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第1特集
週刊誌のカリスマ・元木昌彦が特別寄稿

元祖スキャンダル編集長が選ぶ上半期・この週刊誌記事がスゴい

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──スキャンダルは雑誌の華である。特に週刊誌編集長にとって、スキャンダルで権力者の首を取ることは、いつの時代も夢である──。そんなスキャンダリズムを全開に「フライデー」「週刊現代」の黄金期を支えてきた元木昌彦氏が、09年度上半期のスキャンダル記事ベスト10を選出する。

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あらゆる芸能記事の中でも、異彩を放った「フライデー」の強硬"小向ストリップ"スクープ。

 雑誌不況といわれて久しい。経費や人件費の削減でもしのぎきれず、休刊していく週刊誌もある。強まる言論規制や名誉毀損裁判での賠償額の高額化、さらには「週刊新潮」の大誤報事件などもあって、週刊誌全体にアゲンストの強風が吹いている。だが、これから紹介する珠玉のスクープ10本は、「週刊誌の役割はまだまだ終わっていない!」そう思わせてくれるものばかりである──。

 まず10位は『清原和博 自伝に書けない妻子への裏切り』(「週刊現代」6月20日号)。今や「文化人」になった清原と、年上の銀座ママとのモナコ不倫旅行。写真もたっぷりある。読ませどころは、銀座ママの店から出て、クルマで走り去った清原を追いかけた記者に対し、逆に清原が諭すくだりだ。

「おまえは子どもに背中を見せられるのか。こんな仕事して背中を見せられるのか。(中略)俺は子どもに背中を見せられる。足が片方ダメになっても最後まで頑張った。もう一回足がダメになっても同じことやるよ。なあ、真っ直ぐに生きようや」

 やっぱりあんたは、文化人より番長が似合うんやね。

 9位。『長嶋茂雄と一茂 父子の「葛藤」』(「週刊文春」5月7・14日号)

 長嶋が脳梗塞で倒れたとき、長男・一茂が「ようやく親父が帰ってきた」と語ったのを何かで読んで、「英雄」を親に持った子どもの複雑な思いを感じたものだった。その後、一家を支えていた妻が逝き、長女は父親に反発して実家を離れ、次男も仕事を転々としているようだ。妻・亜希子が溺愛した一茂は現在「ナガシマ企画」をやっているが、父親のキャラクター販売などをめぐって、次女の三奈らと確執がある。ひとり家にいて、毎日激しいリハビリに励む父親と子どもたちとの微妙な距離感。どの家庭にでもある話だが、長嶋家だけに、なんとなく切ない。ようやく表面上は和解したようだが、まだ火種はくすぶっている。

 8位は『特別読物 シルクロード「核汚染」を隠蔽し続けるNHKの大罪』(「週刊新潮」7月16日号)

 札幌医科大学高田純教授がNHKに出した公開質問状には、「シルクロードでの中国の核実験の事実を公開せよ。シルクロードの撮影に当たってNHK取材班は、桜蘭と黒水城周辺が核実験場であることを知りながら、そのことを隠し、シルクロードブームを煽ったことを謝罪すべきだ」と綴っている。高田教授によれば、中国は64年から96年まで、ウイグル人が居住する東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)で46回の核実験を行った。総威力は22メガトン、広島に投下された核の1375発分に相当するという。ウイグル人ら19万人以上が放射能汚染で死亡し、129万人以上が白血病、がんなどの急性放射線障害に罹ったと推定。

 シルクロード観光は、核爆発に巻き込まれて死亡するケースや、帰国後に、白血病や肺がんの発症が危惧されるといわれているようだ。85年に白血病で、27歳の若さで亡くなった夏目雅子も、
ドラマ『西遊記』のロケのために、核実験中のシルクロードへ赴いていたことが思い起こされる。NHKは「放射能汚染についての認識は放送当時も現在も持っていない」と回答しているが、もっと真摯に、これらの疑問に答える義務があるはずだ。

連発した若手エースたちと年上女性との熱愛スクープ

 7位には『金川真大被告との100問100答』(「週刊朝日」6月12日号)を推す。記者に対する金川被告(25歳)の答えがすごい。08年に、自宅近くで72歳の男性を刺し殺し、潜伏後、JR荒川沖駅でひとりを殺害、7人にケガを負わせた金川被告。犯行動機は? 「自殺のためです。この国の法を利用して自殺するんです」。なぜ自殺しなかったのか?「痛そうだからです。死は怖くありません。しかし、苦痛はイヤなのです」。他人が痛いのは平気なのか? 「ええ!! 平気の平左衛門! ライオンがシマウマを食べるのと同じ!」。秋葉原殺傷事件の加藤智大被告(犯行時25歳)をどう思うか? 「うらやましいです! 殺した人数を俺にわけてもらいたいです!!」。自分が死にたいために多くの人を殺した25歳。息子を持つすべての親が読むべき記事である。

