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第1特集
有料サイトだから実現できた「スキャンダル追及」の舞台裏

光通信、みずほ、INAX......タブーなき男が狙う"企業の闇"【1】

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──政治や芸能などに比べて、マスコミが企業スキャンダルを取り上げることは少ない。企業は大事な広告主であり、また、読者の関心も比較的低いと思われがちなジャンルだからだ。そんな中で、ネットメディアを舞台に、誰にも遠慮することなく企業の闇を追及し続ける男がいた──。

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ソフトバンクの孫 正義社長。写真右下は、この問題を追及する山岡氏。

 広告主への配慮や組織の論理でタブーの多い大手メディアのジャーナリズムが苦戦する中、ジャーナリスト個人が運営する有料サイトの中には、しっかり利益を確保しているものがある。山岡俊介氏の「アクセスジャーナル」は、投資家や企業などの購読者を多数抱える、そんなサイトのひとつだ。武富士を始め、数々の企業スキャンダルを追及し続けてきた山岡氏に、個人メディアの利点と苦労、裏話などを聞いた。

──今、追っている企業スキャンダルの中で、ホットなネタは何ですか?

山岡俊介(以下、) 有名企業では、光通信によるソフトバンク携帯「寝かせ」疑惑や、INAX工場に従業員を派遣する会社が山口組の舎弟企業だった件、みずほ銀行行員による顧客情報漏洩疑惑ですね。

──こうした形態でジャーナリズムをやるメリットは何ですか?

「問題がある」と思ったネタを自由に書けることですね。広告を取らず、組織にも属さないから、どんな組織や人にも遠慮は要らないので。

──比較的タブーが少ない週刊誌でも、自由には書けないですか?

 もちろん、編集部が興味を持たないと書けないし、「やる」といいつつ、ネタを潰された経験もあります。昔、西川善文(現日本郵政社長)の自宅の所有者が、「富士緑化」(本社・山梨)という金丸信(元自民党副総裁)の金庫番的な企業になっていて、登記上も不自然なことがいっぱいある、というネタがあったんです。それを某週刊誌でやることになって取材していたら、僕の知らない所で、そこの編集長が勝手に西川と会ってたんですよ。そのあと突然その編集長に「あの企画なくなったから」と言われて。理由を聞くと「もう疑惑が晴れたから」(笑)。そんなことあるかよ、と。

──取引があったとしか思えませんね。

 ええ。あと別のネタで、ある企業を追及していたら、その雑誌の副編集長にいきなり料亭に呼ばれて。行ったら、その企業の常務との会合がセッティングされていて、部屋に入るなりその副編が「山岡さん、いくら払えばいいの?」って言ってきた(笑)。もちろん、乗りませんでしたよ。後で副編は「冗談に決まってるじゃない」って言っていたけど、冗談で言うかそんなこと、という感じですよね。

──そういう意味では、個人でのネット配信は理想的な形態ですか?

 そうですが、訴訟になれば全部自前ですからね。大変なことも多いです。それと、月に約60本の記事を配信しているんですが、独自情報にこだわっているんで、結構大変ですよ。

──すべて一人で?

 取材・執筆・配信まで、ほぼ一人ですね。どの写真を使うか決めたり、過去の記事へリンクを貼る作業などは、他人に指示するより自分でやったほうが早いですからね。

──「アクセスジャーナル」に対しても、脅しや懐柔などはありますか?

 脅しはあまりないですが、金銭による懐柔は結構あります。

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みずほの個人情報問題は、今後、「アクセスジャーナル」で追及していく予定。

──具体的には?

 あるノンバンクを追及していたときは、そこの社長サイドから500万円で「記事を書かないように」と持ちかけられました。正確には、その社長が通う武道の先生が仲介に入ってきて「武人として、稽古中の社長を見ているが、悪い人には思えない。山岡さん、大人の対応を」とか言って、分厚い封筒を渡してきました(笑)。もちろん断りましたけど。

──武道家の風上にも置けませんね。

 ええ(笑)。また、ある上場企業を追及した記事を載せたら、ある筋から「1000万円で消してくれ」と頼まれたこともあります。断ったら「山岡さん、なんで1000万も払うって言ってるのに消せないの?」と。金額の問題じゃない(笑)。そんなの受け取ったら、ジャーナリスト廃業ですよ。信用第一ですから。そもそも、懐柔を持ちかけられること自体屈辱なんです。金を受け取るだろう、って思われているわけですから。僕をブラックジャーナリストだと思ってしまう人もいるようです。

──実際に会って話すと、そんな印象は全然ないんですけどね。

 取材で企業に行くと「あなたが山岡さんですか?」とよく驚かれます。ヤクザみたいなキツい顔のが現れると思っているようで(笑)。

──ネタ元はどんな方が多いですか?

 企業ネタの場合、内部の人間が多い。一言でいうと仲間割れが原因で、一方の当事者が告発してくる。相手を陥れるのが目的だから、ネタの信ぴょう性としては危ないんですが、経験上まったくのガセというのはまずないです。それでも裏取りはきちんとやっています。当たり前ですが、そういうネタ元とは、一定距離を保たなければいけないので、金銭のやり取りは一切ないですよ。

──では、今の「アクセスジャーナル」のような形態なら、山岡さんには弱点なしでしょうか?

 いや、去年の秋ぐらいに異常な集中アクセスがあって、サーバーがダウンしたんですよ。原因は不明ですが、それで、契約上認められている以上の負荷がサーバーにかかったという理由で業者に一方的に契約を打ち切られ、約1週間閲覧できなくなってしまったんです。仮サイトで対応したんですが、その間は入会者も減り、退会者も続出でした。一度離れると、復旧してもなかなか元に戻らないんですね。最近ようやく、サーバーダウン以前の水準まで戻りつつありますけど、かなり痛かったですね。それでも、なんとか取材費用は捻出できるし、他人にも左右されないので、スキャンダル追及に、有料サイトは格好のメディアだと思っていますよ。

山岡俊介(やまおか・しゅんすけ)
1959年生まれ。フリージャーナリスト。「週刊大衆」「噂の眞相」「財界展望」などで活躍し、06年に有料サイト「アクセスジャーナル」を開設する。さまざまな問題を取材・執筆する間、武富士から盗聴を受けたり、自宅を何者かに放火されたり、刃物が送られてきたりと、命がけで真実を追及している。

『アクセスジャーナル』

財界、政界、芸能界と、ジャンルをまたにかけ、マスコミより一足早く問題を追及。他に類をみないスタンスと情報で、年間購読料9000円ながら、約2000人の会員を誇る。 公式サイト


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