑圧されているから自殺してしまうという、宿命的自殺の典型だという考え方があるんですね。そのことから、デュルケームが宿命的自殺を本文に入れなかったことについては、『女性の自殺を語るのを避けたのではないか?』と、フィリップ・ベナールが『デュルケムと女性、あるいは未完の『自殺論』 アノミー概念の形成と転変』(新曜社)で言及しています。

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