サイゾーpremium  > 連載  > 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」  > 町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第125回/『サバービコン 仮面を被った街』
連載
町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第125回

『サバービコン 仮面を被った街』――トランプが掲げるグレートなアメリカは誰のためのものか?

+お気に入りに追加

『サバービコン 仮面を被った街』

1805_P165_200.jpg

1950年代のアメリカで、実際に起こった事件をモチーフに製作された、ジョージ・クルーニー監督最新作。白人限定を謳い話題となった、閑静な住宅街の一家に強盗が押し入り、母親が惨殺された。不審に思った息子ニッキーは父親を疑い、街で唯一の黒人一家を中心に事態は思わぬ方向へ向かう――。
監督/ジョージ・クルーニー、出演/マット・デイモン ジュリアン・ムーアほか。5月4日全国公開。


 1959年、サバービコンという名のニュータウンの建売住宅に住む少年ニッキー・ロッジ。父は優秀なサラリーマン(マット・デイモン)。母(ジュリアン・ムーア)は体が不自由で、同居する双子の姉マーガレットが世話をしている。そのロッジ家がある晩、2人組の強盗に襲われ、母は惨殺される。

 ところが、ニッキーは次第に気づく。父がマーガレットとデキてしまったので、邪魔になった母を、殺し屋を雇って殺させたのではないか、と。

 映画『サバービコン 仮面を被った街』は、『ノーカントリー』のコーエン兄弟が80年代に書いたシナリオで、普通の気弱な男が殺し屋を雇うというプロットは、コーエン兄弟の監督デビュー作『ブラッド・シンプル』や『ファーゴ』と共通する。当初、ジョージ・クルーニーが出演する予定だったが、コーエン兄弟がこの映画を監督するのを辞めたため、クルーニー自らが監督することになった。

 ただ、『サバービコン』には、もうひとつのプロットがある。ロッジ家の隣にマイヤーズという一家が引っ越してくる。彼らを見て住民たちは驚く。黒人の家族だったからだ。サバービコンのセールスポイントは「白人だけの街」だった。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年3月号

欲望の美人学

欲望の美人学

乃木坂46・斉藤優里のパジャマパーティ

乃木坂46・斉藤優里のパジャマパーティ
    • 乃木坂の太陽【斉藤優里】が登場!

インタビュー

連載

    • 【園都】サウナーなんです。
    • 【平嶋夏海】美尻アイドルの偏愛録
    • 【88rising】世界戦略の真実
    • 深キョン熱愛ショック!【恭子から俺は!!】
    • 世界中で議論される【AIと倫理】
    • 高須基仁/【エロ】の匂いを消すこの国に抗う
    • 映画【盆唄】に見る人々のたくましさ
    • 【ファーウェイ】創業者の素顔を追う
    • 【ブラック・クランズマン】に思うファンクとディスコの70年代
    • 町山智浩/【バイス】ブッシュを操る副大統領
    • 厚労省の【不正統計問題】と統計軽視の代償
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人/【嵐】の夜に
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 稲田豊史/希代のマーケター【西野カナ】
    • 【アッシュ×スラッシュ】実弟が聞くキワどい話
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • ニコタマに地ビールを!【ママ友】たちの挑戦
    • 伊藤文學/【新世代ゲイ雑誌】の価値観
    • 更科修一郎/幽霊、【サイコパス】に救われたい人々。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』