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大石始のマツリ・フューチャリズム【52】

「チュチュンがチュン!」が受け継いだ音頭のDNA――ありがとう、小松の親分さん

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――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

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チュチュンがチュン! チュチュンがチュン! 我々の思いを代弁するタイトル『デンセンマンありがとう』デラックス盤がこちら。小松の親分さん、数々の感動をありがとうございました。

 昨年の12月7日、俳優の小松政夫が肝細胞ガンのためこの世を去った。享年78。2019年11月に肝細胞ガンが見つかって以降、入退院を繰り返していたというが、小松はその直前、芸能人生の集大成ともいうべき舞台「うつつ」を上演している。副題は「小松政夫の大生前葬」。まさに芸能者として、やりきった上での逝去ともいえるだろう。

 マツリ・フューチャリズム的にいえば、小松政夫はなんといっても「デンセンマンの電線音頭」(76年)という昭和音頭史に残るメガヒットに関わった人物である。「電線音頭」はもともと75年から76年にかけて放映されていたテレビ番組「ドカンと一発60分!」(現・テレビ朝日系)の1コーナーにおいて、桂三枝(現・桂文枝)が即興で歌い踊ったものが原型。すぐさま「桂三枝の電線音頭」としてレコード化され、こちらにはすでに小松が参加している。三枝版のレコード自体はそれほど話題にならなかったようだが、「ドカンと一発60分!」の後続番組「みごろ! たべごろ! 笑いごろ!」(同)で伊東四朗と小松のコンビでリメイクされると、大きな話題を集めることになった。その後「デンセンマンの電線音頭」としてレコード化もされヒットを記録している。

「人の迷惑かえりみず、やってきました電線軍団!」というベンジャミン伊東こと伊東四朗の口上、「チュチュンがチュン! チュチュンがチュン!」という囃し言葉、そしてブギと阿波おどりを融合させたリズム。「みごろ! たべごろ!笑いごろ!」では、そこに小松与太八左衛門こと小松政夫率いる電線軍団が乱入し、一種の狂乱状態を生み出すのが定番の流れだった。楽曲の持つ力と人気番組のエネルギー、さらには人気絶頂期のキャンディーズが同番組に出演していたことも大きいが、やはりなんといっても当時30代の若かりし小松と伊東あってこそ。血管が切れそうなテンションで「チュチュンがチュン!」と絶叫しまくるその姿は、現代の感覚からすると少し恐ろしくなるほどだ。

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