 6位は巨人の若大将、弱冠20歳の坂本勇人の初スキャンダル『「巨人」坂本勇人「3歳上トップモデルにメロメロ通い愛」』(「フライデー」8月7日号)。彼のお相手は3歳年上のモデル・里海。彼女は講談社発行の女性誌「with」のモデルをやっている。知り合って1カ月というから、超スピード愛である。彼女のマンションで2時間。その後出てきた坂本君、車を運転代行に任せてご帰還。あっぱれな初陣である。5位も球界のスター、楽天の『田中将大「ブランコリポーターとお泊まり愛」撮った!』(「フライデー」7月24日号)。某夜、六本木で騒いだ後、ひとり抜け出して向かった先は、美女が待つマンション。彼女は、マー君と同じ兵庫県出身で『王様のブランチ』(TBS)の人気リポーター、通称"ブラン娘"もりちえみ。年齢差は4歳、どうしてスポーツ選手というのは年上が好きなのだろうか?

 4位は『怒りのスクープ!「郵政民営化」でオリックス丸儲け!?』(「週刊朝日」1月30日号)。昨年12月に日本郵政が、全国のかんぽの宿計70カ所を、オリックスの子会社・オリックス不動産へ一括売却すると発表した。これに待ったをかけたのが鳩山邦夫総務相(当時)だったが、この時点では鳩山氏への批判のほうが大きかった。そんな中、朝日は日本郵政の売却に関するプレスリリースの中に「かんぽの宿等の各施設に附帯する住宅等の施設及び首都圏社宅9施設を含む」という記述を見つける。このおいしい物件の資産価値は総額47億円と推定され、売却総額の4割にもなる。その上、入札の際の詳細を日本郵政側は明らかにしないのだ。西川善文日本郵政社長×鳩山戦争勃発のきっかけになった記事である。

 さてベスト3の一番手は「フラッシュ」(7月28日号)の『夏目三久アナ 流出した衝撃「××」写真』。どこから見ても日テレの夏目アナにしか見えない美女が、ニッコリ微笑んで「コンドームの箱」を持っている。有名税にしてはちと可哀想な気はするが、こんないい女と「親密」できる彼氏に嫉妬している自分が腹立たしく、情けない。

 第2位は、『スクープ公開! 小向美奈子「問題ステージ」』(「フライデー」6月26日号)。小向がストリップの老舗・東京の「浅草ロック座」25周年特別興行に出演したが、他週刊誌は活字でリポート。こんなものは活字でいくら説明されても百聞は一見にしかず。写真週刊誌ここにあり。淫靡な照明の中で、美しい裸体が怪しくくねる。

 写真を掲載したことで、劇場側が法的手段を辞さない構えを見せたが、興行側は話題を作って客を呼ぼうとするし、雑誌はそれを撮って紹介することで話題を増幅さる。「客が客を呼ぶんだから、目くじら立てないでよ」と、元「フライデー」編集長の私は思ってしまうのだ。

 栄えある今年上半期スキャンダル大賞は、『朝日新聞阪神支局襲撃犯の告白』大誤報で失態を演じたが、底力を見せた「週刊新潮」(5月21日号)の『愛人同伴「ゴルフ&温泉」の小旅行でGWを謳歌した「鴻池官房副長官」涙目懺悔録』。ほとんどの全国紙が1面を使って後追い報道をした。W不倫よりも、熱海に出かけた日の16時からは参議院の本会議があり、翌々日は、新型インフルエンザ問題で、朝8時過ぎから、舛添厚労相や河村官房長官らが官邸で対策本部幹事長会を開いているのだが、鴻池氏が旅館を出たのは朝8時30分。それも、熱海駅で切符を買わず、国会議員の特権と批判されている「JRパス」を使って乗り込んだのである。公私混同などというも愚か。辞任は当たり前だろう。綿密な取材、当事者からの十分な聞き取りを含めて、久しぶりに新潮らしさがよく出た記事であると、同誌にエールを送って、筆を置きたい。

元木昌彦(もとき・まさひこ)
「FRIDAY」「週刊現代」「Web現代」編集長を経て、06年講談社退社。その後、市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」で、編集長、代表取締役社長を務める。現在は、編集プロデュースのほか、上智大学、明治学院大学などで教鞭を執る。


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