サイゾーpremium  > 連載  > CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評  > 萌えアニメは『おとめ妖怪ざくろ』を見習う...

──大人も楽しめる日本のハイクオリティ・サブカルチャーのひとつ、アニメーション。日々進化し続ける技術と想像力に、どうついていったらいいのだろうか……。アニメの真の魅力を浮き彫りにする新批評。

2011年3月号 ANIMATIONクロスレビュー

■妖怪+レトロモダンな、恋と戦いの物語

『おとめ妖怪ざくろ』

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原作/星野リリィ
監督/今千秋
シリーズ構成/岡田麿里
制作/J.C.STAFF
テレビ東京ほかにて10月より(12月27日終了)
人間と妖怪が共に住む日本。半妖の少女・ざくろ、薄蛍らと、陸軍少尉・総角、利劔らはそれぞれチームを組み、妖人が引き起こす問題を解決していく。原作は「コミックバーズ」(幻冬舎)にて連載中の同名マンガ。シリーズ構成を、今期ノイタミナ枠『フラクタル』『放浪息子』(フジテレビ)を手掛ける岡田麿里が務めた。


【ライター・有田評】
★★★★★★★★★☆
今&岡田の、丁寧な描写に脱帽
愚直なまでにドラマとキャラを丁寧に描き、正攻法で攻めてきた本作は、「萌え」という正体不明な概念に踊らされる現在の深夜アニメ界隈の中では異色ではあるが、それゆえに強かった。各エピソードの中に配置された多くの伏線や因縁を、最終的に親子の対立、種族間の相克、男女の物語に集約させ、一気に回収していくラスト3話の展開は圧巻。この構成を作り上げた岡田麿里の手腕に感服するばかりだ。まさに連続アニメーションの教科書的な作品である。

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