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町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第162回

『ドント・ルック・アップ』彗星が地球に衝突! なのに人類は…… 豪華出演陣の超大作

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――雲に隠れた岩山のように、正面からでは見えてこない。でも映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる、超大国の真の姿をお届け。


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『ドント・ルック・アップ』

彗星が地球に衝突! このままでは人類は滅亡するーー。衝撃の事実を発見した天文学者と彼の大学院生の教え子は世界中にその事実を伝えようとしたが、どうもうまくいかない。やがて彗星は肉眼で見えるまでに迫るが……。

監督:アダム・マッケイ、出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンスほか。ネットフリックスで配信中。


「事実に基づいている……かもしれない」

どっちなんだよ! とツッコミたくなる字幕で『ドント・ルック・アップ』は始まる。これはハリウッドのオールスターを集めたパニック超大作だが、全編バカげたお笑い映画だ。

ミシガン州立大学で天文学の博士課程にいるケイト・ディビアスキー(ジェニファー・ローレンス)は、ある日彗星が地球に向かってくるのを発見した。指導教授のミンディ博士(レオナルド・ディカプリオ)と計算すると、6カ月後に地球に激突する。人類はかつての恐竜のように絶滅する可能性がある。

2人はNASAのPDCO(惑星防衛調整局)に報告する。PDCOは小惑星などの衝突に備えて2016年に設置された実在の部署。PDCOのオグルソープ博士(ロブ・モーガン)は彗星衝突を確認し、人類の危機に対処するため、ミンディたちを連れてホワイトハウスに向かった。

ところが大統領(メリル・ストリープ)はゴージャスな縦ロールのナルシストで、真剣にミンディたちの警告を聞こうとしない。

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