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第1特集
ドキュメンタリーで露わとなった、あるまじき性的虐待

暴かれた不適切な性行為 R・ケリーの小児性愛障害

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ーードキュメンタリー『サバイビング・R.ケリー:全米震撼!被害女性たちの告発』(Hulu)で明かされた鬼畜すぎる行為によって、去る9月末、立件された9つの罪状がすべて有罪評決となったR・ケリー。なぜ彼はここまで堕落したのか──。長年ケリーをウォッチしてきた音楽ライター・小林雅明氏が斬る。

「R・ケリーの名前は一切出さないでください」

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海外ではケリーの音楽作品による経済的支援を終了させる「Mute R. Kelly」運動が行われており、スポティファイは彼の楽曲をプレイリストから削除するなどの措置を執っている。(写真:Scott Olson/Getty Images)

──今だから明かせるのだが、1995年2月の初ライブと、それに先立つプロモーションでの二度の来日時に、デビューしたてのR&Bシンガー、アリーヤへのインタビューに際し、彼女のマネジメント側から事前にこう注意が加えられた。

それはまさに、当時27歳のケリーと18歳のアリーヤの婚姻証明書(94年9月20日イリノイ州クック郡発行)の写真が、米R&B/ヒップホップ系雑誌「Vibe」(94年12月・95年1月合併号)に掲載され、2人の結婚の事実がスクープされたタイミングだった。記事の存在は取材者側の間でもある程度は共有されていたはずだし、とにかく私生活につながることには一切触れてほしくないのか、と受け止めたのだった。とはいえ、前年発表のアルバム『12 Play』の大ヒットにより、スーパースターへの道を歩み出していたケリーが全面的にプロデュースした彼女のデビューアルバム『Age Ain’t Nothing But A Number』について、彼の名前を一切出さずに取材することに違和感を覚えたのも事実だ。

この2人の結婚の真相については、その後もさまざまな噂や臆測が飛び交い、アリーヤが2001年に非業の死を遂げてしまったため、うやむやになったところはある。その真相が、2019年1月に放映されたドキュメンタリーシリーズを通じ、一気に白日の下にさらされることになる。

「R・ケリーは性的暴行、家庭内暴力及び虐待、未成年への不適切な性行為についての容疑を完全に否定している」との字幕で始まるその作品のタイトルは『Surviving R. Kelly』。内容は、後に日本でも配信される際に付けられた邦題「サバイビング・R・ケリー:全米震撼!被害女性たちの告発」そのものだ。R・ケリーのあまりにも不埒な行動の数々が、被害女性を中心に、多数の関係者の証言も加えられて多角的に検証されていく。そこでは、ケリーはソロデビュー以前から、女子中高生の溜まり場に姿を現し、お目当ての子に取り巻きを遣わせ、スタジオに呼んでいたことや、「Slow Dance」のレコーディング中にはブース内で少女を四つん這いにさせ、のしかかっていたこと、さらにそこにはクイーンサイズのベッドも置かれていたことなども明かされる。そんなこととは知らず、人気急上昇中だった彼に直接会えるとなれば、女子中高生なら天にも昇る気持ちだっただろう。ただし、相手は小児性愛者でもあるのだ。

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