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【詩人】文月悠光のアイドルで現代詩【4】

「"完璧なまゆゆ"という非現実性」

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――若手女流詩人が読み解くアイドルたちのコトバ

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早くも、「選抜総選挙で二連覇を達成したい」と語っている我らがまゆゆ。

現実的すぎるところを見せない 
      ――渡辺麻友(AKB48)

「正当な手続きを踏んだものが勝つのよ」。渡辺麻友が総選挙で1位になったとき、知人が誇らしげに発言したことを覚えている。1位獲得は喜ばしいが、少々後ろめたい気持ちを抱いた。容姿、振る舞い、どこを切り取っても正しく、破綻がない。彼女を見ていると、まっすぐに努力できない駄目な自分に気づいてしまうのだ。

 発言を追っていて気になったのが、「完璧でいたい」という言葉。アイドルという「非現実」を目指すストイックな姿勢は、メンバーいわく「プロ」。指原莉乃には、凡人でも成功できると錯覚させる「逆転力」があるけれど、その点まゆゆは現実的。インスタグラムの流出疑惑も話題になったが、内容が好意的に受け止められたのも、彼女の日頃の努力の賜物かもしれない。

完璧な針子

最後に泣いたとき見上げた
空の色が目に焼きついている。
少女はいつだって完璧な針子。
ほつれた袖口もたちまち縫い合わせる。
誰かの夢を編み上げている。

(目指しはじめたときから、はみ出せなくなっていたの。型紙通りでつまらない? 知らずに綻びていた縫い目に触れる。ほどいてしまったら、ただの糸。だからひっそりと、歪まない針の痛みを握りしめていたい)

この手で紡ぎ出さなくても
わたしのことは
誰かが語ってくれるでしょう。
言葉の刺繍の中にこそ少女は宿る。
あなたが探してくれた通りに
きちんと隠し直すわ。
見つけないでね、わたしを。

文月悠光(ふづき・ゆみ)
1991年生まれ。詩人。高3で発表した詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で中原中也賞を最年少受賞。「ミスiD2014」で"ポエドル"として話題に。ラジオ番組での詩の朗読、雑誌「ケトル」(太田出版)でのレビューなど広く活動中。

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