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留学生・ハサウェイ譲治の日本語ラップ見聞録【2】

【留学生・ハサウェイ譲治】餓鬼レンジャーの熊本弁ラップの"響き"

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――日本産ヒップホップのパーティを英国生まれの留学生がレポート!

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渋谷club asiaでライヴを終えた餓鬼レンジャーのポチョムキンさん。熊本あるある話で盛り上がりました!

「Bad Boyわかっど? 格好だけじゃいかんど?/DaもっこすWilder なめちゃイカンよ」「阿蘇 だごやびゃー 見回そう360度パノラマ」(「ばってんLINGO」より)

 2月21日の夜、オーディエンスで埋めつくされた渋谷club asiaのフロア。この日、90年代から活動する餓鬼レンジャーというグループが10年ぶりのワンマン・ライヴをそのクラブにて行っていたのですが、熊本をレペゼンする(「代表する」という意味)彼らは、そのような訛ったリリックをステージ上でラップしていたのでした。

 実は僕、東京の某大学へ入る前に、熊本大学にも通っていた経験があるのです。そのキャンパスの近くにある定食屋さんで地元のオジさんやオバさんたちとすっかり仲良くなりまして、おかげで熊本弁を自由自在に操れるようになりました。そう、こんな超ソース顔をしていながら、当時は「何ばしよっと?」とかフツーにしゃべっていたのです。

 そんなわけで、この日、餓鬼レンジャーの熊本弁ラップに耳を傾けながら思わず懐かしさがこみ上げてしまったのですが、その一方で関東出身のラッパーには出せない独特の語感があることにも気づきました。たとえば、彼らがラップしていた「あちーけん脱ぎなっせ」(「ばってんLINGO」より)というラインには、標準語で「あついから脱ぎなさい」、あるいは関西弁で「あっついから脱ぎなはれ」とラップしても生じることのない柔らかさとノリがあるように感じるのです。

 また、餓鬼レンのステージを見つめながら、リル・ウェインというアメリカの人気ラッパーのことも思い起こしました。ニューオリンズ出身の彼はいわゆる南部訛りのラップで知られ、ヒット曲「Lollipop」ではその特性をフルに活かし、「She even wear her hair down her back like mine/I make her feel right when it's wrong like lyin'」というラインの語尾「mine」「lyin'」を意図的に伸ばしたりします。餓鬼レンの場合も語尾に「ば~い!」という単語を頻用していたのですが、どことなくリル・ウェインの方言の使い方や響きと似ているように思うのです。そのあたりに、両者が人気を集める要因があるのかもしれませんね。

 それはともあれ、ライヴ後、メンバーのポチョムキンさんに声をかけ、熊本のあれこれについて和気あいあいと語り合うことができたのですが、きっと彼は「その顔で熊本弁かよ!」とツッコミたくてしかたがなかったのではないかと……。

ハサウェイ譲治(はさうぇい・じょうじ)
1990年、ロンドン生まれ。2012年に文部科学省の国費研究留学生として来日し、東京の某大学で非漢字圏日本語学習者のための漢字学習法及び指導法について研鑽を積んできた。現在は、日本国内で就職活動中。営業職希望。

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