サイゾーpremium  > 特集2  > 【テレビを殺す】のは一体ダレか?

――“笑い”の現場は演芸場や寄席からラジオに移り、そして戦後以降は圧倒的にテレビがその主戦場となった。だが今やそのテレビも、メディアの覇者としての活力を失いつつある。世相やメディアの持つ“空気”を最も読み取って昇華する演者であるお笑い芸人という存在も、変化を余儀なくされていくだろう。かつてカルチャーヒーローであったダウンタウンのような圧倒的存在は、果たしてどのようにして表舞台から去っていくことになるのか? マスなき時代のお笑いとテレビの行く末を考察する。

1608_2toku_p1_230.jpg
『ワイドナショー』での松本人志の発言はすぐニュースになり、今やご意見番的な雰囲気も帯びてきた。

 朝のワイドショーに昼の情報番組、夜のトークバラエティやクイズ番組、そして深夜番組まで、テレビをつければあらゆる番組にお笑い芸人が出演している。挙句の果てには、最近ではテレビドラマにすら芸人が俳優として登場する。今日日のテレビは、芸人たちによって支えられていると言って過言ではないだろう。

 明石家さんま、ビートたけし、タモリというBIG3が君臨し、とんねるずにダウンタウン、ウッチャンナンチャンのお笑い第三世代がその下を固める。そして『ボキャブラ天国』世代と呼ばれる爆笑問題、くりぃむしちゅー、ネプチューンらがいて、その下には有吉弘行やバナナマン、フットボールアワー、おぎやはぎ……などなど、MCクラスの芸人に限ってみても、多くの名前がぱっと挙がってくるだろう。上は70代から下は40歳前後、つまりは老年~壮年が中心になって、日本のテレビ番組を回している。そうした顔ぶれに数年来大きな入れ替わりはなく、時折一発屋と呼ばれるような人たちが出演数を増やしたり、若手が少し流入してくる程度だ。島田紳助のような例外を除けば、テレビでおなじみの芸人は増えこそすれ、人前から去っていった者はほとんどいない。

 ではこれから10年後、彼らは今と同じように活躍し続けているのだろうか? お笑いファン、バラエティ好きであれば、そんな不安を覚えたことがないはずはない。あるいは、昔好きだった芸人をある日テレビで観た時に、「昔はもっと面白かったのに」と落胆を覚えたこともあるはずだ。勝手な話だが、面白くて格好良い、と思っていた人の衰えてゆく姿は見たくない。ナインティナイン岡村隆史の休養前後のしおれた姿に、愕然とした人も多いだろう。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2022年8・9月号

衝撃のアート論

衝撃のアート論
    • タブー表現で魅せる【若手アーティスト】
    • 漢 a.k.a. GAMIとD.Oが【リヒター展】へ
    • 現代アートグッズ【転売事情】
    • 唯一無二の【B-BOY彫刻家】
    • 【ビジネス書×アート】の功罪
    • 【芸能人アート】原色使いがち問題
    • ヒップホップと【NFT】の邂逅
    • 【仏画】という芸術論
    • 今、見るべき【戦争写真集】
    • 【排除アート】と都市の美化
    • 排除アートの【アート】
    • 【Adobe】“帝国”研究

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【マルサの女】雪平莉左
    • 【後藤直義】GHOST IN THE TECH
    • 【丸屋九兵衛】バンギン・ホモ・サピエンス
    • 【雨宮純】現代怪事廻説
    • 【クロサカタツヤ】ネオ・ビジネス・マイニング
    • 【神保哲生×宮台真司】マル激 TALK ON DEMAND
    • 【萱野稔人】超・人間学
    • 【辛酸なめ子】佳子様偏愛採取録
    • 【笹 公人×江森康之】念力事報
    • 【小原真史】写真時評
    • 【七瀬アリス】下着と水着の考証学
    • 【田澤健一郎】体育会系LGBTQ
    • 【澁川祐子】味なニッポン戦後史
    • 【AmamiyaMaako】スタジオはいります
    • 【脳内パステル みさき】シラナイマチトワタシ
    • 【DJ DARUMA(PKCZ(R))& JOMMY】BLACK PAGE
    • 【町山智浩】映画でわかるアメリカがわかる
    • 【更科修一郎】批評なんてやめときな?
    • 【花くまゆうさく】カストリ漫報
サイゾーパブリシティ