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第1特集
変わりゆくストリート・アートの現在地【1】

バンクシーの落書きが5000万円! グラフィティは本当にアートなのか?

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──80年代以降、ストリートから生まれたアートとして評価を受けるグラフィティ・アート。もともとは単なる落書きだったものが、現在では数百万円を超える値がつく作品もあるという。ここでは、2013年ストリート・アートの中でも注目されているグラフィティ・アーティストを紹介しつつ、その歴史や政治的メッセージを追った。

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壁のあるところにグラフィティあり。現在では、イスラエルとパレスチナの壁に沢山の作品が残されている!(撮影/酒井透)

「バンクシーの壁画、壁ごと50万ドル(約5000万円)で競売に!」

 7月22日のロイヤル・ベイビー誕生に沸く英国で、少し前の2月、こんなニュースが話題になった。この報道は瞬く間に広がり、世界中で物議をかもした。

 ロンドンにあるディスカウントショップの壁に描かれたこの落書きに、これほどの金額がついたという事実もさることながら、同作を描いたアーティストであるバンクシー本人が不在のまま、米国のオークション会社によって同作は競売にかけられたのだ。

 気になる壁画の内容は、「Slave Labor(Bunting Boy)」(奴隷労働:旗と少年)と題され、エリザベス女王即位60周年を祝う祝賀式典の旗をテーマに、現実生活の苦しみや低賃金・長時間労働で搾取を続ける工場が存在することを批判するものであった。

「いったいこの絵は誰のものなのか――?」

 ロンドン市民は「バンクシーが我々のコミュニティに無料で贈ってくれたもの」として、地元の政治家も交え、一度は落札されたこの壁画の返還を求めるキャンペーンを始動。だが、主役であるはずのバンクシーは、この一件についていまだ回答していない。

 このバンクシーとは、いったい何者なのか? 謎に包まれたいま最も影響力のあるグラフィティ・アーティストの考察は後述するとして、まずはグラフィティ・アートの歴史をみていこう。

「graffito(引っかき跡)」を語源とするグラフィティは、直訳すると「落書き」のこと。一説によると、時には政治的メッセージを交え、路上に描かれた落書きがやがて、作品として評価され、グラフィティ・アートと呼ばれるようになったようだ。

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