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大石始のマツリ・フューチャリズム【57】

「炎上」という祭りの開会式

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「東京2020オリンピック」公式サイトより。

――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

7月23日、東京オリンピックの開会式が開催された。開会式・閉会式には「Moving Forward(前を向いて生きるエネルギー)」という共通のコンセプトが込められていたそうだが、前向きどころか、度重なるトラブルに見舞われながら辛うじて形にしたという印象を持った方は少なくないだろう。筆者も開演から終演まで約3時間半に渡ってモニターにかじりついたが、なかなか疲れる視聴体験であった。

繰り返し報道されているように、これほどまでにトラブル続きのオリンピック開会式も過去記憶がない。全体の統括役を務める佐々木宏の騒動が表面化したのが今年3月。その際、当初演出の中心的役割を担っていたMIKIKOが演出チームを辞任することになった経緯も明らかになった。開催直前には小山田圭吾の過去のいじめ騒動が広く知られることになり、自ら辞任することに。ゴタゴタが続く中、今度は小林賢太郎がラーメンズ時代におけるコントの不適切発言が問題視され、すぐさま解任された。

それが開会式前日。このときの“祭り”状態はまさに近年稀に見るものであった。普段は異なる意見をぶつけ合う論者も一致団結。皮肉なことに「オリンピック反対」という一点で異なる陣営が結びつき、今までにない絆が生まれる事態となった。昨年同様、リアルな祭りや盆踊りはどこも中止、および規模縮小を余儀なくされた2021年において、最大の「祭り」とはオリンピック関連の炎上だったのかもしれない。開会式当日から1週間ほど経った今もなお、炎上の火種は残ったままだ。

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