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第1特集
知られざる黒人映画の世界【2】

黒人映画サントラの雛形をつくった画期的4作

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――ブラックスプロイテーションの隆盛と並行し栄華を極めたのが“サウンドトラック”。第一波が訪れる70年代初頭から黒人映画には、黒人アーティストによる楽曲(第一波は主にディスコ~ソウル)でまとめられたサントラがリリースされ、それらは通常の映画同様、ワンセットとして楽しまれるようになった(アイザック・ヘイズが担当した『黒いジャガー』のテーマ曲「黒いジャガーのテーマ」が、71年度のアカデミー歌曲賞を受賞したことも追い風となった)。

 第二波となる90年代は、「ブラックスプロイテーション=大ヒットの兆し」という図式が誕生し、「CDは売れないと金にならねえが、映画はヒットせんでもギャラが前払い!」というビジネスが確立。アイス・キューブやウィル・スミスなど、ラッパー出身の俳優が出演する映画のサントラには、彼らの仲間やレーベルメイトがこぞって参戦し、そこはまさにサントラという名の“映画会社とレコード会社が結託したヒップホップ新曲発表会”となり(しかもほとんどの曲が劇中で未使用)、映画の量産と共にサントラ業界はバブルに突入する。

 00年代に突入すると、まさかの低迷期(主役級の黒人俳優・女優が新たに生まれなかったのも大きな原因かもしれない)。良質な黒人映画は鳴りを潜め、お立ち台が撤去されて泣き叫ぶボディコンよろしく、サントラバブルは一気にはじけた。

 そして10年代、再び盛り上がりを見せてきているサントラ・シーン。「The Best Man」の続編が興収で首位を獲得、豪華アーティストが集結したサントラが大きな話題となった。

 黒人映画を語る上で決して外すことのできないサウンドトラック。その歴史には、映画と同じく数々のドラマが生み落とされているのだ。

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【1】アース・ウインド&ファイヤーが突如としてスーパーグループに!
『スウィート・スウィートバック』

(Stax/71年)
サントラの発売は映画本編の公開から数ヵ月後というのが常識だった時代に、宣伝費用がなかったことから公開前にサントラを売り出した異例の作品。後にこの手法は当たり前のプロモーションとして確立した。



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【2】映画をより引き立たせるサントラ界の風雲児
『ジュース』

(MCA/91年)
クラブDJを目指す主人公(2パック)がひょんなことから強盗犯に。しかも手にした銃で押し入った店の店主を射殺。そんな青春バイオレンス映画を小気味よく盛り上げたのは、劇中に流れるヒップホップである。


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【3】ベイビーフェイスが書き下ろし サントラ界のボディーガード
『ため息つかせて』

(Arista/95年)
ホイットニー・ヒューストン主演、4人の黒人女性の友情を題材にした映画。そんな女性ありきの映画のサントラは、アレサ・フランクリンやトニ・ブラクストン、TLCなど、参加アーティストはすべて女性である。


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【4】映画と共にヒットを記録 サントラは新曲披露の舞台に
『ナッティ・プロフェッサー2 クランプ家の面々』

(Def Jam/00年)
00年代に突入し、量産される黒人映画に辟易したアメリカは黒人映画停滞期へ。今作あたりが最後の贅沢極まりないサントラバブルを象徴する作品といったところ。


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