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宇野常寛の批評のブルーオーシャン 第29回

『こんな日本をつくりたい』

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──既得権益がはびこり、レッドオーシャンが広がる批評界よ、さようなら!ジェノサイズの後にひらける、新世界がここにある!

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『こんな日本をつくりたい』(太田出版)

 この号が出る頃、自由民主党の石破茂さんとの共著『こんな日本をつくりたい』(太田出版)が発売になっているはずだ。企画の発端は昨秋、僕が出演したNHKスペシャルだ。「政治漂流」をテーマにしたその番組の出演者の一人に、石破さんがいた。ほかの出演者は、民主党から岡田克也氏と古川元久氏、自民党から林芳正氏、そして経済学者の浜矩子氏だった。正直、僕がなぜ呼ばれたのかよくわからなかったけれど、おそらくノンポリの若者代表として呼ばれたのだと思う。なので、僕なりに、一人の有権者としてなぜ現代の政治に希望が持てないのかを率直に話したつもりだけれど、正直言って、壁に向かって拳を叩きつけたような徒労感が残る出演だった。この番組は生放送だったのだが、その分、台本というか番組構成がしっかりと決めてあって、後半はなぜか「明日の日本に必要なリーダーは対決型か、協調型か」という問題設定に強引に持っていかれてしまった。しかし、僕にはこの数年の政権の不安定は、今の社会に現行の議会制民主主義のシステムが合っていないために起きているようにしか思えない。だから誰が総理になっても、対決型でも協調型でも政権が安定しないのだ。選挙制度改革や政党法の整備、ひいては両院制度の見直しまで射程に収めた議論が常識的に考えて必要だ。それを、この番組はあろうことか、「望ましいリーダーシップの形」といった居酒屋談義的な人格論に落とし込もうとしている。僕は「さすがにこれはないだろう」と思って番組の構成にまでケチをつけ、議論を混ぜっかえし続けた。しかし、ほかの出演者は「空気を読まない」僕の話を無視するか、適当にあしらい続けた。ただひとり、石破茂を除いては。

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