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第1特集
ドラッグ規制も新たに付加【2】

契約違反をしたらどうなるの!?――当事者が語った割に合わない措置

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――2014年12月、DJ JET BARON名義で『ENAK DEALER』をメジャーレーベルであるユニバーサルからリリースした高野政所氏。しかし、その3カ月後に大麻取締法違反で逮捕。レコード会社のサイトは削除され、発売・出荷・配信停止を喰らったことは記憶に新しい。当時の心中を振り返ってもらう。

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 ずっとインディで活動していたんですが、09年に“ファンコット”というインドネシア産のダンスミュージックを発見し、ラジオなどで布教活動をしていたら、ユニバーサルの方から声をかけてもらったんですね。奇跡だなあと思いました。そこで契約書にサインすることになるんですが、そもそも書類や契約といったものとは無縁の生活を送っていたので、めちゃくちゃ適当に読み飛ばしていたような気が。ただ、「原盤権は僕にある」「独占販売権はユニバーサルにある」という内容だったことは記憶しています。

 ビジネス的に考えれば契約書の内容を把握することは必須なのでしょうけれども、僕の場合は把握していたとしても、あまり変わらなかったかも。思慮が浅く頭が悪いのがバレてしまいますが、アーティストの中でもそういった実務面、ビジネス的な側面がしっかりしている人と、まったく無頓着で何もできない人がいると思いますが、僕は完全に後者。把握しておくに越したことはないのでしょうが、それを知ったところで防げていたか、というと疑問で。そもそも大麻が違法な国で所持していた自分が悪いんで、仕方がないかなという感じです。しかもファンコットの本場、インドネシアではMDMAとセットの音楽だったりもするので、日本ではそういうイメージではない形で広げようとレコード会社の担当者と話はしていたんですが、「僕は大麻ユーザーです」といった話もしていませんでしたので。

 正直な話、ある種の音楽とドラッグはどうしても切っても切れない部分はある。もちろん、音楽をやっている人全員が薬物をやっているとは言いませんし、一部だとは思いますが、定期的に有名なミュージシャンが薬物で逮捕されているのは事実であり、メジャーでやっていてもドラッグを嗜む人は嗜むものです。ただし、得るモノと失うモノの大きさを考え、一貫して思うのは、「大麻でパクられると割に合わない」ということです。

 最後に、アーティストが不祥事を起こした場合の販売・配信停止という慣例について。今はそれ自体を疑問視する方も増えてきていますし、実際こうしてメディアにも取り上げられるようになったのですが、僕が逮捕された時点では、そういった対応や処置が当たり前の空気でした。とはいえ、アルバムに参加してくださったほかのアーティストの方たちや、映像を作ってくれた方たちに対しては、あれ以降、人の耳や目に触れられない状態になっているのはなんとも心苦しい部分があります。納得がいっているかというと、“今の空気”の中では納得がいかない感情もあるっちゃありますけど、あの時は仕方がなかったし、タイミングも悪かったなあと思います。(談)

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高野政所(たかの・まんどころ)
DJ/魔改造音楽家。サンプリングを主体としたナードコア・テクノのムーブメントを牽引したレオパルドンのリーダー。東京を代表する小箱「ACID PANDA CAFE」(現在は閉店)の店長としても知られる。16年に刊行した『前科おじさん』(スモール出版)に大幅な加筆&修正を施した新装版『大麻でパクられちゃった僕』(彩図社)が3月に発売されたばかり。

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