――ファッションスクールに通う学生たちの"リアル・ライフ"はいかがなものなのか?卒業生たちが赤裸々に語っちゃいます!
1919年に創設された文化服装学院。西新宿に立派な校舎があります。
[座談会参加者]
A…文化服装学院卒
B…文化女子大学卒
C…杉野服飾大学卒
D…バンタンデザイン研究所卒
A 私は、服飾関係の仕事をしている父が文化服装学院卒だったから、その流れで学院を選んだんだけど、みなさんの志望動機は?
B 本当は学院に行きたかったんですけど、親に「専門学校はダメ」って反対されて、文化女子大学にしました。でも、入学してから学院生のつらさを見て、「文化女子にしてよかったな」って(笑)。
C 私も学院に憧れてたんですけど、学校見学のときに学院生がいろんな荷物を持ってバタバタしてる姿を見て、「ここには通えない」って(笑)。それに比べると杉野はのんびりしてたので、ここでいいかなと。
A ふたりとも逃げたのね(笑)。バンタンはどうして?
D バンタンって、実はハイスクールもあるんですよ。私は『ご近所物語』世代で、中学生のとき親に「バンタンに入りたい」って言ったら、「バカ、高校くらい普通のとこに行け」って怒られた。だからそのリベンジというか……。
C 3年越しの夢がかなったんだ?
D そういう言い方もできますね(笑)。でもバンタンは、みなさんのところと比べたら若輩者です。
B そう? 私が学生のときは、バンタンはCMいっぱい打ってて、原宿お洒落系でかっこいいイメージでしたよ。
D 確かにデザインセンスのいい子が結構いますね。ちょっとアレなビジュアル系も一定数いましたけど、いまっぽい子が入ってくるんで。バンタンはやっぱり現場で実際に働いてる先生がほとんどなんで、それなりにやってればおのずと技術は身につく感じでした。文化女子の学生は、どんな感じなんですか?
B 普通の女子大生っぽい子がほとんどですね。ゆるふわコンサバ、みたいな。学院の人は、全身ヴィヴィアン・ウエストウッドとか、アフロヘアーの中に鳥飼ってる人とかいて、「なんかすっげーなー」って見てた。
A そんな目で見てたのね(笑)。でも、確かにとんがった格好してる人は多かったかも。課題で超忙しいのに、よくオシャレする余裕あるなと思ってた。ちなみに、ヴィヴィアン好きはメンヘラ率高いよ。リスカもファッションの一部だと思ってるのか、隠そうともしないし。
C あー、なんかわかる気がする。文化女子と学院の校舎って、あの西新宿の同じ敷地内にありますよね。お互い交流とかないんですか?
B ない。交流を持ちようがなかったですね。ぜんぜん色が違うし、学院の人は「わたし学院ですけど、何か?」みたいなオーラ出してました。
A そんなことないわよ! 文化女子の子は、なんかゆとりがあって、モテそうだなって。
B チャラチャラして見えたと?
A だから違うって!
D ケンカはやめてー!(笑) 杉野のカラーはどんなでした?
C 私の代は、「ファッション」というより「被服」って感じで、家庭科の先生を目指してる子も結構いたから、わりと地味でしたね。ごく一部にキメキメの男の子がいたけど、そういう人はだいたい勉強できない。でも、杉野ってもともと女子大だったから女の先生がほとんどで、男に飢えてるおばさんが多いんです。だから、男子っていうだけで甘やかすの。
A へええ。逆のパターンはよくありますよね。男子生徒が助手を口説くっていう。助手の女の子って、なぜかやたらかわいいし、年も学生とそんなに変わらないし。
C それもありましたね。あと女の子でも、コネクションを作るために、外部から講師として招かれた某デザイナーと寝てる子がいました。いつの間にか愛人関係になってて、びっくり。
A 杉野ドロドロしすぎでしょ!
B でも、先生とは仲良くなっておいたほうがいいですよね。私は学生時代に文化の近くの飲食店でバイトしてたんですけど、そこは学院の先生たちの溜まり場になってて、たまに「お気に入り」の生徒の話題になるんですよ。で、純粋に才能に惚れ込んでる場合もあれば、ゲイの先生が男子をどうしたとか女の先生が男子をああしたいとか赤裸々に語ってて。そういうのを目の当たりにすると、学院て、才能だけじゃなくて先生に気に入られるのも大事なんだなって思います。
D 文化もドロドロじゃん!
A ちょっと! その話、もっと詳しく聞かせて!